鯉がなんでも食べるのは胃が無いから!?無胃魚と呼ばれる魚たちを紹介

公園などの池で、人が近くを歩いてみただけで餌を求めに顔を出してくる鯉。
いつ行っても同じような状況になったりするので、どれだけ食い意地張ってるんだ?と思うことありますよね。

目の前にあるものを何でも食べてしまう鯉ですが、なぜそれほど食欲旺盛なのでしょうか?
それは鯉の体の構造に理由があるので、その点について解説していきます!!

無胃魚とは

 

常に食事ができる環境が必要なのは、鯉をはじめとしたいくつかの種類の魚の内臓に特徴があるからです。

胃の無い魚たち

鯉をはじめとした一部の魚には、生まれつき胃が存在しません。
胃と腸が直接つながっており、間にあるはずの胃が無いことから「無胃魚(むいぎょ)」と呼ばれています。

無胃魚は鯉の他に、サンマやイワシ、メダカ、金魚、フナ、トビウオが確認されています。

胃が無いとはいえ、もちろん消化活動は行っており、食道と腸の間にあるわずかな区間に消化液を分泌する場所があります。

鯉は雑食で、ずっと食べている

 

胃があるタイなどの魚は、摂取した食事を10時間かけて胃で消化しています。
それに対し、無胃魚と呼ばれる魚は、摂取したものをものの数十分で消化して体外に排出してしまいます。

絶えず食事をしている無胃魚

 

胃には消化器官としての役目だけでなく、食べ物を蓄えておくことでエネルギーの貯蔵もしています。
しかし、無胃魚には食べ物を保持しておく器官が無く、食事をしたらすぐ消化吸収が行われ体外に排出されてしまいます。

つまり、無胃魚は体内にエネルギーを貯蓄しておくことができないので、24時間絶え間なく食事をする必要があるのです。

ちなみに、サンマなどの無胃魚はプラントンを餌としていますが、鯉は違います。
鯉は水草や貝類、他の小魚や水中生物の卵など水中のものなら何でも食べてしまいますし、昆虫やカエルなど池に落ちてきたものも口にします。
貝など硬いものを砕くために喉のあたり「咽頭歯」という歯の機能を持つ骨があることから、なんでも食べられるように鯉は進化したのかもしれません。

まさに雑食性の生き物なのですが、鯉はこれらを数十分で消化して体外に排出してしまうのです。

トビウオに胃が無い理由

トビウオはマグロなどの大型魚類から逃げるために水面を滑空を行います。
その際、少しでも体は軽い方が飛翔距離が延びますので、体内に食べ物を貯蔵する胃を退化させたのだと考えられてます。

まとめ

公園や庭園にある池に近づくと餌をせがむように口を水面から出す鯉は、非常に食い意地が張っているように見えますが、これは食べ物を蓄える胃が無いためです。
鯉のように胃が無い「無胃魚」と呼ばれる種類は他にもおり、サンマ、イワシ、メダカ、金魚、フナ、トビウオが確認されています。

特にサンマやイワシは、プランクトンを主に食べている上に消化するとすぐに体外に排出します。
それにより内臓が綺麗なので、肝までおいしい魚といわれています。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事