
人前で仲良く寄り添うカップルを見ていると、「てやんでい!イチャイチャしやがってからに!」と江戸っ子のような口調で言いたくなる人も、きっと少なくないと思います。
しかしふと考えてみると、そもそも『イチャイチャ』とはどのような状況なのでしょうか?
そこでここでは『イチャイチャ』とはどのような意味なのか、その由来と併せてご紹介します!
目次
「イチャイチャ」とは?

イチャイチャという言葉は辞書に正式に掲載されていない言葉で、いわゆる造語と呼ばれるものです。
まずは、イチャイチャの意味などについて見ていきましょう。
「イチャイチャ」の意味
イチャイチャという言葉は、主に男女が仲良く戯れていることを意味します。
男女が寄り添っている姿などを揶揄して「イチャイチャしている」と表現します。
手を繋いだり話したりしている姿はイチャイチャとはあまり言わないですが、ふざけ合ったりキスしたり・・・じゃれ合っている姿を指すことが多い言葉ですね。
特に恋愛関係にある若いカップルに対して用いられる言葉で、本人たちが使うというよりも他人が嫉妬や揶揄の意を込めて使うことが多いです。
英語における「イチャイチャ」
イチャイチャは英語で表現すると、どんな言葉になるのでしょうか?
同じような意味に当たる英語があるのでご紹介します。
・Lovery-dovey
これは主に英語圏の若者の間でスラングとして使われている言葉です。
日本と同じような造語もあり、その多くが若者を中心にスラングとして広まっています。
その他にも英語では、イチャイチャしている行為を指す意味で以下のような言葉が使われることもあります。
・Flirting
・Touching
・Make out
・Snuggle
これらの言葉は、じゃれ合っている姿や触れ合っている姿を表現しており、それが転じてイチャイチャといった意味合いで用いられるようになりました。
「イチャイチャ」の由来

「イチャイチャ」がどのようにして生まれたのか、その成り立ちについて見ていきましょう。
昔の商家で子守や乳母をしていた人の通称説
「イチャ」という言葉は、昔くは若い女性、特に商家などで子守や乳母をしていた女性の通称でした。
当時、「市(いち)」という呼称を持っていた人が多く、みんなから「いちや!いちや!」と呼ばれていたからです。
最初は個人の名前だったものが、いつからか子供が母親に対して甘え放題、わがまま放題になっている状態のことを指す言葉として広まりました。
そしてそれが転じ、男女が好き勝手に甘え合っている状態を『イチャイチャ』と呼ぶようになったという説があります。
男女の戯れを揶揄した「イチャつく」説
18世紀の後期には、男女が戯れている状態を「イチャつく」と言うようになりました。
「イチャ」は漢字で「淫戯」と表記し、戯れる男女を揶揄する言葉でした。
現在の「イチャイチャ」と意味が同じなので、こちらの「イチャつく」という表現から「イチャイチャ」という言葉が生まれたとする説もあります。
意外と歴史の長いスラングですが、どの時代にもバカップルと言われてしまうような恋人たちというのはいたものなので根付いた言葉なのかもしれません。
文句を言う「いちゃもん」

「イチャ」を含む表現に、「いちゃもん」という言葉もありますよね。
実はこの言葉は「イチャイチャ」から来ているともされています。
しかし、その「イチャイチャ」は、現在の「イチャイチャ」とは異なる意味の「イチャイチャ」だとされています。
「いちゃもん」のいちゃは・・・
最も古い「イチャイチャ」という言葉は、グズやグズグズしている様子をあらわす言葉だったとされています。
18世紀には使われるようになっていたとされ、この「イチャイチャ文句を言う」が、「いちゃもん」と変化していきました。
この「イチャイチャ」は、「市」という女性とも男女の戯れから来た言葉ではないので、「いちゃもん」と現在の「イチャイチャ」に結びつきはないということになりそうです。
まとめ
イチャイチャという言葉は、江戸時代から使われている言葉となっています。
古くから男女が戯れている様子に対して用いられてきました。
同じく江戸時代に「いちゃもん」の由来となる「イチャイチャ」が用いられていましたが、こちらの「イチャイチャ」は現代まで続くことはありませんでした。