「かいわれ大根」は大根の仲間?それとも別物?その正体とは一体・・

「かいわれ大根」は、名前に大根と入っていますが、大根の仲間なの?と思ってしまう姿をしています。
実は「かいわれ大根」も大根の一種なのですが、品種改良がおこなわれており、根の部分が大きくなりにくい品種になっているのだとか。

そこでここでは、かいわれ大根と大根の違いを見ていきましょう。
かいわれ大根は一見、大根の葉にも見えますが、はたしてどのような関係なのでしょうか。

「かいわれ大根」の正体

 

かいわれ大根とは、そもそも一体どのような野菜なのでしょうか。

かいわれ大根は大根の新芽

かいわれ大根は、大根の種子を発芽させ、軸が伸びて子葉が開いたところに日光を当てて緑化させたものです。
つまり、大根の種子からできる新芽となります。

通常の大根は、土の中で育てて根となる部分を食す根菜ですが、かいわれ大根の場合は芽を食す発芽野菜となるわけです。

名前の由来は貝に似ているから

でも、同じ大根の種子からできるものなのに、なぜかいわれ大根は「かいわれ」という名前が付けられているのでしょうか?
これには二枚貝が関係しているとされています。

かいわれ大根の子葉は双葉です。
この子葉が、殻を開いている二枚貝のように見えることから「貝割れ(かいわれ)」と名付けられました。

スプラウトとも呼ばれるけど・・・

かいわれ大根は、「スプライト」と呼ばれることもあります。
このスプラウトというのは、厳密には野菜の名前ではありません。

大根は、ニンジンやゴボウなど根菜類のひとつです。
対してかいわれ大根は、もやしやアルファルファなどの仲間で、発芽野菜もしくは新芽野菜とよばれる野菜の一種です。

スプラウトは、この発芽野菜や新芽野菜の総称のひとつです。

そのため、かいわれ大根をスプラウトと呼ぶのは決して間違いではありません。
しかし、スプラウトと呼ばれる野菜は豊富にあるので、スプラウトと表示されている野菜がかいわれ大根とは限りません。

スプラウトと表示されて市場に出回っている野菜としては、他にもブロッコリースプラウトやマスタードスプラウトなどが多いようです。

かいわれ大根を育てたら大根になる?

 

ここで「かいわれ大根が大根の種子からできているなら、かいわれ大根を育てたら大根になるのでは?」と考える人もいるかもしれません。
では、実際に育てたらどうなるのでしょうか?

かいわれ大根を育てると・・・

かいわれ大根は大根の新芽なので、土に植えて育てれば大根になる・・・かもしれません。
市販されているかいわれ大根の多くは、かいわれ大根用に品種改良されています。

そのため、育ったとしても小さいものにしかならないとされています。
かいわれ大根を育てても、かいわれ大根が増えるだけで、白い姿をしたいわゆる大根にはならないのだとか。
しかし中には、大根のように成長するかいわれ大根もあるようです。

市販の大根の種から、かいわれ大根はとれる?

では逆に、市販されている大根の種子からかいわれ大根は収穫できるのでしょうか?

これに関しても難しいと言えるでしょう。
そもそも通常の大根の新芽は、食用に適したものではありません。

確かに大根の種子を植えれば新芽は出てきます。
しかし、それらはあくまでも大根の新芽であってかいわれ大根とは別物です。

食用とされるかいわれ大根のように食用に適した品種改良がされていない新芽なので、かいわれ大根のような使い方は適していません。
大根が食べたいなら大根、かいわれ大根が食べたいならかいわれ大根を育てる必要がある、ということですね。

大根は長い歴史のある野菜

 

大根は、歴史が相当古い野菜とされています。
日本で、そして世界で大根がどれくらい歴史ある野菜なのかを見ていきましょう。

日本には弥生時代からあるとされる大根

日本での大根の歴史は、弥生時代にさかのぼるとされています。

奈良時代に編纂された歴史書「日本書紀」にも、大根に関しての記述があります。
仁徳天皇の歌のひとつとして、「於朋泥(おほね)」と呼ばれる大根の別名が登場しています。
これが最も古い大根の記録とされています。

なお、庶民に大根を食べられるようになったのは江戸時代からとされています。
江戸時代に、いくつかの品種の成立し、栽培が確立したことで、大根が広く庶民も食べる習慣が根付いたのだとか。

その原産地は・・・

実のところ、大根の野生種は見つかっていません。
推測にはなりますが、地中海や中東などが原産地ではないかと考えられています。

古くは、紀元前2200年の古代エジプト。
今のハツカダイコンに近いものがピラミッド建設労働者の食料として用いられていたとされます。
これが、現在のところ大根に関する最古の栽培記録となっています。
その後、時代を経てユーラシア大陸各地へと大根は伝わったのだとか。

ヨーロッパで普及したのは15世紀、イギリスで栽培されるようになってからとされます。
その後、16世紀ごろからフランスなどでも栽培が始められるようになりました。

まとめ

かいわれ大根は、大根の一種です。
しかし、通常の大根とは違い、発芽部分を食用に適したものに品種改良がおこなわれています。
また、大根が根菜類に数えられるのに対し、かいわれ大根はスプラウトとも呼ばれる発芽野菜の一種です。

このかいわれ大根を育てれば大根ができるかもしれませんが、それでも市販されているような大根を収穫することはできないとされています。
また、大根にも新芽が出るのですが、これをかいわれ大根のように食べるのもまた向いていません。

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