否めないとはどういう意味?その使い方には実に日本人らしい表現があった | FUNDO 否めないとはどういう意味?その使い方には実に日本人らしい表現があった – FUNDO

否めないとはどういう意味?その使い方には実に日本人らしい表現があった

2020.5.9


日本語は曖昧な表現が多いですよね。その中でも日常会話に出てくることが多いのが、「否めない」という言葉です。

ただ、この「否めない」という言葉は使いどころによって伝わるニュアンスも変わってきます。この言葉は何とも日本人らしい使い方ができる言葉なので、意味を知っておくと便利です。

そこで、ここでは「否めない」の成り立ちや意味、使い方や伝え方についてご紹介します。

「否めない」の成り立ち


「否めない」の原型は「否定する・断る」を意味する「否む」に、可能を表す「る・れる」が付いてできた可能動詞「否める」という言葉です。

「否めない」という言葉はその「否める」の未然形、いわゆる打ち消し表現の「ない」が付いた言葉となっています。



「否めない」の2つの意味


「否めない」という言葉には2つの意味があります。

1つが「否定することができない」で、もう1つが「断ることができない」という意味です。ここからはその意味についてご紹介します。

否定することができない


1つは否定に近い印象がありますが、完全に否定するわけではない表現で用いられます。

「この作品が自己満足であることは否めない」

この例文なら「否めない」を用いることによって「自己満足である」とストレートに伝えるるのではなく、「自己満足であるかのように見える」とやんわり伝える表現となります。

また、否めないには「かもしれない」というニュアンスもあります。これは否定しきれない状況でも使える言葉です。

「明日雨が降る可能性は否めない」という文のように、可能性が0%ではない曖昧な状況に対しても使える言葉となっています。

断ることができない


断ることのできないという状況を指す言葉としても「否めない」は使われます。

「長年の親友からの言葉だったので、その誘いは否めないものだった」という風に使えます。

また、半強制的な状況にある場合など、本当は断りたいのに断れないような状況でも使える言葉です。

便利に使える「否めない」


日本人は相手の状況を察して言葉を濁すことが多いですよね。

それを空気を読む場合もあれば、わざとどっちつかずの曖昧な表現にすぎない状況もあります。

そんな時に便利に使えるのが「否めない」です。言葉を濁す表現に適した言葉という一面もあるんです。

婉曲に否定する場合


「否めない」という言葉は遠回しに否定したい時、相手の感情を逆なですることなく自分の意見を伝えられる言葉です。

真っ向から否定すると言い争いになってしまうため、「○○も良いんだけど△△なのは否めないんじゃないかな。だから□□もいいと思うんだよね」というように使えます。

否定しきれない場合


「否めない」は可能性が残っている時、確定するには早い状況において使うことのできる言葉でもあります。

可能性が0%でないなら完全に否定することは難しいです。少しでも可能性があれば、「その可能性は否めないよね」と表現することができる言葉です。

逆に会議などで「●●の可能性があるんじゃないの?」と指摘された際も、「その可能性は否めませんが」と付けることで可能性は0ではないけれども、確率は非常に低いので気にする必要はないと思います、というニュアンスを伝えることもできます。

なおかつ指摘した側の意見も可能性はある、と暗に認めているので相手の顔をつぶすこともありません。

「否めない」の類義語


「否めない」という言葉自体が曖昧なものなのですが、日本語にはそれに似た類義語も多々あります。

ここからは様々な状況で使える便利な言葉をご紹介するので、事なかれ主義の人ほど知っておくと安心かもしれませんね。

ないとも言えない


これは婉曲に否定したい状況で使える類語です。

「勝てる可能性は高いけれど負ける可能性がないとも言えない」のように、結果が曖昧な状況で使える言葉となっています。

ただ、この言葉を多用しているとどっちつかずの印象となってしまうため、あまり良い印象はありません。そのため、自分の意見を求められた時には使わない方が良い言葉ですね。

あるかもしれない


否定しきれない状況を表す類語で、どちらの可能性も残っている場合に使えます。

「この小説なら佳作に選ばれることもあるかもしれない」のように、否定で言い切ることができない場合に便利な言葉です。

この言葉は微量な可能性にも目を向けているという点で、どちらの可能性もある均衡した状態で使うのに向いています。

「否めない」はどちらかというと否定のニュアンスが強いですが、それでも受け入れるというニュアンスがあります。

しかし、「あるかもしれない」はどちらに転ぶかわからない状況で使える言葉なので、シーンごとに違ってくるかもしれません。

肯定・認める


「否めない」は回りくどく肯定したり認めることを表す単語です。直接的か間接的かという違いはありますが肯定を意味する言葉には変わりありません。

例に出した「この作品が自己満足であることは否めない」という文を、「この作品が自己満足だ」と直接的な肯定している表現に変えると分かりやすいと思います。

まとめ


日本語は曖昧な表現が多いです。「否めない」という言葉はその一つで、物事を否定できないときや、断れない状況で用いるといった通常の使い方の他に、婉曲的な否定表現や可能性がわずかながらにもある際に否定しきれない状態をあらわすこともできます。

使い方さえ間違わなければ便利な言葉なので、ぜひとも上手に使ってみてくださいね。

特に社会人で取り繕わないといけない状況が多い場合は、この手の便利な言葉を知っておくだけで伝わり方も違ってくるかもしれません。
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