【赤味噌と白味噌】私たちの生活に欠かせない調味料の味噌の違いはどこにある?

海外旅行から帰国して味噌汁を飲むと、「あぁ日本に戻ってきたな〜」なんて思いますよね。
そんな味噌は、日本を代表する調味料のひとつです。

しかし、味噌と一口に言っても、様々な種類がありますよね。その中でも代表的なものが赤味噌と白味噌ではないでしょうか。
赤味噌と白味噌、見た目はかなり違いますが、実は原材料は一緒。では何が違うのか、詳しく見ていきましょう!

原材料は同じ

 

赤味噌と白味噌は、見た目でわかるほど色合いに大きな違いがありますよね。
しかし原材料は全く一緒で、大豆に麹、塩で作られています。

まずは大豆を煮たり蒸したりして下準備をします。
そこに麹や塩を混ぜて熟成させることで味噌が出来上がります。

では、多種多様な味噌ができるのは、なぜなのでしょうか?

それは作り方の違いです。
使っている麹の種類や量、塩加減、熟成期間などで違いが出てくるのです。

違いは作り方にあり!

 

赤味噌も白味噌も使っている原料は一緒。

ではなぜ違ってくるのか、それは作り方です。
この項目ではそんな赤味噌と白味噌の作り方の違いについてまとめました。

赤味噌の作り方

赤味噌の特徴は、大豆の浸水時間と蒸しの工程を長くしている点。
時間をかけることで、メイラード反応が起こります。

メイラード反応とは、大豆に含まれる糖分やタンパク質と麹の酵素やアミノ酸が反応する現象です。
その結果、変色し褐色に変わります。これが赤味噌の濃い色合いを作り出しているんです。

同じ赤味噌でも濃さに違いが見られますよね。
これはメイラード反応の起こり方の差で、時間をかけてメイラード反応を十分起こさせれば、それだけ濃い褐色になるわけです。

白味噌の作り方

白味噌はその名の通り、白っぽい味噌のことです。

これは赤味噌のようなメイラード反応を抑制して作られているようです。
例えば着色しにくい麹を使っている、大豆の皮を剥き煮る下準備をしているなど・・・。

ちなみに大豆を煮ると変色しにくいのは糖分やタンパク質が水に溶けるからだそうです。

メイラード反応を起こすには糖分とタンパク質が必須なのですが、それがなくなれば、メイラード反応も起こりにくくなります。

また熟成期間を短くするのも、褐色にならない理由のひとつ。
赤味噌は長いものだと1~2年かけて熟成させます。一方白味噌は1~2週間。かなり短いことがわかりますね。

メイラード反応が十分起こる前に熟成を止めれば、褐色になりにくいわけですね。

八丁味噌とのちがい

 

名古屋の人にとって味噌というと赤味噌を連想する人が多いでしょう。
名古屋というと赤味噌が一般的ですが、その中でも有名なのが八丁味噌ですね。そんな八丁味噌は、ほかの味噌と何が違うのでしょうか?

材料の違い

八丁味噌の特徴はまず麹にあります。
通常、味噌を作るにあたって米麹や麦麹を用います。一方、八丁味噌は米麹や麦麹を一切使いません。

八丁味噌で使用するのは、豆麹です。
豆麹とは、大豆を麹にしたものです。大豆を水に浸して、ミンチにしたものを丸め、4日間熟成させて作ります。

熟成時間の違い

八丁味噌は、味噌の中でも熟成期間を長時間設けているのが大きな特徴です。
「二夏二冬」とよく言いますが、大体1年半〜2年以上かけて天然醸造しています。

これだけの長い期間熟成させるため、腐敗対策も必要です。
八丁味噌では塩分濃度を高めることで対処しています。その結果、独特の渋みとうまみを引き出しています。

八丁味噌を名乗るには

作り方や材料が同じなら、八丁味噌と名乗れるかというとそうではないようです。

実はある特定の地域で作られたものだけが、「八丁味噌」と名乗れます。
その地域とは愛知県岡崎市八帖町。この地域は、かつて八丁村と呼ばれていました。

なぜ八丁村と呼ばれていたのか、その由来はシンプル。
岡崎城よりも八町(約800m)離れていたからです。

八丁村は東海道の水陸両方の交通の要衝でした。
矢作橋が近くにあり、舟運も盛んだったということもあって軍需物資の兵站基地が近くに形成されました。

そして早川久右衛門家と大田弥治右衛門家という2つの家が、「この環境の中で、味噌を製造すればいいのでは?」と考え、そこから兵食として重視されていた味噌が作られるようになったそうです。
これが八丁味噌の始まりです。

まとめ

 

赤味噌も白味噌も原材料は全く一緒で、大豆に麹、塩です。しかしメイラード反応によって、あれだけ色合いが変わってきます。

味噌は健康に良いと、今では世界中から注目を集めています。日本人にとっては普段から口にしている味噌ですが、種類による違いについて再認識してみるのもいいかもしれませんね。

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