
線を引いたり長さを測ったりする際に使う文房具といえば、「物差し」や「定規」ですよね。
そんな物差しと定規には、それぞれの使用目的があります。
そのため、目的別に物差しと定規は名前も物も変わってくるのです。
目次
物差しとは

物差しとは、そもそもどういうものなのか、その目的と種類、主に使われている素材について見ていきましょう。
物差しの目的
物差しは、物の長さを測定する道具です。
単位はmmやcmなど測定する対象によって違ってくるものの、必ず端から端まで目盛りが振り分けられています。
それによってより正確に長さを測ることができるわけです。
軽い材質で作られた竹製の物差しもあれば、温度変化に強く伸縮が少ないステンレス製の物差しもあります。
目的は長さを正確に測ることなので、形状が変化しにくいものを使って作られていることが多いですね。
そして、ほとんどの物差しは長さを測ることが目的となるため、まっすぐな板状のものが主流となっています。
定規のように様々な形状があるわけではなく、ほとんどが直線となっています。
物差しの種類
物差しの種類として代表的なものは下記の3つです。
・直尺
・巻尺
・折尺
一般的な直線の形状のものを「直尺」と言います。
「巻尺」はビニール加工した布製や鋼製のもので、主にメジャーと呼ばれるものですね。
長さを測るという意味では、このメジャーが日本でも広く知られています。
「折尺」は文字通り、折りたためるようにしてあるもののことで、工事現場などで利用されることが多いです。
それぞれ物差しの中でも種類が違ってくるため、利用されている現場も変わってきます。
定規とは

次は定規の目的と種類、よく使われている素材などについて見ていきましょう。
定規の目的
定規は、直線や曲線を引く際に用いる道具です。
線の長さがわかるように目盛りが振られているのが普通ですが、目盛りがないものも定規と呼びます。
そもそも線を引くことが目的となるため、目盛りがなくても線を引くためのガイドとなる道具なら定規と呼ばれます。
形状は直線のものが多いですが、三角定規などのように様々な形状があります。
そもそも定規は線を引く以外にコピーやカットをする道具という認識となるため、その定義は広くなっています。
物差しのように長さを測ることだけを目的としたものではなく、多種多様な場面で使える文房具と言えるでしょう。
定規の種類
定規には以下のようなものがあります。
・直線定規
・三角定規
・T定規
・円定規
・雲形定規
・平行定規
・ひらがな文字定規
・数字定規
定規は目的に合わせた形状のものがあります。
直線定規や三角定規の他にも、その形状に由来するT定規や円定規になどがあります。
雲形定規や平行定規は、作図や製図の際に非常に頼りになります。
また、文字や数字の形状にくり抜かれており、なぞるだけで文字数字が簡単に書ける定規もあります。
それらは子供たちの教材の一種として使われる他、表記の統一などでも活用されています。
使われている素材は木や竹や金属もあるのですが、現代ではプラスチックのものが主流となっています。
また、裂傷や凹凸があると正しく線が引けないため、定規はより丈夫な素材を用いることが多い傾向にあります。
英語の物差しと定規

英語でもまた「物差し」と「定規」で、別の呼び方をしています。
英語による表記についても見ていきましょう。
物差しの英語表現
物差しは英語で「scale」と表記します。
scaleには単純な大小を表す意味がある他、尺度や規模などをあらわすこともあります。
「スケールが違う」という規模感を指すスケールは、このscaleのことです。
全体的に長さを測定することだけではなく、そのものが持つサイズなども含めて表現できるのがscaleという単語です。
定規の英語表現
定規は、英語で「ruler」と表記します。
rulerは長さを測るだけではなく、道具として線を引いたりする際に使うもの全般を指す単語です。
ちなみに自転車競技で、平地を同じスピードで走り続けることを得意とする選手のことも、同じスペルでルーラーといいます。
まとめ
何かの長さを測るための「物差し」、線を引くために使われるのが「定規」、とそれぞれに目的や役割に違いがあります。
目的が違うというだけで、厳密に基準を設けて区別しているわけではありません。
そもそも目盛りがあるものが物差しで目盛りがないものが定規なのかといえば、必ずしもそうとは限りません。
定規にも目的の線の長さを引くために目盛りが入っているものが多いからです。
ただし、その目盛りはメインの役割では無いと認識しておくことで、両者の違いについて理解が深まるのではないでしょうか。