セミの成虫の寿命は1週間というのは間違い!実はもっと長かった!

夏の風物詩の1つが"セミの鳴き声"ですよね。

そんなセミは、成虫になると「1週間で死んでしまう」といわれており、命の短い生き物の代表ともされていますよね。

ところがこの1週間という寿命に関して、実は間違いなんだとか!

では、実際の寿命はどれくらいなのでしょうか?セミの最大の特徴である鳴き声が持つ秘密についてもご紹介します。

日本にいるセミの成虫の寿命はどのくらい?

日本にいるセミの寿命は1週間ほどだといわれることが多いと思います。しかしそれは間違いで、実際にはその数倍は生きると考えられています。

実は寿命は1ヶ月ほど

かつて、セミの成虫の寿命は1週間ほどというのが通説で、長くても2週間以上は生きられないと思われていました。

しかし、2000年代頃から研究が進められるようになり、実は1ヶ月ほどの寿命があるのでは?という報告もあります。

これは野生のセミを一度捕まえ、マークを付けて逃がし、後日再び捕獲できた期間などから割り出された結果だそうです。

1ヶ月生き延びるのは容易ではない

寿命は1ヶ月あるとされますが、実際その期間を厳しい自然界で1ヶ月生き延びるのは簡単ではありません。

セミは素早く飛び回ることができますが、多くの個体は寿命を迎える前に捕食されてしまいます。主にカラスなどの鳥類がセミの成虫を狙う天敵です。

そもそもあんな大きい鳴き声で叫んでいたら、他の動物に狙われてしまって当然ですよね!

なぜ1週間しかないと言われるようになったの?

なぜセミは1週間しか生きられないと考えられるようになったのでしょうか?

それは地上のセミを飼育しようと思っても、すぐに死んでしまうためだといわれています。

セミは飼育自体がとても難しく、子どもたちが掴まえてくるような成虫の育て方が分からずに死なせてしまうことが多いのです。

そのことから「セミは1週間くらいしか生きられない」という俗説が広まったとされています。

幼虫の期間は長い?

成虫になってからセミは1ヶ月くらいの命ですが、実は幼虫でいる期間がとても長いとされている昆虫です。

どのくらいの間、幼虫なのか実はわかっていない

幼虫は地中で生活しているため、幼虫で過ごす期間というのは実は厳密には分かっていません。

しかし近年の研究によると、幼虫の状態のまま3年~17年ほどは生きているのではないかと考えられているそうです。

そのため、幼虫からの期間を含めた寿命ならば、セミはかなり長寿な生き物だと言っても過言ではありませんね。

幼虫の住む地中も危険がいっぱい

長い期間を地中で過ごすセミの幼虫ですが、成虫になるために生き延びるのも実は大変なのです。

地上に出てくると鳥類に狙われるのですが、地中でも様々な動物や昆虫に狙われています。

土の中にはモグラなどの動物の他、昆虫のケラやゴミムシなどセミの幼虫には天敵が山ほどいます。時には菌類に冒されて死滅することもあるのだとか。

セミの幼虫は、地中で数年間生き残るだけでも大変なのです!

セミの生態

セミは身近な昆虫ですが、実は未だに解明されていないこともあります。なにせまだ寿命に関しても判明していないほどですから・・・。

地中にいる幼虫は調査がしにくいですし、地上にいるセミもすぐに捕食されてしまうために研究がなかなか進みません。それでも、近年になって分かってきたこともあります。

セミの食事

セミは食事は幼虫も成虫も、樹木に口を刺して樹液を吸うのが基本的なスタイルとなります。

ただ、幼虫の頃はアミノ酸などを摂取するだけで良いのですが、成虫になると子孫を残すためにたくさんの栄養が必要となります。

また、クモやカマキリやスズメバチなどに狙われることもあるため、普段は樹木の表面に紛れて樹液を吸って過ごすことが多いようです。

セミの鳴く仕組み

セミといえばあの大音量の鳴き声が一番印象的ですよね。

実はセミの中で鳴くのはオスだけで、メスに自分がいる場所を教える求愛行動のひとつとされています。

セミの小さな体からどのようにして、あれだけの大きな鳴き声を出しているのでしょうか?

その秘密は、オスの体の構造にあります。オスはより多くのメスに鳴き声を届けるため、体の構造が進化してきた生き物なのです。

セミのオスには腹の中に空洞があります。そして背中側に発音板、脇腹側には腹弁と呼ばれる器官がそれぞれあります。

この発音板を発音筋という筋肉が震えさせると音が出ます。

発音板から出た音は腹部の空洞内で反響し、腹弁の働きによって音色を調節することで鳴き声として出てくるのだとか。

ちなみにセミは、アブラゼミやミンミンゼミ、ヒグラシなど種類によって鳴き声が変わりますよね。

これは種類によって腹部の空洞の大きさや腹弁の振動が違うため、それぞれ違う鳴き声になるそうです。

まとめ

セミの寿命は1週間ではなく、実は1ヶ月という説が最近の研究で分かってきました。しかし全てが解明されたわけではなく、未だに分からないことが多くあります。

例えば、地中に生息する幼虫の期間。最低でも3年~5年は地中で生きているとされる他、中には10年以上地中にいる個体もいるといわれています。

しかし、実は目に見えない地中という事もあって厳密にはその期間は分かっていないのです。地中にもセミの幼虫を狙う天敵が多いのですが、直視できないので状況も分からないですしね。

数年過ごすことは確かなようなので、幼虫段階から考えると、セミはなかなか長寿な生き物なのかもしれませんね。

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