茶柱が立つとなぜ「縁起がいい」とされているの?そもそも茶柱とはなにか、その正体を追った!!

「茶柱が立つ」と縁起が良いとされています。
ツバメが家の軒先に巣をつくる、初夢の「一富士二鷹三茄子」同様、見るとその後吉事が起きるといわれています。

しかし、そもそもなぜ茶柱が立つと縁起が良いのでしょうか。
そしてそもそも、茶柱はどうなると立つものなのでしょうか。

今回はそれら茶柱に関する情報を解説します!

茶柱が立つお茶は決まっている

 

茶柱はどのようなお茶にでも立つわけではありません。
実は茶柱が立つお茶は限られています。

ここからは、どんなお茶だと茶柱が立つのかについてご紹介します。

茶柱が立つお茶は何茶?

お茶には一般的に緑茶といわれる煎茶、他にもほうじ茶に玉露になどがありますが、主に茶柱が立つお茶は「番茶」となっています。
代表的な番茶としては京都の京番茶や岡山の美作番茶、徳島の阿波晩茶などがあります。

もし茶柱を狙って立てたいということなら、番茶を選びましょう。

茶柱が立つ番茶とは

ひとくちに番茶といってもいくつかの種類があります。
煎茶となる一番茶と二番茶を採った後の遅れた時期に出てくる三番茶のことや、選別から外れた大柄の茶葉の事を指します。
地域によってはほうじ茶の事を番茶と呼ぶこともあります。

この番茶、そこまで質が高くないとされるお茶です。
煎茶よりも質が下がる代わりに安価になるため、日常用に愛飲する人も多くいます。

では、質が低いはずの番茶に、なぜ縁起物の茶柱が立つか。
それは一般的なお茶の煎茶よりも質の下がる番茶には、煎茶には入っていない茶の木の茎が紛れ込んでいることがあるからです。

この茶の茎部分が湯呑に紛れ込むと、茶柱となることがあります。

新芽を摘んで作られる質の高い煎茶では、茎が紛れていませんので茶柱が立つことはありません。
茎が混じっている番茶だからこそ茶柱は立つんですね。

茶柱が立つと縁起がいいといわれる理由

 

では、茶柱が立つとなぜ縁起が良いとされるのでしょうか。
ここからはそんな茶柱と縁起の関係について解説します。

茶柱の縁起がいい理由

茶柱の縁起が良いとされている理由としては、単純に茶柱が立つということ自体が珍しいからだと言われています。

茶柱は茶葉に茶の木の茎が含まれている必要があります。
それでいてその茎が茶こしを通り、さらにその茎の中には空気が残っている必要があります。

これらの条件が整った状態で、はじめて茶柱は立ちます。
その確率は低く、稀な現象だからこそ縁起が良いとされています。

その他、茶柱という言葉に含まれる「柱」には家を支える屋台骨や大黒柱を象徴とすることから、茶柱にもその力強さを見出して縁起が良いと言われるようになったともされます。

茶柱を見つけたらどうしたらいい?

縁起物の場合、見つけた場合は「○○した方がいい」「○○しない方がいい」なんて話も聞いたことがあると思います。
事実、茶柱を見つけた際にどうすれば良いのかは、様々な逸話があります。

まず、よく言われているのが「こっそり飲んだ方が良いという説」です。
これは人に聞かれると運気が逃げていくということを意味しているため、見つけた場合は黙って飲むのが良いとされている説です。

逆に、幸せのおすそ分けとして「周りに伝えた方が良いという説」もあります。
確かに幸せは独り占めするよりもみんなで共有した方が良いですよね。

このように茶柱には真逆の2つの説があるわけです。

他にも「立った茶柱は着物の左袖に入れるのが良いという説」もあります。

起源は宣伝から?

実は茶柱の縁起が良いとされたそのものの起源は、ある宣伝によるものだったという説があります。

ある時、駿河の茶商人が新芽で茎の混ざらない一番茶に比べ、茎が混じってしまうこともある質が劣っている番茶が売れ残るので、どうにかして売れないものかと考えていました。

そこで、この茶商人は逆転の発想を思いつきました。
茶茎が入ってしまうなら、この茶茎が入っているのがいいことだ!としてしまえばいい、と。
そして「茶柱が立つと縁起がいい」という話を広めたわけです。

茶柱を立てよう!

 

茶柱はある条件をクリアしない限りは、決して立たないものです。
そこで、ここでは茶柱を立てる方法について詳しくご紹介します。

茶柱を立てる方法

茶柱を立てるにはある条件がいくつかあります。

まず、茶葉の中に茶の木の茎が混ざっていないといけません。
茶柱を立てたいなら、まずは茶の木の茎が入っているものを選びましょう。

また、茶こしも荒い方が良いです。
急須の形状によっては茶の木の茎を通さないものもあるので、茶こしが茶の木の茎よりも太いものを選ぶことも必要となってきます。

そして、茶の木の茎には空気が残っていないといけません。
急須内で茶を抽出する間に茶柱の一部分にだけ湯が浸透し、そちらの側が重くなることで茶柱が立ちます。
ですから、茎の中に空気を含んでいることを願って番茶を淹れましょう。
この要素に関しては、運が必要となります。

これらの条件が成立すれば、茎の中に釣り具の浮きのように空気が残っている方が持ち上がり、茶柱が立つはずです。

いいお茶だと茶柱が立たない?

茶柱が立つのは、品質が煎茶やほうじ茶よりも劣る番茶のみだとされています。
高級なお茶だと良質な茶葉のみを使っていることが多く、茎が混じっていることがないので茶柱が立つこともありません。

逆に、あまり良質すぎない番茶の方が茶柱も立ちやすいということです。

もちろん、手軽なティーパックなどでも当然のように茶柱は立たないので注意してくださいね。

茶柱が必ず立つお茶もある

茶葉の中には立って浮くような加工を施されたものがあります。
例えば、茶柱を茶の粉末とともにカプセルに入れたものなどです。
それら茶柱が立つように加工された茶葉であれば、急須を通さずに入れられるので必ず茶柱を立てることができます。

誰かを招待した際や接待する際などには、そういう商品を使っても良いかもしれませんね。

まとめ

茶柱は、立つと縁起が良いものだと昔からされてきました。
その正体は、番茶などに含まれていることもある茶の茎です。

品質の低い番茶を売るための宣伝文句が始まりとされる縁起物です。

普通に番茶を入れるだけでも立つことがありますが、近年では必ず茶柱が立つ茶葉も売られているので、ぜひ活用してみてくださいね。

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