
貯金箱のデザインを思い浮かべる時、なぜかわからないけれどブタのものを想像してしまう人も多いのではないでしょうか?
昔から「貯金箱=ブタ」というイメージがあり、それが脳内に刷り込まれている人も多いはずです。
ではなぜブタが貯金箱の定番となっているのか、とても不思議ですよね。
ここからは、ブタが貯金箱のデザインとして定番となっているのか、その理由や歴史について解説するほか、貯金箱に関する豆知識もご紹介します。
目次
日本だけじゃない!世界中にあるブタの貯金箱
実はブタの貯金箱、日本が発祥のものではありません。
海外の様々な国で古くからブタの貯金箱はあるんですよ!
発祥は中世のイギリス
世界中にあるブタがデザインされた貯金箱。
登場したのは、14世紀のイギリスとされています。
ちなみにこの14世紀という時代は、15世紀まで続きジャンヌ・ダルクが活躍することになる100年戦争の始まった頃です。
日本では鎌倉時代末から南北朝の時代を経て室町幕府が確立したころになりますね。
イギリスでは古くから、余ったコインを台所などに置いた赤い粘土製のツボに入れるという文化があったそうです。
それが発達して貯金箱が、そして他の貯金箱が生まれたとされています。
イギリスで生まれたとされるブタの貯金箱がヨーロッパ中に広まったのは19世紀のこととされています。
この広まりを経て、ブタの貯金箱は日本にも入ってきたと考えられています。
デザインにブタが採用されたのはダジャレから?
イギリスにおいて、ブタの貯金箱ができる以前は、前述の通り「pygg」といわれる赤い粘土製の陶器にお金を貯めていたとされます。
この「pygg」が発音が似ている子豚を意味する「piggy」と連想させたことから、両方の言葉をかけてブタ型の貯金箱が作られるようになったと考えられています。
それ以来、ブタ型の貯金箱が流行ったことで定番になったそうです。
一種のダジャレ的な物から始まったという事ですね。
ただ、このブタの貯金箱の起源については諸説あるため、他にもブタが貯金箱の定番になったとされる理由は他にもあります。
他にもあるブタが貯金箱の定番になったとされる理由
貯金箱にブタのデザインが使われるようになったとされる理由は、上記のダジャレ由来説以外にもいくつかの説がありますのでご紹介します。
勘違いから生まれた?
ダジャレではなく「pygg」の貯金箱を作ってくれと依頼を受けた職人が、「piggy」と聞き間違ってしまい、赤い粘土製の貯金箱ではなくブタをかたどった貯金箱を作ってしまったという説があります。
この説ではもともと間違って作られた失敗作ではあるものの、逆にそのブタ型の貯金箱が大受けして広まったとされています。
豚は縁起物だから?
ブタは一度に10頭もの子供を産みます。
そんな子供をたくさん産むところから「子孫繁栄」、強いては「財が増える」という意味の縁起物とされたため、財が増えることを願ってブタのデザインにされたという説もあります。
ブタという存在自体が繁栄や幸福の象徴だったりすることから、貯金箱にすることで縁起が良いとされたわけですね。
豚が有用性のシンボルだから?
ブタは肉や皮だけでなく、血や骨まで余すことなく活用できる動物です。
そのため、無駄遣いとは対極にある存在と言えます。
そのことから、無駄遣いをなくしてお金を貯めることができるという意味で貯金箱に採用されるようになったという説もあります。
貯金箱に関する豆知識
貯金箱に関してはブタがデザインとして使われるようになった経緯以外にも豆知識がありますのでご紹介しますね。
最古の貯金箱は中国に
世界最古の貯金箱はどこで生まれたのでしょうか。これにも諸説あるのですが、中国が有力だとされています。
それは現在見つかっている最古の貯金箱が中国で見つかっていることに由来します。
2100~2200年前に栄えた前漢初期の時代、その遺跡とされる石寨山古墓から発掘された青銅製の「七牛貯貝器」が世界最古の貯金箱とされています。
出典:Wikipedia(©Bronze Cowrie Container)
これは当時、貨幣として流通していた子安貝を入れておくものだったとされていることもあり、現在は世界最古の貯金箱といわれています。。
ヨーロッパの貯金箱の起源
古代エジプトや古代ギリシャなどにある古い遺跡から、貴金属の欠片などを蓄える器が発掘されています。
これは宗教施設などにあることから、一種の献金箱だったともされています。
古代ローマの遺跡などからは洋梨型の貯金箱などが見つかっており、これらは女性の胸をかたどっているとも言われています。
ちょっと日本では考えられませんが、ヨーロッパではこのデザインの貯金箱も伝統的な形の1つとされているそうです。
確かに筆者も海外旅行の最中にそんな貯金箱を見かけたことがあります。
イタリアなどでは特に人気のようですよ!(笑)
日本の貯金箱のはじまり
日本の貯金箱のルーツは縄文時代の末頃から現れる「甕(かめ)」ではないかとされています。
これは当時、お金ではなく種子や穀物などを入れておくものだったそうで、そこから「貯える」「備える」という発想が生まれたとされています。
その役割から、甕が貯金箱の原型になったと考えられているのかもしれません。
まとめ
貯金箱といえば様々な形があり、現代ではATMで貯金するという人も多いでしょう。
しかし、現代でも「貯金箱といえば何型?」と聞かれれば「ブタ型」と答える人がたくさんいます。
このブタの貯金箱は日本ではなくヨーロッパ、特にイギリスで生まれたものとされています。
その理由はダジャレ説だったり誤認説だったり縁起物だったからという説だったり、様々なものがあるのが特徴です。
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出典:Wikipedia(©Bronze Cowrie Container)