ラクダは砂漠地帯に生息する動物の代表格ですよね。
キャラバンの荷物を背負い広大な砂漠を歩く姿は非常に絵になります。
このラクダのトレードマークと言えるのが、そのこぶ・・・否!まつ毛です!
あまりまじまじと見たことがある人は少ないかもしれませんが、実はラクダのまつ毛はマスカラでもしているのでは?とうくらいにとても長いのですが、その長いまつげも砂漠で生きていくため。
そこで、ここではラクダのまつ毛が持つ役割や能力についてご紹介します。
目次
ラクダのまつげや目に秘められた力
ラクダはまつ毛が万能なのはもちろん、その目には砂漠を生き抜くための高性能な機能が多く備わっています。
ここからはまず、そんなラクダのまつ毛や目が持つ特徴について見ていきましょう。
うらやましいほど長いまつげ
ラクダのまつ毛はとにかく長いです。
これは、砂漠で生きていくために必要になっています。
そのまつ毛によって砂漠の砂が目に入らないような構造となっているのです。
ラクダの常にうるんだ瞳
また、ラクダの瞳は常に潤っています。
まぶたから天然の目薬のようなものが分泌できるため、常に潤いのある瞳を保つことができます。
これは乾燥から目を保護するだけではなく、砂嵐などからも瞳を守るなど、非常に重要な役割を持っています。
ラクダは魅惑の三重まぶた
ラクダは二重まぶたならぬ三重まぶたです。
折り重なるまぶたにはそれぞれ分泌腺があり、脂肪を含んだ粘液を分泌することができます。
これらの粘液で眼球を極度の乾燥から守っている他、砂嵐などからも守れるのです。
また、まぶたとは別に瞬膜(しゅんまく)と呼ばれる膜があります。
普通のまぶたは上下の鉛直方向に閉じるのに対して瞬膜は左右の水平方向に動いて眼球を保護する役割があります。
瞬膜は半透明のものが多いのですが、ラクダのものは透明です。
そのため、砂嵐の時には瞬膜を閉じることでゴーグルのような役割を果たし、砂嵐の中でも目を開けることができるのです。
ラクダってこんな動物
ラクダはラクダ科ラクダ属に分類される哺乳類で、古くから砂漠地帯などに住む人々の生活を支えてきた動物です。
ここからは「ラクダってどんな動物なの?」かを見ていきましょう。
生息域
ラクダの生息域は砂漠地帯で、植物があまり育たないような荒野などに多く生息しています。
唯一の野生種であるフタコブラクダは中国やモンゴルに生息しており、それ以外の家畜種のラクダは中央アジアや西アジアなどに生息しています。
その他、人々の生活に役立てるべくして、中東やアフリカ、オーストラリアや南アメリカなど広い地域で飼育されています。
生態
ラクダは主に、砂漠や荒野で育つ植物を食べています。
草食性でとても大人しい動物ですが、怒ると人間でも手に負えないくらい荒ぶることもあります。
ラクダの足にはかつて五本の指があったとされています。
現在は進化の末、かつて中指と薬指だった2本が蹄となっています。
なぜ残りの指が退化したのか。
それは脚裏の皮膚組織が衝撃を吸収するためにクッション状に発達したためとされます。
砂漠の砂に足がめり込まないように、体重などによる体重をバラす役目があるとされています。
過酷な砂漠を生き残るための能力
ラクダは過酷な砂漠で生きていくための能力をたくさん備えています。
代名詞でもある「こぶ」に秘められた力
ラクダの特徴として多くの人がイメージするこぶには、水が入っていると勘違いしている人も多いかもしれません。
しかし、実際のこぶは水ではなく脂肪で構成されています。
その量は、なんと約40kg~50kgほどと言われています。
過酷な砂漠では食料が見つかることも少ないため、ラクダは食べられる時にたくさん食べて、コブに脂肪を溜めておくのです。
砂漠で生活する際には、その脂肪をエネルギーに変換して活動しています。
なお、栄養を使い切るとこぶはぺったんこになりますよ。
一度に摂取する水分はなんと!
ラクダは乾燥した環境に適応しており、水を飲まずに何日も耐えることができます。
ただ、水を飲まないと死んでしまうのは、他の動物と同じです。
そんなラクダは一度に約70L~80Lほどの水分を摂取することができるとされています。
限界まで飲めば約120L~130Lほど飲むこともできるのだとか!
ポリタンク6~7個分を一回で飲み干してしまうんですね!!
そんな大量の水をこぶではなく、主に血液の中に蓄えているそうです。
砂塵を避ける開閉可能な鼻
ラクダは砂塵を避けるために鼻の穴を閉じることができ、塩分濃度の非常に高い水も飲むことができます。
砂漠ではどのような生命の危機が訪れるかもわからないため、無暗に呼吸していると砂を吸い込んでしまって死んでしまいます。
そのため、鼻の穴も開閉可能なのです。
砂が入ってきやすい目にも様々な防御機能が付いていましたが、それは鼻にもいえることのようです。
サボテンも食べられる口
ラクダは草を主食としているのですが、砂漠には食べ物自体がほとんどありません。
そんな過酷な砂漠でも生きていけるように、棘のあるサボテンでも食べられる頑丈な口を持っています。
ラクダは、口腔内がゴムのように弾力性に富んでいます。
さらに、硬いものをすり潰すことができる丈夫な歯も備わっているので、サボテンの鋭い棘も関係なくまるごと食べることができるんですよね。
まとめ
ラクダの特徴といえばこぶですが、それ以外にもまつ毛など様々な機能を持ち合わせた動物です。
そんなラクダのまつ毛や目には非常に実用的な、砂漠を生きる上で欠かせない能力が備わっています。
乾燥や砂嵐から守ってくれるだけではなく、時にはゴーグルの役割や、目薬の役割まであります。