
トナカイといえば、クリスマスになるとサンタさんを乗せたソリをひく動物として知られていますよね。
このトナカイ、生き物としては鹿の仲間にあたりますが、最大の特徴ともいえる角に他の鹿にない点が見受けられます。
それが、メスのトナカイにも角が生えるという点です。
実は鹿の立派な角、生えるのはオスだけでメスへのアピールに使われるんだとか。
ではなぜ、トナカイの場合はメスにも生えているのか、それは非常に実用的な理由がありますので解説しますね。
また、他にもトナカイの特徴などもご紹介しますね。
目次
トナカイとは
トナカイとは哺乳綱鯨偶蹄目シカ科トナカイ属の動物で、鹿の仲間とされています。
トナカイ属は本種のみで形成してあり、亜種などは現在おりません。
まずはそんなトナカイがどのような動物なのかを見てみましょう!
トナカイの生息地
野生種のトナカイとして自然分布しているものは北極圏周辺に生息しており、アメリカのアラスカ州をはじめカナダやグリーンランド、ノルウェー、フィンランド、ロシアなどに生息しています。
以前はスウェーデンにも生息していたとされていますが、現在では地域個体群は絶滅してしまったそうです。
半家畜化されている動物ということもあり、人為的な分布によって世界各地で見られる動物でもあります。
特にアイスランドや北極圏周辺の島々などにいるトナカイは移入によるものなので、自然に生息しているものとは別物として考えることが必要です。
トナカイの鼻は本当に赤いの?
クリスマスソングの大定番「赤鼻のトナカイ」の冒頭では、「真っ赤なお鼻のトナカイさんは~~」となっていますよね。
では本当に、トナカイの鼻は赤いのでしょうか?
結論を先に言うとトナカイの鼻の色は黒や茶、もしくは白の毛が混じったものとなっています。
あの有名なクリスマスソングにあるような真っ赤な鼻ではないのです。
しかし鼻先の毛の色が白い場合に限り、鼻先の部分に毛細血管が集中しているため、赤く見える場合もあるそうです。
当然ですが発光生物のように鼻自体が光ることもありません。
トナカイの生態
トナカイは北極圏周辺などツンドラ地帯に生息していることから、体毛が濃く分厚いのが特徴となっています。
毛の中に空洞があって、耐寒性に優れているだけではなく保温性にも長けている動物です。
体長は約120cm~220cmほどで、体重約60kg~300kgほどあります。
意外と巨体ですが素早く動くこともでき、個体によっては時速80km前後で走ることができるトナカイもいるそうです。
通常のトナカイは主に群れを形成して生活しており、天敵などから逃げつつ暮らしています。
天敵はオオカミやヒグマなどの大型の肉食種であり、普段から見つからないように生活しているのが特徴です。
肝心のトナカイ自身は草食性が強い雑食性となっており、争いを好まない動物とされています。
トナカイは雌雄共に角の生える唯一の鹿
トナカイは鹿の仲間であり、本来鹿はオスしか角が生えません。
しかし、トナカイはメスも生えます。
そう、オスメス両方に角が生えるシカ科の動物はトナカイのみということです。
トナカイの角の役割
では、なぜトナカイはオスもメスも角が生えるのでしょうか。
それはトナカイの角というものが他の鹿とは異なる用い方もされるからです。
本来オスが持つ角というのは、縄張り争いや獲物の奪い合いで使われるものなのですが、トナカイは別の使い方もします。
その使い方とは餌を探すのに使うというものなのです。
トナカイは極寒の北極圏周辺で暮らしているため、餌もなかなか見つかりません。
そのため、雪や氷や土を掘って餌を探すこともあります。
その際、スコップやつるはしに代わり角を使うわけです。
冬に角が生えているのはメスだけ
トナカイは子育てを行うのはメスとなっています。
冬の間は、子供の餌を確保する必要がありますので、地面を掘ることもあるわけです。
そのために角が必要になったとされています。
実際、メスは冬に角が生えて春に抜け落ちます。
逆にオスは春に角が生えて秋に抜け落ちるのが特徴です。
サンタのソリをひくのはメス
クリスマスが行われるのは北半球世界において真冬ということになります。
一般的にサンタさんと共に描かれるトナカイには角が生えていますよね。
という事は、冬に角が生えているメスのトナカイが、サンタさんを乗せたソリをひいている、という事になりますね。
トナカイはアイヌ語
トナカイという名前はどこから来たのか知っているでしょうか。
英語とかから来た外来語じゃないの?と思われるかもしれませんが違います。
実はアイヌ語が語源だと言われています。
ここからはそんなトナカイの名前の由来についてご紹介します。
トナカイの名前の由来
トナカイという名前は実は和名であり、アイヌ語が語源となっています。
アイヌ語でトナカイを示す「トゥナカイ」や「トゥナッカイ」が由来とされており、そのままの発音が使われています。
ただ、アイヌ語の「トゥナカイ」「トゥナッカイ」自体も北方民族の言語から伝来したとされているため、厳密にはアイヌ民族よりもさらに別の民族から伝わった呼び名なのかもしれません。
トナカイを漢字で書くと?
トナカイを漢字で書くと馴鹿(じゅんろく)となります。
これにもしっかりと意味があり、主に中国や朝鮮半島やベトナムなどでは「人に馴れていて家畜化できる鹿」を意味するそうです。
まとめ
トナカイは日本でもクリスマスなどで馴染みのある動物です。
そんなトナカイはオスもメスも角が生える動物で、しかも冬の間に角が生えているのはメスだけだとわかっています。
つまり、クリスマスに活躍しているトナカイは、全部メスということです。
次のクリスマスを過ごす際には、そんな雑学を覚えておくとちょっと楽しみが増えるかもしれません。