ドングリは漢字表記だと「団栗」と書かれる他、単一漢字で「皁・皂・梍」というものもあります。
ドングリという名前自体の由来に関しては、いくつかの説があり、コマ遊びに使われたからとするものや、丸いことを意味する言葉から来たともいわれています。
そこでここでは、ドングリの名前の由来と漢字表記について見ていきましょう。
目次
ドングリの名前の由来
漢字表記の由来の前に、まずはドングリという名前はどこから来たのか、その由来について見ていきましょう。
コマ遊びに使われたからとする説
ドングリは古く、からその実をコマに見立てて遊ばれてきました。
そしてそのコマの古名である「ツムグリ」が名前の語源となったのではないかとされています。
ちなみにツムグリの「ツム」とは回転を、「クリ」とは石を意味しているとされます。
直訳すると、回転する石となりますね。
このツムグリが転訛したことで、ドングリという名前になったとされます。
丸いことを意味する言葉から生まれたとする説
また、ドングリは「丸い」という意味を持つ言葉から来たともされます。
モンゴル語「トグリク」や朝鮮語「トングルダ」が語源となったと言われています。
2つとも、丸いものを指す言葉です。
また、丸い輪を意味する日本語「トグロ」などが転じたとする説もあります。
「トチグリ」が転じたとする説
ドングリは「トチの栗」という意味の「橡栗(トチグリ)」が転じたものともされます。
トチの実は丸っこくて太っている印象の種子となっています。
この実もまた、ドングリ同様に厚い果皮に覆われているのが特徴となっています。
では、ドングリとトチの実は同種なのかというとまた話が変わります。
トチの実がムクロジ科の植物であるトチノキの種子なのに対して、ドングリはブナ科の植物の果実です。
似た姿をしていますが、植物的には別物となります。
ドングリの漢字表記
ここからが本題となるのですが、ドングリは漢字表記だとどのように書かれるのでしょうか?
代表的な「団栗」の他に、単漢字で「皁・皂・梍」そして「杼」という表記があります。
団栗
ドングリを表記する際、多く用いられるのが「団栗」です。
これは当て字となっており、栗の実に似ていたことからこのような漢字が使われるようになったとされています。
皁・皂・梍
ドングリは「皁・皂・梍」とも表記されます。
これらの漢字はどれも木の実、特にドングリを指す言葉です。
最初は「早」に草冠を付けた「草」という字だったと考えられています。
しかし「草」が、クサの意味で用いられるようになった際に使い分けとして、まず「皁」が誕生したとされます。
そしてそこから変形文字として「皂」が、更に木偏が加えられ「梍」という字が生まれたとされます。
杼
ドングリはその他にも「杼」と表記されることがあります。
この字はもともと、機織り機で使われる道具のシャトルを指していた字です。
このシャトル、形状はドングリを彷彿させるものとなっています。
そこで「杼」には機織りのシャトルという意味だけでなく、ドングリという意味も加えられたのです。
ドングリの木という植物は無い?!
ここまでドングリの木という表現を使ってきたのですが、実際にはドングリの木という樹木は分類学上存在していません。
では、ドングリの実は、何の木に実るものなのでしょうか。
ドングリが実る木
ドングリは、ブナ科の樹木にできる果実を指します。
ブナ科の多くの果実を指しますので、ドングリの木というものは存在しません。
ドングリとは呼ばれないブナの果実
ブナ科の樹木に実るものをドングリと呼ぶのですが、中には固有の名称で呼ばれる樹木もあります。
例えばクリの木になるものは「栗」と別の名前で呼ばれます。
また、ブナにできる実も「ブナの実」と呼ばれ、ドングリとは区別されています。
まとめ
ドングリは漢字で表記すると「団栗」と表記されるのが一般的です。
常用漢字ではないものの、「皁・皂・梍」と表記する単漢字や「杼」とされることもあります。
団栗という表記は当て字ですが、「皁」は草と使い分けするために生まれ、その派生として「皂・梍」は成立しました。
「杼」に関しては機織り機のシャトルの形状が由来となっています。
なお、ドングリという名前の由来に関しては諸説あるようです。