
アイアイは、日本の童謡でも馴染みがあるサルですよね。
そんなアイアイはマダガスカルに生息しており、現地でもマスコット的な存在・・・ではなく、むしろ悪魔の使いなんて言われています!(笑)
今回は、地元で嫌われ者ともされるアイアイについて解説します。
なぜ現地で忌み嫌われるようになったのか、その理由も併せてご紹介しますね!
目次
アイアイとは
アイアイはアイアイ科アイアイ属に分類される動物です。
生物学上はキツネザルなどの仲間とされていますが、その見た目は童謡のようなかわいらしさは皆無です。
まずはそんなアイアイがどういう動物なのかを見ていきましょう!
童謡とのギャップが激しいアイアイの姿
アイアイは子供の頃に習った童謡で知っている人も多いはずです。
しかし、童謡で歌われているようなかわいいアイアイと本物のアイアイでは印象もかなり違います。
そもそも見た目から大きく異なり、童謡ではかわいらしいサルの姿が思い浮かぶ一方、実物はサルというよりコウモリに近い見た目をしています。
その見た目は不気味で、発見当時はネズミのような齧歯類やカンガルーのような有袋類だと思われていたこともあるそうです。
アイアイの名前の由来
アイアイという名前もかわいい響きですが、そもそもなぜこのような名前が付けられたのでしょうか?
鳴き声や叫び声から来るとする説
アイアイの名前の由来として、鳴き声から来たとする説があります。
アイアイの鳴き声は、人によって「アーアー」や「ウーウー」のように聞こえます。
この鳴き声から、「アイアイ」というかわいらしい響きのある名前が付きました。
また、現地人がアイアイの不気味な姿を見て叫んだ、驚きの声が語源となっているという説もあります。
夜にアイアイを見た現地人がその不気味さに思わず叫んでしまい、それが名前となったのだとか。
現地の言葉を勘違いしたとする説
他にもアイアイは現地の言葉を勘違いしたとする説もあります。
名前の由来とされる「heh heh」はマダガスカルの現地語で本来は「知らない」という意味を持っています。
アイアイの名前を尋ねられた現地人が「知らない」という意味で「heh heh」と答えたものを、そういう名前なのかと勘違いしてしまったわけですね。
アイアイは嫌われ者?!
日本ではアイアイに対してかわいいイメージがありますが、実物の不気味さも相まって、現地では嫌われ者として扱われているようです。
ここからは悪魔の使いとされるアイアイについてまとめます。
悪魔の使いとされたアイアイ
アイアイは、生息地のマダガスカルで悪魔の使いとされてきました。
その理由は不気味な姿と生態から来ていると考えられています。
アイアイは、夜行性で雑食性の動物です。
黒い毛に覆われた体や折れ曲がった細長い指などを持っていますし、大きな目は暗闇の中で不気味に光ります。
この見た目から悪魔の使いとされるようになったようです。
そんな不気味な姿から、現地では悪魔の使いとして忌み嫌われるようになってしまったのだとか。
特に現地では「アイアイに指を指されると壮絶な死を遂げる宣告である」と言い伝えられており、それも忌避される要因となっています。
中にはアイアイを見つけた場合、駆除してしまうこともあるそうです。
アイアイは好奇心旺盛で人間にも不用意に近づいてしまうのですが、みんなから恐れられる風貌をしているので退治される・・・ちょっと可哀想な動物です。
絶滅危惧種に指定されている
近年では、悪魔というだけでなく、害獣として駆除されることも多くなっています。
この度重なるアイアイ退治によってその個体数は減少しています。
また、人間による森林破壊などによっても生息数が減少しており、徐々にアイアイが住む場所がなくなってきています。
そんな悲しい背景も相まって絶滅危惧種に指定されており、日本で耳にする陽気な童謡とは違う現実が迫ってきています。
雑食性のアイアイの食事を支える優れた体
アイアイはなんでも食べる雑食性なのですが、その生態を支えるために特異な体をしています。
ここからはそんなアイアイの体について解説します。
木の中の昆虫を掻き出す細く長い指をしている
アイアイは、昆虫などを掻き出して食べるために、異様なまでに発達した細く長い指を持っています。
食事の際は、このユニークともいえる細長い指を使い、歯で穴を開けた木などに指を入れて獲物をほじくり出して食べるのです。
クルミより厚い殻をした木の実も食べられる歯がある!
アイアイが食べる木の実に「ラミー」というものがあります。
この木の実は、クルミよりも厚い殻を持つのですが、その木の実の殻さえアイアイは穴を開けてしまいます。
ちなみに、頑強な前歯は一生伸び続けるとされ、常に強靭な前歯が育っているとも考えられています。
まとめ
アイアイは日本の童謡とは違い、現地のマダガスカルなどでは悪魔の使いとして嫌われています。
夜行動するために大きな目をしているのですが、光を反射してギラリと光るのは確かにビックリするかもしれません。
また、木の中にいる昆虫を掻き出すために発達した細く長い指も確かに奇怪な姿と感じるかもしれません。
このような姿から、何もしていないのに駆除されてしまうこともある他、害獣として退治されてしまうこともあるそうです。
近年では、このひどい扱いから数を減らし、絶滅危惧種に指定されています。