
ファットスプレッドは、食用油脂を使って作られる塗り物の一種です。
バターやマーガリンのように、パンなどに塗って食されます。
では、同じような使い方をするバターやマーガリンとはどのような違いがあるのでしょうか。
そこでここでは、「ファットスプレッド」とはどのような食品なのか、バターやマーガリンとの違いと合わせてご紹介します。
目次
「ファットスプレッド」とは

ファットスプレッドとはパンなどに塗るスプレッドの一種です。
スプレッドとは食用の塗り物のことで、いわゆるバターやマーガリンのこと全般を指す言葉となっています。
「ファットスプレッド」の材料
ファットスプレッドは、食用油脂が主成分です。
また、材料として果実や果実加工品、チョコレートなどの風味原料が加えられる事もあります。
「ファットスプレッド」の定義
日本におけるファットスプレッドは、日本農林規格(JAS)によって定義立てされています。
その定義によると、ファットスプレッドは「マーガリン類の中で食用油脂の割合が80%未満のもの」とされています。
ファットスプレッドは油脂が少ない分、水分が多く柔らかいのが特徴です。
そのため、パンなどにも塗りやすく食卓でも重宝されています。
しかし水分が多く油が多い分、火を使う調理には不向きとなっていまsう。
「バター」と「マーガリン」との違い

ファットスプレッドは、バターやマーガリンとどう違うのか。
ここからはそれぞれの違いについてまとめます。
「バター」とは原材料がそもそも違う
バターとは、原材料が全く異なります。
牛乳から分離した乳脂肪を練り固めたのがバターです。
そのため主成分は動物性脂肪となっています。
食用油脂でできているファットスプレッドとは、見た目こそ似ていますが、全くの別物という事です。
「マーガリン」の一種
マーガリンの主成分は、コーン油や菜種油、紅花油、バーム油、綿実油などを精製した植物性脂肪です。
植物性脂肪に、発酵乳や食塩やビタミン類などを加えて乳化し、バター状にすることでマーガリンとなります。
ファットスプレッドは、このマーガリンの一種となります。
マーガリンは、高価なバターの代用品として生まれました。
そこから派生したのが、ファットスプレッドです。
ファットスプレッドはマーガリンの一種ですが、含まれる食用油脂の量などが異なります。
「マーガリン」と違って「ファットスプレッド」はフレーバーが入れられる
マーガリンに比べて食性油脂の割合の低いファットスプレッドは、「風味ファットスプレッド」や「ファットスプレッド(加糖)」といった記載をしていればチョコレートフレーバーなどのフレーバーを加えることができます。
ただし、商品名自体はファットスプレッドより馴染みのあることからマーガリンと付けられていることが多いようです。
「マーガリン」や「ファットスプレッド」の規格は厳格!

マーガリンとファットスプレッド、両者には厳密な規格があります。
定義に関して、ファットスプレッドが油脂含有率80%未満と前述しましたが、日本農林規格(JAS)により他にも厳格な規格が設定されています。
マーガリンやとファットスプレッドを商品とするには、この厳密な規格を全てクリアする必要があります。
「マーガリン」の規格
マーガリンの規格は以下の通りです。
・油脂含有率80%以上
・乳脂肪含有率40%未満
・水分17%以下
・内容量が表示量に適合
・鮮明な色調
・香味及び乳化の状態が良好
・異味異臭がない
・異物が混入していない
ファットスプレッドの食用油脂の割合が80%未満なのに対して、マーガリンは80%以上となっています。
色や香りについても言及されています。
「ファットスプレッド」の規格
ファットスプレッドの規格は以下の通りです。
・油脂含有率80%未満
・乳脂肪含有率40%未満かつ油脂中50%未満
・油脂含有量及び水分の合計量85%以上
・内容量が表示量に適合
・鮮明な色調
・香味及び乳化の状態が良好
・異味異臭がない
・異物が混入していない
油脂含有量及び水分の合計量85%以上とありますが、「砂糖類、はちみつ又は風味原料を加えた場合は65%」と数値が変化します。
まとめ
ファットスプレッドは、バターとマーガリン同様パンなどに塗って食べることが多いですが、バターとは別物で、マーガリンの一種塗り物です。
バターとはそもそも原材料が違いますし、マーガリンとは油脂含有量が異なります。
また、マーガリンと異なり、フレーバーが加えられたりもします。