「チキンティッカ」ってどんな料理?タンドリーチキンとは別物なの?

インド料理店などで目にすることがある「チキンティッカ」。
これは、ヨーグルトと香辛料で漬け込んだ鶏肉料理のことです。

ここでは、このチキンティッカがどんな料理なのか、似た料理とされることもあるタンドリーチキンとの違いとあわせて見ていきましょう。

「チキンティッカ」とは

 

まずは、チキンティッカがどのような料理なのかを見ていきましょう。

「チキンティッカ」はこんな料理

チキンティッカは、インド北西部にあるパンジャーブ地方に伝わる料理のひとつです。
ヨーグルトと香辛料に漬け込んだ鶏肉を串に刺して、窯で焼き上げます。

鶏肉は、骨が付いてないものを小さめに切って調理します。
なお、現地ではタンドールと呼ばれる壷窯を使って焼きます。
それが名物となり、観光客などにも人気の料理となっています。

タンドリーチキンとの違い

タンドリーチキンもまた、パンジャーブ地方に伝わるインド料理のひとつです。
ヨーグルトやカシューナッツペースト、調味料や香辛料などに肉を漬け込んで焼いたものを指します。
この料理、チキンティッカととても似ています。

違いは、肉が骨付きかという点にあります。
前述の通り、チキンティッカは骨が付いていません。
それに対して、タンドリーチキンは骨付きのものが多いとされています。

チキンティッカやタンドリーチキン発祥の地とされる「パンジャーブ地方」ってどこ?

パンジャーブ地方というのは、インド北西部からパキスタン北東部にまたがる地域です。

この地の名前は、ペルシア語で「5つの水」を意味する「パンジュ・アーブ」という言葉から来ています。
この地に5つの河川が来ていることに由来しているとされています。

このパンジャーブ地方は、灌漑の影響で小麦・米の生産に適した農地とされています。
そのため、インド・パキスタン両国にとって重要な穀倉地帯となっているのです。

夏と冬の気温差が激しいものの大河に囲まれた豊かな土地、それがパンジャーブ地方なのです。

チキンティッカを使ったカレー「チキンティッカマサラ」

 

チキンティッカは、そのまま食べることも多いですがカレーの具材とされることもあります。
それが、チキンティッカマサラというカレーです。

「チキンティッカマサラ」はこんなカレー

チキンティッカマサラは、カレーの一種です。
トマトとクリームなどで作ったカレーソースでチキンティッカを煮込んだものとなります。

辛味は強くなく、まろやかな風味が特徴となっています。
しかし、実はこのカレー・・・インド生まれではないのです!

生まれはインドではなくイギリス!

チキンティッカマサラは、イギリス発祥。
1960年代、イギリスのインド料理店で生まれたとされています。

当時、インド料理店で出されたチキンティッカはパサついていたのだとか。
そこから生まれたのがソースとともに煮込むチキンティッカマサラだったのです。

パサついていたのでソースをかけて食べるものだと勘違いされて生まれたとも、料理を自分で味付けする文化があったため誕生したともされています。

イギリスには、ローストビーフの残り肉などをカレーソースで煮込むスタイルのカレーがありました。
チキンティッカマサラは、このカレーの流儀を取り入れていると考えられています。

インドとお肉にまつわる豆知識

 

ここからはインドとお肉にまつわる豆知識をいくつか見ていきましょう。

インドでは鶏肉料理が多い

インドは、ヒンドゥ教徒とイスラム教徒が多い国です。
そのため、食べられる肉も宗教によって違いがあります。

例えば、ヒンドゥ教の教徒の間では、信仰対象である牛を食べることはまずありません。
また、イスラム教のなかでは、ブタは不浄の存在とされることからイスラム教徒がブタを食すことはありません。

その結果、食肉となるのは鶏とヒツジ、ヤギがメインとなってきます。
そのため、インドには鶏肉料理が多いとされるそうです。

実際、チキンティッカもタンドリーチキンも鶏肉料理ですよね!

実はインド料理だった?!串料理の「シシカバブ」

串料理のシシカバブは、ケバブを連想させることから、トルコ発祥と思われるかもしれません。
しかし、現在日本で食されるシシカバブの原型は、インド料理のシークカバブにあるとされます。

日本には、串料理のシークカバブの方が先に伝わってきました。
そのシークカバブは、次第にトルコ風の名前である「シシカバブ」で広まっていきました。

あとになってトルコ料理のシシュケバブが入ってくるのですが、名前がそっくりという事で両者は混合されるようになりました。
現在は、インド料理でもトルコ料理でもシシケバブがメニューとしてそれぞれ名を連ねることがありますが、2つは違う料理という事になります。

まとめ

チキンティッカは、ヨーグルトと香辛料に漬け込んだ鶏肉を串に刺して窯で焼いたものです。
インドのパンジャーブ地方の料理となっています。

似たような料理に、同じ地方で生まれたタンドリーチキンもあります。
タンドリーチキンはヨーグルトやカシューナッツペースト、調味料や香辛料などを骨付きの鶏肉を漬け込んで焼いたものです。

骨の無い一口大にカットされた方をチキンティッカ、骨付きのものはタンドリーチキンという違いがあります。

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