「蛍雪の功」、それは貧しい二人の涙ぐましい努力から生まれた言葉

蛍雪の功は、逆境に挫けず、努力によって成功することを意味する言葉です。
特に勉学に励むことを意味する言葉として使用される頻度が高いです。
この言葉は、ある貧しい2人の努力にまつわる故事から生まれました。

そこでここでは、「蛍雪の功」という言葉について解説します。

「蛍雪の功」とは

まずは、「蛍雪の功」の意味と類義語について見ていきましょう。

「蛍雪の功」の意味

蛍雪の功とは、苦労して勉学に努めることを意味します。
また、苦学したことによって得た成果としても用いられます。

「蛍雪」は苦労して学問をする様子、「功」は労力を尽くして物事を成し遂げた結果のことです。
つまり、蛍雪の功は努力によって報われることをあらわす言葉なのです。
特に逆境にめげず、勉学に励むことで成功することをあらわします。

「蛍雪の功」の類義語

蛍雪の功の類義語は、「苦学力行」や「懸頭刺股」があげられます。

苦学力行

苦学力行は、働いて学費を稼ぎながら学校に通い学業に励むことを意味します。
「学費を稼ぎながら」という点で蛍雪の功との違いがあります。

「苦学」が働いて学費を稼ぎながら学校に通うこと、「力行」は努力して行うことをあらわしています。

懸頭刺股

懸頭刺股は、苦労して勉学に励むことの例えです。
また、眠気を堪えて勉強することの例えでもあります。
眠気を堪えながら、という点が蛍雪の功との違いとなります。

「懸頭」は頭を何かに引っ掛けたり吊り下げたりすること、「刺股」は股ももを何かで突き刺すことを指します。
どちらも眠気をこらえるための工夫となっています。
痛みを重ねて、睡眠時間を削り勉学に励むことをあらわしています。

「蛍雪の功」の由来は2人の人物から

蛍雪の功はある貧しい2人の人物から生まれた言葉とされています。
ここからは蛍雪の功にまつわる故事をご紹介します。

「蛍雪の功」にまつわる故事

蛍雪の功にはある2人の人物が関係しています。

まず1人目は「車胤(しゃ いん)」という人物にまつわる話です。
東晋の時代の末期に、車胤という貧しい人物がいました。
車胤は貧しさ故に明かりを灯す油が買えないため、夏は蛍を集め、その蛍の光で夜は勉強していたと伝わっています。

2人目は孫康という人物にまつわる話です。
同時期に官吏として活躍した孫康もまた若い時分は貧しい生活をしていました。
そのため、雪の明かりで書物を読んで勉強をしたとされています。

苦労を重ねて、自身の環境にもめげず学問を続けたこの2人は、ともに地位の高い役人になりました。
そこから現状に負けずに努力をして成功を掴むことを、「蛍雪の功」と表現するようになりました。

この故事から生まれた同様の意味の言葉は他にも

この車胤と孫康にまつわる故事は、同様の意味で他の言葉も生みました。
例えば「蛍の光」や「車胤聚蛍」は車胤が勉学に励む様子から、「窓の雪」は孫康の勉強する際の様子から来ています。

また、二人の学問への様子から「蛍窓雪案」や「車蛍孫雪」ともいわれることがあります。

あの卒業ソングは「蛍雪の功」から

卒業式などで歌われる定番ソングの中には、題や歌詞が「蛍雪の功」の由来となる故事から来ているものがあります。

定番の卒業ソング「蛍の光」と「蛍雪の功」の関係

「蛍の光」は日本で長らく愛されている卒業式の定番ソングです。
この歌の原曲はスコットランドの代表的な民謡「オールド・ラング・サイン」です。
祝い事や披露宴、年始などに歌われる一曲となっています。

日本の場合、1881年に尋常小学校の唱歌として編纂されました。
その際、稲垣千頴という人物が作成した歌詞が採用され、「蛍」という題が付けられました。

この曲の「蛍の光 窓の雪」からはじまる歌詞は、蛍雪の功にまつわる故事から来ているとされています。

「仰げば尊し」にも「蛍雪の功」にまつわる歌詞がある

「仰げば尊し」もまた、卒業式で歌われる定番の一曲です。
明治17(1884)年に発表され、現在も歌い継がれています。

この楽曲の歌詞にある「蛍の灯火 摘む白雪」もまた、車胤と孫康の勉強する姿、蛍雪の功になぞらえたものとされています。

まとめ

蛍雪の功は、中国で活躍した2人の人物の若かりし日に、貧しいながらも勉強に励んだ様子から来ている言葉です。
その意味は、どんな状況でも努力をすることを指しています。
特に勉学に励むことをあらわす際に用いられます。

また、勉強することだけではなく、逆境に打ち勝って成功するという意味でも使用されます。

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