「憲法」と「法律」の違いはなに?それぞれの特徴を解説

国や国民が守るべき憲法や法律。
どちらも国と国民にとって重要なものですが、両者は別物です。
憲法とは国の最高法規のことであり、その存在は絶対です。
一方で、法律とは国民が守るべきものであり、憲法には逆らう内容のものは成立させることができません。

ここでは、この憲法と法律の違いについてご紹介します。
概要はもちろん歴史や背景なども併せて解説します。

「憲法」とは

まずは憲法がどのようなものなのか見ていきましょう。

憲法は国の最高法規

憲法とは、国の最高法規です。
その存在は絶対であり、誰も犯すことができません。

憲法は国家に向けられた権利章典となります。
国民の権利と自由を守るため、国家が何をしていいか、逆に何をしてはいけないかが定められています。

憲法の概念はイギリスで生まれた

憲法の概念は13世紀のイギリスで生まれました。
当時のイングランド王は戦が下手なのにも関わらず幾度となく戦争を繰り返していました。
そのため「欠地王」や「失地王」といった不甲斐ない通称が付けられています。

このジョン王、戦争に負けて敗戦の混乱が収まっていないうちからまたも戦争をしようと度々画策し、その度に徴兵を命じていました。
この終わることのない軍役に、イングランド貴族はついに不満が爆発し、財政負担などの救済を求めるに至りました。

この時に貴族の要求が通ったことで、王の権限を抑制するに至りました。
これが憲法の源流とされる「マグナ・カルタ(大憲章)」です。

17世紀の「清教徒革命」や、18世紀の「アメリカ独立戦争」の根拠ともされています。
このマグナ・カルタ、成立から800年以上経っていますが現行法となっています。

「法律」とは

ここからは法律とはどのようなものなのかを見ていきましょう。

憲法には逆らえない「法律」

法律は、国民が守るべき規範ともいうべきものです。
社会生活の維持のためにも順守する必要があります。

この法律、憲法に逆らう内容のものは制定させることはできません。
もし制定したとしても、無効化されます。
これは、法律が憲法で定められた基本方針に基づいて制定されるからです。

法律は種類がたくさんある

法律には、基本六法と雑法などのよばれるその他の法律があります。
憲法は1つのみですが、法律は時代に合わせて無数に存在します。

ちなみに、基本六法とは「刑法・民法・刑事訴訟法・民事訴訟法・商法・憲法」の6つを意味します。
それ以外のものは雑法などの表現をされることが多いです。
もちろん、雑法とはいっても道路交通法や鉄道事業法など重要な法律も多く存在します。

二度作られている日本の憲法

日本の憲法は、実は二度作られています。
ここからは、日本で成立した2つの憲法についてご紹介します。

明治時代に生まれた「大日本帝国憲法」

大日本帝国憲法は、1889年2月11日に公布、1890年11月29日に施行された憲法です。

明治に発布されたことから、「明治憲法」という俗称で呼ばれることもあります。
また、現行の日本国憲法との対比で「旧憲法」とも呼ばれます。

明治政府による憲法草案は、施行の20年ほど前の1876(明治9)年に、明治天皇の勅語により始まりました。
この時、伊藤博文を中心に動き、ドイツ人顧問のロエスレルなども助言として参加しています。。

なお、大日本帝国憲法の主権は天皇にあります。
これは現行の日本国憲法との大きな違いですね。
当時の憲法では、天皇は国を治める権限や陸海軍の統率する権限などを持っていたわけです。
また、他にも多くの絶対的な権限を持つ存在として君臨していました。

戦後に作られた現憲法「日本国憲法」

日本国憲法は1946年11月3日に公布、1947年5月3日に施行された憲法です。

これは第二次世界大戦で無条件降伏したことが影響しています。
当時、日本は連合国軍に負けて無条件降伏を宣言しました。
その際、連合国軍総司令部の監視下に置かれることになったのです。
その総司令部の強力な指示・示唆のもとに作成されたのが日本国憲法となります。

それにより天皇主権が国民主権へと変更されることになりました。
また、それに準じて以下の3つが取り決められました。

・国民主権
・基本的人権の尊重
・平和主義

それに加えて象徴天皇制の維持と戦争の放棄が掲げられました。
また、三権分立や国権の最高機関としての国会、地方自治の保障なども規定されることになりました。

まとめ

憲法と法律は、性質が似たものにも見えますが、両者はまったく異なるものです。
憲法は、国が定めている最高法規です。
法律は、社会膣尾を守るために存在し、憲法の趣旨に反するものは制定することができません。

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