「折衷」とはどんな意味?「折衷案」と妥協案、次善策、落としどころの違いも解説

「折衷」とはは、2つの事柄の良い部分をひとつにまとめることを意味します。
「折衷案」というと、良い部分をまとめて1つにした案という意味の他に、互いに妥協できる部分を探り合ってまとめた案という意味もあります。

今回は、この「折衷」という言葉の意味について解説します。
また、落としどころなどの似たような意味がある言葉との違いについても見ていきましょう。

「折衷」とは

 

まずは、「折衷」の意味や成り立ちについて見ていきましょう。

「折衷」の意味

折衷は、いくつかの異なる考え方の良いところを合わせて1つにまとめることを意味します。
2つ以上の事柄の、良いところを取り出すことで、うまくまとめることを指します。

「衷」という字は、真ん中や偏らないことを意味します。
どちらにも偏らないようにバランスよく折るということを表記していることになりますね。

「折中」と表記してもOK!

折衷に関しては、「折中」と漢字表記がされることがあります。
どちらも中間で折るという意味なので、折衷も折中も同じものをあらわします。

「妥協案」「次善策」「落としどころ」の違い

 

「折衷案」と「妥協案」「次善案」「落としどころ」はどういった違いがあるのでしょうか。

「折衷案」とは

折衷案とは、2つ以上ある案の良いところをまとめた案のことです。
また、お互いの意見が相反するとき、真ん中を取って納得できるようにする案も指します。

対立を避けるために出す解決策のことを意味します。

「妥協案」とは

妥協案とは、双方がお互いの意見や尊重を一部容認して歩み寄った末に出す案のことです。
特に意見が分かれる場合や進展が望めない場合に出す案を指します。

折衷案が複数の案のいいとこ取りをあらわすこともあるのに対して、妥協案は歩み寄りのみをあらわす言葉となります。

「次善策」とは

次善策とは、次点で良い策をあらわす言葉です。
最も良いというわけではないものの、次点で良い案を指します。
ベストではないものの、ベストにより近い考えという意味で用います。

状況次第では、最善策が頓挫した場合に利用する二番目の策も指します。
「もしもの時」や「いざという時」のための第二候補として用意される案を指します。

「落としどころ」とは

落としどころとは、双方が要望を譲歩しつつ妥協して決めた納得の条件のことです。
揉め事や話し合い、会議などの妥協点や決着点を表します。

双方が納得していることが前提となります。
特に両者が折り合いをつけることをあらわします。

「折衷」を含む熟語

 

「折衷」を含む熟語はいくつか存在します。
ここからは、折衷を含む熟語として「斟酌折衷」「和洋折衷」「雅俗折衷」について解説します。

斟酌折衷

斟酌折衷とは、事情や心情を汲み取りその中間を取ることです。

「斟酌」は、事情や心情を汲み取ることを、「折衷」が、複数の中間を選び取ることを意味します。
それぞれの状況に配慮することを前提とした言葉です。

和洋折衷

和洋折衷とは、日本ならではのものとと西洋の風習や様式を取り混ぜることです。
「和」が日本のことを、「洋」は西洋、特に欧米社会のことを指しています。

特に和と洋の良い部分を混ぜたものに対して用います。

雅俗折衷

雅俗折衷とは、上品で趣があることと下品で低俗なことを取捨して使うことを意味します。
「雅」が風雅なこと、「俗」はいやしいことを意味します。

また、小説などの文体の1つでもあります。
地の文での説明などは文語調で、「」内での人の発言やセリフ、会話は口語調で書かれた文章を「雅俗折衷文」と言います。

まとめ

折衷は、2つの間を取って1つにまとめることを意味する言葉です。
両者の良いところを取り混ぜることを指しあらわすこともあります。

妥協案は歩み寄りという意味なので、良いところを吸い上げるという意味合いで使う際には適切ではないので、折衷案の代わりになる言葉とは言い切れません。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事