【いたむ】「痛む」と「傷む」、その違いは・・・対象にあった!

「いたむ」には「痛む」と「傷む」という表記があります。
この2つの表記は、人かものかという対象で使い分けることができます。
そこでここでは、「いたむ」の意味と漢字表記の使い分けについて見ていきましょう。
また、それぞれの漢字の成り立ちについても解説します。

「痛む」とは

 

まずは「痛む」という漢字表記について見ていきましょう。

「痛む」の意味

「痛む」とは、体や肉体的な苦しみを覚えることを指します。
また、精神的な苦しみ切なく悩むこともあらわします。

ちなみに「痛」という漢字は、「病気で横たわる人」に「ものを突き抜ける様子」組み合わせることで、「体を貫く痛み」を表現する文字となっています。。

「痛む」の対象と用い方

「痛む」の対象は、主に人となります。
人が肉体的・精神的に苦痛や打撃を受けたときに使う漢字表記という事になります。

「体が痛む」「心が痛む」といったように用いられますが、どちらも人の状態をあらわす表現となります。

「懐」は痛むもの・・・

お金がなく金欠な状態を「懐がいた」と表現しますよね。
このように、金銭的に余裕がなくなって苦しい場合も「痛む」と表現します。

これは、精神的にも困った状況をあらわしているからです。
たしかに、懐部分や財布に傷が入っているのではありません。
懐部分に納められる事もある、お財布の中身が無いので困っていることを例えた表現となっていますよね。

「傷む」とは

 

次に「傷む」という漢字表記について見ていきましょう。

「傷む」の意味

「傷む」とは、物などが傷ついたり損なわれることを指します。

この「傷」という漢字は、「人」「矢」の象形に「易」を組み合わせたものです。
ここでの「易」は太陽の象形でも、占いでもなく「物が上がって来る」ことを指します。

つまり、矢が人に突き刺さる様子をあらわしているという事になります。

「傷む」の対象と用い方

「傷む」の対象は主に物となります。

特に形のある物などに「傷む」を使われます。
審美的・機能的に故障や裂傷を受けたときに用いる表現となるのです。

ものがダメになるという意味合いで使われる事もあります。
そのため、食品などが腐ったりすることで食べられなくなることも、「傷む」と表現します。

「髪」は傷むなのでご注意を!

髪の艶が失われたりする場合は「傷む」と表現します。
髪は確かに人体の一部ではありますが「痛む」ではなく「傷む」となります。

これは、髪を切っても自分自身が痛いと思わないから、とされています。
なので、もし爪の表面に傷ができたことを「いたむ」で表現することがあるなら、その場合も「爪が傷んだ」となるという事になります。
なぜなら爪もまた神経が通っていないので傷ついても人体は痛みを感じないからです。

しかし、深爪をしてしまった場合は、皮膚などに痛みを感じますので「深爪をして痛む」になります。

動物に対しては「痛む」と「傷む」どちらを使う?

 

では、動物に対してはどちらを使うべきなのでしょうか?
これは状況によって異なります。

動物のケガなどは「痛む」

動物などが怪我をした場合は基本的に「痛む」を使います。
これは、動物が傷を負ったことで「痛いんだろうな~」と共感してしまう、もしくは対象の動物を擬人化して考えるからです。
そのため、人と同様の扱いで「痛む」と表現します。

まとめ

いたむの漢字表記に、「痛む」や「傷む」があります。
これは、「痛む」は基本的に人もしくは動物に。
逆に物に対しては「傷む」を使うのが一般的です。

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