
「なしのつぶて」とは、音信不通の状態をあらわす言葉です。
これらの漢字表記は「梨の礫」と書かれるのが一般的です。
しかし、「無しの礫」だと思われている事もあります。
ところが、これはあながち間違いとは言えません。
そこでここでは、「なしのつぶて」についてご紹介します。
また、この言葉がどのような経緯で生まれたのかも解説します。
目次
「なしのつぶて」とは
まずは「なしのつぶて」という言葉について見ていきましょう。
「なしのつぶて」の意味
「なしのつぶて」は音信不通になっていることをあらわします。
投げられた小石のように、便りをやったきり返事のないことの例えです。
現代ではメールやLINEの返信がないこともあらわしたりします。
単に返信がないだけではなく、無視された状況なども指します。
他にも見て見ぬふりをすることなども「なしのつぶて」と表現することがあるようです。
「なしのつぶて」の由来
では「なしのつぶて」はどこから生まれた言葉なのでしょうか?
ここからは「なしのつぶて」の成り立ちを見ていきましょう。
なしは「無し」から来た
「なしのつぶて」は、投げた小石(礫)は返ってこないという様子から来ています。
投げられた小石がラジコンのように手元に勝手に戻って来ることはありません。
これを手紙などを出したのに連絡がないことや返信が無いことを例えて「なしのつぶて」という表現が生まれました。
「梨」は語呂合わせ
「なしのつぶて」の「なし」はもともと「無し」だったようです。
しかし、基本的に「ない」ものを投げることはできません。
そこで「梨」と掛けて「梨の礫」と言うようになったとされます。
つまり、漢字表記の「梨の礫」は語呂合わせによって生まれたのです。
「なしのつぶて」の類義語
併せて「なしのつぶて」の類義語も見ておきましょう。
音沙汰なし
「音沙汰なし」とは、返事がまったくないことを指す言葉です。
「音沙汰」だけで手紙や電話などの連絡のことを意味します。
鉄砲玉
「鉄砲玉」は、反応がないことを意味する言葉となります。
鉄砲の玉は、投げられた小石同様、撃たれたら戻って来ることはありません。
そこから、行ったっきりで戻ってこないことや反応がないという意味で用いられます。
これらの意味合いが転じて、ヒットマンの比喩表現とされます。
組織のトップの人物を狙うとなると、ヒットマンとなった人物が無事に戻ってこれるかが分かりません。
そのため行ったっきりの存在という意味も込めて「鉄砲玉」と表現されることがあるのです。
既読スルーされた
今風に言えば、「既読スルー」も同じような表現と言えます。
現在のメッセージツールには既読状況が表示されるものもあります。
しかし、既読になっているのにも関わらず返信が来ないという事は、一種の音信不通状態になります。
そのため、「既読スルー」されている状態も「なしのつぶて」と同じ状況という事になります。
「まとめ」
「なしのつぶて」は、音信不通になっている状態を指す言葉です。
小石(礫)が投げったっきり戻ってこない様子から生まれた言葉となっています。
こちらから連絡しているのに、返事がないことをあらわして使用されます。
電話はもちろん、手紙やメール、LINEなどの返信がない場合も「なしのつぶて」と表現できます。
そのため、「既読スルー」もまた「なしのつぶて」の類義語と言えますね。
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