「けんちん汁」と「豚汁」は別物?けんちん汁はルーツ的に入れてはいけない食材があった?

「けんちん汁」と「豚汁」、どちらも具材がたっぷり入った汁ものなので、おかず代わりにもなる便利な一品です。
しかし、この2つの汁物、一体何が違うというのでしょうか?
そこでここでは、「けんちん汁」と「豚汁」の違いについてご紹介します。
その由来的に「けんちん汁」にはかつては決して入れてはいけない食材があったようですよ!

けんちん汁はお寺生まれ?

まずは、けんちん汁の由来について見ていきましょう。
実は「けんちん汁」、お寺に由来する料理なのだとされています。

建長寺発祥とされる「けんちん汁」

神奈川県鎌倉市には「建長寺」という寺院があります。
このお寺こそ、けんちん汁の発祥の地ともいわれています。

その昔、修行僧が作っていた精進料理としての汁物料理が「建長汁」と呼ばれていました。
この建長汁が訛ったことで「けんちん汁」となったとされています。

「巻繊」から来たとも

けんちん汁は、漢字表記は「巻繊汁」になるともされています。
この「巻繊」は、精進料理の一種で豆腐や大根、ごぼうといった食材を油で炒めた料理です。
この食材、けんちん汁と共通していますよね。

そのため、この「巻繊」が由来ともされているのです。

料理としての「けんちん汁」と「豚汁」の違い

では、けんちん汁と豚汁は汁物料理として何が違うのでしょうか?
ここからはけんちん汁と豚汁の違いについて見ていきましょう。

具材の違い

けんちん汁と豚汁は具材が違います。

けんちん汁は、大根や人参、ゴボウ、里芋、蒟蒻、豆腐といった具材を用います。
もともと精進料理とされることから、肉や魚は加えない料理となります。
しかし、現在では家庭料理ともされることから、肉や魚が使用されるようにもなりました。

一方で、豚汁は豚バラ肉がメインの具材となります。
そこにゴボウなどアクの強い根菜を入れるのが特徴です。
その他、好みで大根や人参、ネギなどを入れることがあります。

調理工程の違い

けんちん汁と豚汁は調理方法も違ってきます。

けんちん汁は、具材をまずは油で炒める工程が挟まります。
たいして豚汁は、食材を鍋に入れて煮込むだけです。

この工程の違いも両者を分かつ要素と言えるでしょう。

味付けの違い

けんちん汁と豚汁は味付けも違います。
けんちん汁は醤油、豚汁は味噌が基本となります。

豚汁の読みは「とんじる」?「ぶたじる」?

ここで1つ疑問となるのが豚汁の読み方ではないでしょうか?
「とんじる」と読むべきなのか、それとも「ぶたじる」と読むべきなのでしょうか?

地域によって異なる読み方

豚汁は地域によって「とんじる」とも「ぶたじる」とも呼ばれます。
全国的には、重箱読みの「とんじる」とをする地域が多いです。
しかし、北海道や東北、中国近畿などの一部では「ぶたじる」と呼びます。

地域によって具材が異なることも

「豚汁」は地域によっては具材が異なり、それにより名前が変わることもあります。
例えば、薩摩芋を使用するものとして、金沢周辺の郷土料理「めった汁」や上越地方の「スキー汁」があります。

まとめ

けんちん汁は、お寺の精進料理から生まれた料理とされます。
建長寺で生まれた建長汁が訛ったとも、巻繊という精進料理そのものを指すともされています。

このけんちん汁は、精進料理を発祥とすることから肉や魚は基本入りませんが、現在では家庭料理となったことから肉や魚が入っている事もあります。
一方で豚汁などは豚バラ肉などがメインの汁物となります

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