祝いの席で出される「赤飯」。なぜお祝いの料理なの?小豆ではなく甘納豆を使う地域もあるって本当?

赤飯は祝いの席などで出される日本に古くからある食べ物です。
これら赤飯は昔から縁起の良い食べ物とされてきました。
しかし、なぜ赤飯が何かを祝う料理とされるのでしょうか?

今回はそれら知っているようで知らない赤飯について紹介します。
特にここでは赤飯の雑学を解説しようと思います。

古くからのお祝いの食事「赤飯」

まずは赤飯がどのような食べ物なのかを見ていきましょう。

一般的な「赤飯」のスタイル

赤飯はもち米に小豆やささげ豆を混ぜて蒸したご飯のことです。
おこわの一種であり炊き込みご飯として古くから食されています。

赤飯は小豆やささげ豆の色が染み出し、それによってもち米が赤くなるのが特徴です。
その色合いが赤飯と呼ばれる理由でもありますね。

祝いの席で「赤飯」が出される理由

赤飯を祝いの席で食べるようになったのは室町時代とされます。
しかし、広く一般に祝いの席で食べられるようになったのは江戸時代になってからなのだとか。

当時、江戸病とも呼ばれた脚気を解消するため、人々の間で赤飯を食べるようになったのが始まりとされています。
そこから健康に良いということで祝いの席でも出されることが多くなったようです。

また、日本では「赤=邪気を祓う力」と考えられています。
古くから赤は邪気を追い払ってくれる力と信じられてきたのです。
それに加えて、神様に高級な米を赤く炊いて供える風習も古くからあったとされています。

そこから災いを避ける魔除けの意味で、赤飯を祝いの席でも振る舞うようになっていったのだとか。
転じて、縁起直しとしても食べられるようになったそうです。

小豆ではなく甘納豆が使われる地域も!

赤飯と言えば小豆やささげ豆を使用するのが一般的です。
しかし、地域によっては甘納豆を入れるところもあるのだとか。

北海道の赤飯

北海道の赤飯は小豆ではなく甘納豆が使われることが多いです。
甘く調理された豆は赤飯と相性が良く、特に北海道では古くから赤飯に甘納豆を入れる食文化が根付いているようです。
ただ、甘納豆なので色は赤くなりません。

山梨県の赤飯

山梨県の赤飯も小豆ではなく甘納豆が用いられたりします。
現地には郷土料理としての「甘納豆の赤飯」があり、甘い味付けにごま塩をかけて食べるのが主流となっています。
甘納豆ということで赤くならないため、食紅で色付けするところも多いようです。

千葉県では落花生が使われることも

千葉県では小豆でも甘納豆でもなく落花生を入れるそうです。
ピーナッツが入っている赤飯というのも珍しいですよね。
ただ、千葉県の一部の地域ではこれが主流なのだとか。

その一方、関東地方の多くはささげ豆を使用するようです。
小豆は皮が薄く、調理の段階で豆が真っ二つに割れてしまいます。
それが切腹を連想させるため、当時武士の多かった関東地方では縁起が悪いとされたのだとか。

そこから関東地方では皮の厚いささげ豆が好まれるようになったとされています。
この風習が現在でも残り、関東地方ではささげ豆を使うところが多いとされているそうです。

これら赤飯に使用される豆は地域によって違うので注意しましょう。

「お赤飯の日」が制定されている

日本にはたくさんの国民の祝日があります。
実はその中に「お赤飯の日」というものもあるそうです。

11月23日は「お赤飯の日」

赤飯文化啓発協会によると11月23日が「お赤飯の日」だそうです。
この日は古くから五穀の収穫に感謝する宮中行事、新嘗祭が行われていた日でもあります。

それら五穀に赤飯のルーツである「赤米」が含まれることもあり、毎年11月23日を「お赤飯の日」とすることとなったのだとか。

お赤飯の日は「新嘗祭」も執り行われている

「お赤飯の日」には新嘗祭も執り行われることが多いです。
新嘗祭とは11月23日に行う宮中行事のことを言います。
これは天皇が新穀を天地の神に供え、自らもこれを食する祭事です。

まとめ

赤飯は小豆やささげ豆を使った炊き込みご飯の一種です。
これらは縁起物の食事として祝いの席などで出されます。

この食文化は江戸時代に広まったとされ、当時は脚気を解消させるための食べ物だったとされています。
また、日本では古くから赤が邪気を祓ってくれると信じられていたそうです。

それらが組み合わさって生まれたのが赤飯ということです。

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