慎ましい生活を送っていることを「爪に火を灯す」と表現することがあります。
また、この言葉はケチであることも「爪に火を灯す」とあらわす際に用いられることもあります。
しかし、それがなぜ「爪に火を灯す」なのでしょうか?
そこでここでは、「爪に火を灯す」という言葉について、その意味や類義語について見ていきましょう。
目次
「爪に火を灯す」の2つの意味
「爪に火を灯す」には2つの意味があります。
まずはそれぞれの意味について見ていきましょう。
意味①:慎ましい生活をしていること
「爪に火を灯す」は、慎ましい暮らしのことをあらわしています。
非常に倹約を重ねた生活や貧しく苦しい暮らしを例える際に用いられます。
意味②:慎ましいのではなくケチ
「爪に火を灯す」には、酷くケチであるという意味も含まれています。
こちらは、倹約は倹約でも限度を超えた節約するような生き方ということになります。
「爪に火を灯す」の由来
では「爪に火を灯す」はどのようにして生まれた言葉なのでしょうか?
その成り立ちについて見ていきましょう。
爪を灯りにしようとする様子から
「爪に火を灯す」は、ろうそくや油の代わりに切った爪に火を灯す様子から来ています。
この言葉が生まれた時代は、ろうそくや油も非常に高価なものでした。
しかし、爪なら自然と伸びてくるので勝手に手に入ります。
その爪で火を灯そうとする人の様子から来た言葉ということです。
そこまでしないといけない人というのは、困窮しているか慎ましく暮らしている人なので、もともとはそれらの意味で用いられていました。
しかし、その意味が転じて極度の守銭奴を指す言葉にもなったとされています。
「爪に火を灯す」の類義語
最後に「爪に火を灯す」の類義語を見ていきましょう。
「爪に火を灯す」の類義語には「食うや食わず」や「袖から手を出すも嫌い」などがあげられます。
意味①の類義語は「食うや食わずや」
「食うや食わずや」とは、非常に貧しい暮らしをしている様子を指す言葉です。
食事を満足に食べない様子、もしくは食べたくても食べられない様子から来た言葉です。
意味②の類義語は「袖から手を出すも嫌い」
「袖から手を出すも嫌い」とは、袖からお金はもちろん手さえも出すことを嫌がることの例えです。
こちらは「出す事なら袖から手を出すも嫌い」を短縮した表現となります。
横着な人、とてもケチな人を指す表現として使用される言葉です。
お金を出すのを渋るケチさどころか、服の袖から手を出すことさえ渋るというのですから相当なケチであることが窺えますね。
まとめ
「爪に火を灯す」は、慎ましい暮らしをすることをあらわす言葉です。
ところが、ケチな人を指すこともあります。
この言葉は、ろうそくや油の代わりに、自分の爪に火を灯す様子から生まれた言葉とされています。