「弱り目に祟り目」とはどんな意味の言葉?「弱り目」「祟り目」とはなんのこと?

不運に不運が重なることを「弱り目に祟り目」と言います。
これらは最悪の事態が発生しているにもかかわらず、さらにそこに追い打ちをかけるようなことが起こることを言った言葉です。
しかし、そもそも「弱り目」「祟り目」とは何を指しているのでしょうか?

ここではそれら「弱り目に祟り目」について解説します。
特にこの記事では「弱り目」「祟り目」それぞれの意味についてもわかりやすく説明します。

「弱り目に祟り目」とは

まずは「弱り目に祟り目」の意味について見てみましょう。

「弱り目に祟り目」の意味

「弱り目に祟り目」とは、不運に不運が重なることの例えです。
多くの場合、すでに困っている状態や悩んでいる状態においてさらに追い打ちをかけるような出来事が起こることを言います。
特に悪い状況において、さらに悪いことが起こることを指す言葉です。

ただでさえ悪いことが起こっているのに、それに拍車をかけるようなことが起こるのは運が悪いとしか言いようがありません。
それらの不運が重なる状況を例えたことわざが「弱り目に祟り目」となります。

「弱り目に祟り目」の用い方・例文

「弱り目に祟り目」はただ不運なことが起こることを言う言葉ではありません。

すでに自分にとって不運なことが起こっている状態で、さらに追い込まれるようなことが起こった際に使用します。
要は災難に見舞われた中で、さらなる災難が襲ってきた際に使用する言葉なのです。

例えば、財布を落とした日にスマホまで落としてしまうような状況で使用します。
他にも会社を解雇された日に離婚を突き付けられるような状況などでも使用できるでしょう。

要は不運に不運が重なってしまうことを言った表現が「弱り目に祟り目」となります。

「弱り目」と「祟り目」とはなんのこと?

では「弱り目」「祟り目」はそれぞれ何を指すのでしょうか?

「弱り目」とは

「弱り目」は弱った状態のことを指す言葉です。
ここで言う「目」とは「落ち目」「控え目」などと同じ用途で使用されているのがわかります。

これらの「目」は動詞の連用形として付く接頭語となります。
つまりはある状態に陥っていることを表した言葉なのです。

決して「目」そのものが弱っているということではありません。
あくまでも弱っている状態にあることを指しているので、その点は注意しましょう。

「祟り目」とは

「祟り目」は災いに遭った状態のことです。
ここでの「目」は単に「弱り目」の「目」と語呂合わせしたものとなっています。

あくまでも祟りに遭ったかのような状況を言うのであって「目」が祟られることを言ったわけではありません。
これらは祟りに遭ったかのように不運が続くことに対して「祟り」を掛けた表現なのです。

「弱り目に祟り目」の類義語

最後に「弱り目に祟り目」の類義語も見ていきましょう。

泣きっ面に蜂

「泣きっ面に蜂」とは、不幸な上にさらに不幸がのしかかることの例えです。

泣いている時に蜂に刺されてより一層辛い思いをしてしまうことを言います。
近年はそれらの状況も限定されず、災いが重なること全般を指す表現とされています。

その点が「弱り目に祟り目」と同じなのではないでしょうか。

踏んだり蹴ったり

「踏んだり蹴ったり」とは、続けざまに酷い目に遭うことの例えです。

これらは被害者側からの言い方で使用されることが多いが、もともとは加害者側からの言い方として使用されていました。
事実、昔は「踏んだり蹴ったりの目に遭わせてやる」などと言ったそうです。

それが省略されて「踏んだり蹴ったり」だけが独り歩きするようになったと考えられています。
その後、重ね重ね酷い仕打ちに遭うようなことを言うようになったのだとか。

そこが「弱り目に祟り目」と似ていますね。

虎口を逃れて竜穴に入る

「虎口を逃れて竜穴に入る」とは、次から次へと危険に見舞われることの例えです。

一難を逃れたのに、また他の難儀に遭遇することを言ったことわざとなります。
事実、虎の危険から逃れられたのに竜の危険にさらされることを言います。

ただし、この言葉はある災難から逃れてから他の災難に遭遇することを言った表現です。
そのため、意味は少しだけ「弱り目に祟り目」とは違うかもしれません。

それでも災難が次々と降りかかるという点は共通していると言えるかもしれません。

まとめ

「弱り目に祟り目」は不運が重なることを言った表現です。
弱っているところに、まるで祟りかのように災難が続くことを言った表現となります。

ただし、これらは実際に目が弱っていることを言っているわけではありません。
同じく、目が祟られていることを言っているわけでもありません。
そこは正しい意味を理解しておくことが必要です。

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