職業や住所を変えてばかりの人は地位も財産もできないことの例え、それが「転石苔を生ぜず(てんせきこけをしょうぜず)」となります。
これはふらふらしていると成功できないという意味の言葉です。
しかし、逆に変わり続けるからこそ新鮮でいられるというような意味もあるそうです。
今回はそれら「転石苔を生ぜず」について解説します。
ここではその意味はもちろん由来や語源、類義語についても説明します。
目次
「転石苔を生ぜず」とは
まずは「転石苔を生ぜず」の意味について見ていきましょう。
「転石苔を生ぜず」の意味
「転石苔を生ぜず」とは職業や住所を変えてばかりの人は地位も財産もできないことの例えです。
これらには仕事や住居を転々としている人は成功できないという意味があります。
実際に転がっている石には苔が定着しません。
逆にじっとしている石には苔も付着しやすいです。
ここで言う苔とはいわゆる地位や財産、成功のことを指しています。
そこからふらふらしているとうまくいかないような状況を「転石苔を生ぜず」と表現するようになったそうです。
「転石苔を生ぜず」の用い方
「転石苔を生ぜず」は、1つのことをせずにふらふらとしているとうまくいかないという意味で使用されることが多いです。
例えば、定職に就かずにふらふらしている人に対して「転石苔を生ぜず」を使用します。
特に1つのことに集中せずに計画性や将来性がない人に対して使用することも多いです。
そういった意味では新しいものにすぐ飛びつく人のことなどの例えとしても使用できるかもしれません。
「転石苔を生ぜず」の由来
では「転石苔を生ぜず」はどこから来たのでしょうか?
ここからは「転石苔を生ぜず」の由来や語源についてまとめます。
原型は古代ローマの作家の言葉を英語に翻訳したもの
「転石苔を生ぜず」は古代ローマで活躍した作家の言葉を英語に翻訳したことわざです。
その原型となった言葉が「A rolling stone gathers no moss.」という表現です。
これらはそれぞれ「rolling stone=転石」「gathers=適応」「moss=苔」を意味しているのだとか。
そこから「転石苔を生ぜず」という言葉が生まれたとされています。
実はもう一つ意味がある
ちなみに「転石苔を生ぜず」にはもう1つの意味があります。
それが活発な活動をしている人は時代に取り残されることがないという意味です。
実際に絶えず何かをしている人は常に新鮮でいられます。
確かに1つのことを続けることも大切なのかもしれません。
しかし、それでは変わっていく情勢についていけなくなります。
だからこそ、変わることを恐れないことが大切です。
そのことを説いたのが「転石苔を生ぜず」でもあるのです。
事実、これらは国によって意味の捉えられ方も違います。
例えば、イギリスではふらふらしている人は成功できないと解釈すで使用されます。
逆に、アメリカでは絶えず活動している人は常に新鮮でいられると解釈する傾向にあるのです。
そのため「転石苔を生ぜず」は国によって悪い意味で捉えたり、良い意味で捉えたりされる言葉と言えるでしょう。
なお、日本では場面ごとにどちらの意味でも使用されます。
そこは解釈の違いによって変わってきそうです。
まとめ
「転石苔を生ぜず」は職業や住所を転々としていると何も築けないというようなことを言った西洋のことわざです。
英語の「A rolling stone gathers no moss.」から来ています。
実際に石が転がっている状態であれば、苔が繁殖することもありません。
そのような様子から鵜生まれたのが「転石苔を生ぜず」です。
ただし、これらの言葉は国によって捉え方が違ってくるので、良い意味も悪い意味も両方ある言葉として覚えておきましょう。