言葉巧みに騙されてしまうことを「口車(くちぐるま)に乗る」と言います。
これらは他人のうまい言い回しに乗せられることも指します。
しかし、そもそも「口車」は何を表しているのでしょうか?
今回はそれら「口車に乗る」について解説します。
ここではその意味はもちろん由来や語源について説明します。
目次
「口車に乗る」とは
まずは「口車に乗る」の意味について見ていきましょう。
「口車に乗る」の意味
「口車に乗る」とは巧みに言いくるめられて騙されてしまうことを言った言葉です。
主に相手のうまい言い回しに乗せられることを表します。
それら相手の口先に欺かれることを指す言葉です。
ただし、他にもおだてに乗ることなども言うなど、それぞれの状況によって意味が異なります。
「口車」は例え
「口車」とはおだてたり騙したりするために言葉を巧みに操ることを言います。
決して口が車のようになっているということではありません。
これら「口車」という言葉は例えの一種で、主に2つ事柄から来たとされています。
1つ目が、口先だけの言い回しが「車輪」を連想させるために「口車」という言葉が生まれたとする説です。
2つ目が、詐欺などで欺くことを「乗せる」と表現するところから「口車」という言葉が生まれたとする説です。
どちらかから来たのかは詳細不明ですが、要は騙すことを例えた言葉が「口車」だと言えるでしょう。
そこから「口車に乗る」という表現として広まったとされています。
「馬に乗るとも口車に乗るな」は注意喚起の意味
「口車」を含むことわざには「馬に乗るとも口車に乗るな」というものがあります。
これは注意喚起の意味を持つことわざとなっています。
事実、うまい話には気をつけるべきだという戒めや教えとして使用されることが多いです。
「口車に乗る」の類義語
ここからは「口車に乗る」の類義語を見ていきましょう。
「口車に乗る」の類義語には「甘言に釣られる」や「一杯食わされる」などがあります。
甘言に釣られる
「甘言に釣られる」とは、他人の言葉に従って動くことです。
相手の言葉についつい釣られてしまうことを言います。
ちなみに「甘言」とは他人に気に入られるような口先だけのうまい言葉のことを意味します。
要は「甘言に釣られる」とは甘い言葉を並べられることでそれに乗ってしまうことを言った言葉なのです。
それらうっかり欺かれてしまうところが「口車に乗る」と似ているのではないでしょうか。
一杯食わされる
「一杯食わされる」とは虚言によって相手の思惑通りに動くことを言います。
また、悪意を持った人に騙されて金品などを失うことも意味する言葉となっています。
つまり、まんまと騙されるような状況を意味する言葉です。
これらは何か企む相手に思いがけない飲食物を一杯食わせるところから来た言葉とされています。
それら騙されるというところが「口車に乗る」に通じます。
対義語は「眉に唾をつける」
最後に「口車に乗る」の対義語も見ておきましょう。
「口車に乗る」の対義語には「眉に唾をつける」があります。
「眉に唾をつける」の意味
「眉に唾をつける」とは欺かれないように用心することです。
昔、日本では狐や狸が人間を化かすと考えられてきました。
その一方、それら狐や狸に化かされないよう眉に唾をつける習慣などもあったとされています。
そこから騙されないように警戒することを「眉に唾をつける」と表現するようになったとされています。
それら怪しいものや疑わしいものに注意するところが「口車に乗る」と反するのではないでしょうか。
まとめ
「口車に乗る」はシンプルに騙されることを言います。
特に言葉巧みに欺かれるようなことを言った表現です。
中でも「口車」は口先だけで他人を騙したり欺いたりすることを言います。
現代社会、誰も怪しんだり疑ったりしたくないところです。
しかし、それでも警戒することに越したことはありません。
ぜひ「口車に乗る」という言葉を常日頃から心に留めておきたいところです。