「内股膏薬」とはどんな意味の四字熟語?その由来や類義語は?

あっちについたりこっちについたりして節操がないことを四字熟語で「内股膏薬」と表現します。
これは自分の都合に合わせて動く人の形容としても使用されます。
しかし、なぜそれを「内股膏薬」と言うのでしょうか?

今回はそれら「内股膏薬」という四字熟語について解説します。
併せてこの言葉の成り立ちや類義語についても説明します。

「内股膏薬」とは

まずは「内股膏薬」の意味について見ていきましょう。

「内股膏薬」の意味

「内股膏薬」とはあっちについたりこっちについたり節操がないことの例えです。
特に自身の都合に合わせて敵についたり味方についたりすることを言います。

つまりは自分の意見がなくその時々で立場を変えることを指すのです。
そのようなどっちつかずな人を嘲っていう言葉でもあります。

なお、漢字は「うちまたこうやく」とも「うちまたごうやく」とも読まれます。
そこはどちらの読みでも間違いではないので、好みの方を使用しましょう。

「内股膏薬」の由来

では「内股膏薬」はどこからやってきたのでしょうか?
ここからは「内股膏薬」の成り立ちについてまとめます。

膏薬とはどんな薬

「内股膏薬」の「内股」とは股の内側のことを意味します。
また「膏薬」とは練って作った外用薬のことを意味します。

つまりは太ももの内側に貼った外用薬のことを意味するのです。
現代で言うところの湿布みたいなものを想像するとわかりやすいかもしれません。

内股に膏薬を塗った後の様子からきた言葉

昔は内股に膏薬を塗って使用していました。
しかし、内股に貼った膏薬は動く度に擦れてしまいます。
それによって右側へ左側へと移ってしまうわけです。

そこから「内股膏薬」という言葉が生まれたとされています。
その後、どっちつかずでふらふらとしている状態のことを「内股膏薬」と言うようになったそうです。

さらに転じて、現代では自分の主義主張を持たず、自分の都合次第であちらにもこちらにもつくことを言うようになったとか。

「二股膏薬」「股座膏薬」と表現されることも

「内股膏薬」は他にも「二股膏薬」「股座膏薬」と表現されることがあります。

「二股膏薬」の「二股」は右足と左足の境目のことを言います。
「股座膏薬」の「股座」は太ももの間のことを指す言葉です。

つまりは「二股」も「股座」も同じ両足のことを表すわけです。
そのため、どの漢字表記であっても意味は同じとなります。

そこは好みの四字熟語を使用して問題ありません。

「内股膏薬」の類義語

最後に「内股膏薬」の類義語を見ていきましょう。
「内股膏薬」の類義語には「日和見主義」「風見鶏」などがあります。

日和見主義

「日和見主義」とは形勢をうかがって自分の都合の良い方につくことを言います。

どっちつかずの態度を取っていることに対して使用されます。
これらは別名で機会主義とも呼ばれるものです。

もともと「日和見」は空模様をうかがうことを意味していました。
しかし、それが次第に物事の成り行きをうかがって進退を決しないことも意味するようになったわけです。

そこから「日和見主義」という言葉が広まっていったとか。
実際に状況をうかがって自身の都合に合わせて動くところが「内股膏薬」と似ていると言えるのではないでしょうか。

風見鶏

「風見鶏」とは定見を持たず、周囲の状況を眺めて動くことです。
中でも自分にとって都合が良い方を選んで動くことを言います。

これらは鶏をかたどった風向計を意味する言葉でもあります。
その風向計は風の向きによって右にも左にも向くのが特徴です。
その様子から「風見鶏」という形容が生まれたとされています。

実際にふらふらと右を見たり左を見たりするところが「内股膏薬」と同じと言えるかもしれません。

まとめ

「内股膏薬」はあっちこっちと自分の都合に合わせて動くことを言った四字熟語となります。
要は自分の主義主張を持っておらず、どちらにも転んでしまうような人を言う表現です。

実生活でもこれら「内股膏薬」の状態になることは往々にしてあるので、そこは普段から気をつけておきたいところです。

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