
「つける」という表現、「付ける」とも「着ける」とも表記しますが、両者は触れている範囲によって使い分けが可能です。
「付ける」は「くっつける」や「密着する」という意味が、「着ける」は「身にまとう」という意味があります。
そこでここでは、そんな「つける」の違いについて見ていきましょう!
「付ける」「着ける」以外の「つける」についてもご紹介しますね。
目次
「付ける」と「着ける」の意味

「つける」と共に読む付けると着けるですが、意味はそれぞれ異なります。
まずは「付ける」と「着ける」の意味について見ていきましょう。
「付ける」の意味
「付ける」は、くっつける・密着させるといった意味があります。
物理的に接している場合で使われ、容易には離れない状態です。
『服にインクが付いてしまった。』といった表現に使われます。
その他にも所属させる。仲間にさせる・加える・添えるといった意味でも用いられます。
また、慣用句としても用いられることが多く「気を付ける」「目を付ける」「手を付ける」「焼き付ける」「近付ける」などがあります。
「着ける」の意味
「着ける」は身にまとう・着用するという事をあらわす語です。
衣服やアクセサリーに対して用いられる場合が多く、体の一部に触れているような状態を指しています。
完全に触れているというよりも、近くに寄っているもしくは軽く触れているような状態に用いる言葉となっています。
また、乗り物をある場所に寄せ止める・ある場所に位置させる・一定の所にいさせるといった表現でも用いられます。
「身に付ける」と「身に着ける」はどちらが正しい?

「付ける」と「着ける」を混合しやすくなる、「身に付ける」と「身に着ける」という表現、これはどちらの方が正しいのか。
それぞれの状態を見てみましょう。
「身に付ける」のは・・・
知識や教養、習慣や技術は習得したら容易に忘れないものです。
そのため、「知識を身に付ける」「分からないことがあったらすぐ調べる習慣が身に付いている」といった表現で用いられます。
別段目に見えるものでなくとも、「付ける」はその対象となりえる、という事です。
「身に着ける」の状態
「着ける」は、原則として目に見えるものにしか使えません。
そのため、「身に着ける」は、衣服やアクセサリーを着用している状態として用います。
新聞業界では
とても似ている「身に付ける」と「身に着ける」ですが、新聞業界では新聞社がそれぞれ決めたルールに従って使い分けているそうです。
「身に着ける」と表記を統一している会社もあれば、「身に付ける」で表記している会社もあります。
「点ける」や「就ける」、「附ける」との違い

他にも「つける」と読む後はあります。
日常会話でも出てくる「点ける」はもちろん、「就ける」や「附ける」についても解説します。
「点ける」とは
「点ける」とは「火を点ける」「電気を点ける」など、何かを燃やすことや明かりを灯すことを指しています。
また、「エアコンを点ける」「パソコンの電源を点ける」など、電子機器のスイッチを入れて作動させることを指すこともあります。
「就ける」とは
「就ける」とは、ある地位や役職にすえることを指しています。
「就任」や「就職」といった熟語があるように、自分の役割として何かを任せられる際などに使われます。
また、誰かの下で教えを受けさせるという意味もあります。
「附ける」とは
「附ける」は、人や物と触れ合うことを意味する言葉です。
また、それらを離れない状態にすることも指しています。
新たに要素を加えることや、ある位置にすえること、指導を受けさせるという意味でも用いられることがあります。
その意味は「付ける」や「就ける」に近しい言葉という事になります。
まとめ
「つける」には、「付ける」や「着ける」という表記があります。
2つの表記は、密着度などで使い分けが行われます。
また、「着ける」が目に見えるものにしか使えないのに対し、「付ける」は目に見えないもの含めて物事全般に用いることができます。
「つける」の漢字表記は他にも、「点ける」や「就ける」、「附ける」などがあります。