灯篭流しをやる時期は?どんな意味でやるの?

2019.7.30


火を灯した灯篭を川や海に流す「灯篭流し(とうろうながし)」

幻想的で美しく、また遠ざかっていく灯篭の姿からは厳かさと切なさも感じる行事として知られていますよね。表記として「灯籠流し」や「燈籠流し」とも書かれるこの行事がどの時期に、どのような意味を込めて催されているのかを解説します。

灯篭流しとは


どのような意味を込めて催される行事なのか

灯篭流しは、火を灯した灯篭と盆飾りを川に流すことで死者の魂を弔う、盆で帰ってきていた祖先の霊に送る、水死者・無縁仏の供養する、または平和を祈るためなど様々な意味を込めて行われます。

盆で帰ってきていた祖先の霊に送るために行われている事から、同じ意味合いを持つ「送り火」の一種とも考えられています。送り火の行事としては京都の五山送り火「大文字」が特に有名ですね。

いつ頃に催される行事なのか

現在では主にお盆の行事の一種として行われています。

お盆期間の解釈が地域によって違うこと、「灯篭流し」が盆祭りの一環として自治体で執り行われていること、さらに追悼行事として行われていることもあるため、固定の時期は決まっていませんが、全体的には8月に行われることが多いようです。

灯篭流しの由来


灯篭流しの起源

日本各地で行われている「灯籠流し」が現在の形の行われるようになったのは、広島で毎年8月6日に行われている「とうろう流し」からきているというのが諸説のうちの一つです。

広島の「とうろう流し」は、原爆が投下されたことで家族や知人を失った遺族や市民が追善供養のために、手作りの灯篭を川に流したのが始まりとされています。

灯籠を流すようになったのは、「安芸門徒(あきもんと)」と呼ばれる広島の浄土真宗門徒の盆の風習「盆燈籠(ぼんとうろう)」と、麦わらや木で作成した船を川に流す「精霊流し」が組み合わさったためと考えられています。

ちなみに「盆燈籠」とは六角形の朝顔状に組んだ竹に火で明るくするのではなく、赤や青、黄色の色紙を張ることで華やかにした灯篭を墓に供えるという風習です。

長崎の精霊流し

灯篭流しの原型の一つでもある「精霊流し」は、”長崎の精霊流し”と他の地域のものとは違ったものとなっています。

長崎の精霊流しは、毎年8月15日に盆前に亡くなった人への供養として行われています。遺族は「精霊船」と呼ばれる船を手作りし、精霊船を街中から港までを曳くことで故人の魂を極楽浄土に送り出す伝統行事です。

練り歩く際には「どーいどい」という掛け声や悪霊をはらうとされる爆竹が使われることで華やかに、賑やかに故人への追悼が行われます。

全国で見られる灯篭流し


広島で始まったとされる灯篭流しは現在全国に広まっています。今回は夏に全国で行われている灯籠流しをご紹介します。

関東で行われる灯籠流し

船玉まつり-埼玉県

毎年お盆時期に行われている秩父の夏の風物詩。船下りの船頭が水上の安全を祈願して水神様をお祀りしたことに由来するそうです。荒川で見ることができる灯籠流しは、何段にもなる提灯を付けた万灯船と行き交い、夜には花火が夜空を彩るそうですよ!

【公式サイト】
https://www.nagatoro.gr.jp/

古利根川流灯まつり – 埼玉県

大きさが畳1畳分と日本一を誇る灯籠200~250基が古利根川に浮かべられます。この灯籠は釘を使われず全て一つ一つ手作りされたものです。ミニ灯籠も加わるころで約1kmにわたえい光の帯ができるその幻想的な姿「地上に降りた天の川」と言われているそうです。

【公式サイト】
http://www.kankou.sugito.info/

湊川灯籠流し – 千葉県

先祖の霊を敬うことを子供たちに教えるために富津市の「湊川灯籠流し」は始まりました。東日本大震災発生の平成23年からは震災被害者への鎮魂の願いも込め、約500個の灯篭が流されているそうです。

【公式サイト】
http://www.futtu-city.or.jp

小倉橋灯ろう流し – 神奈川県

小倉橋のたもとからやく700個の灯篭が相模川にながされる灯篭流しです。夏季にライトアップがされている小倉橋と灯篭の姿が他に無い幻想的な光景になるそうです!

【公式サイト】
http://www.shiroyama-info.jp/index.html

隅田川とうろう流し – 東京都

吾妻橋、親水テラスから流される灯篭は隅田川を下り、スカイツリーと共に映る姿は美しい光景の灯篭流しです。昭和40年代、隅田川の両岸にはコンクリートで防波堤が築かれ注視していましたが平成17年に再整備がされた結果、再び灯篭流しができるようになったといいます。

【公式サイト】
http://visit-sumida.jp/

東日本で見ることができる灯籠流し

広瀬川灯ろう流し – 宮城県

江戸時代の終わりにおきた天保の飢饉の犠牲者を供養するためにはじまった行事とされています。昭和53年から中止されていましたが平成2年に伝統を守ろうという町内会たちの熱意から再開し現在まで続いています。現在は趣向をこらしたコンサートも行われており、目だけでなく耳でも人々の心を癒しています。

【公式サイト】
http://hirosegawatourou.miyagi.jp/index.html

富士河口湖灯籠流し – 静岡県

昭和56年から続くこの行事は1200基を超す灯籠が河口湖に浮かびます。無数の灯篭富士山を背景とする光景はここでしか見られない灯篭流しになっています。

【公式サイト】
https://toronagashi.jp/

西日本で見ることができる灯籠流し

嵐山灯篭流し – 京都府

昭和24年に戦没者の慰霊のために灯篭供養を始めたことが由来とされています。会場からは同じく送り火の「大文字」や「鳥居」を見ることができるので趣深いな世界がそこにはあるそうです。

【公式サイト】
http://buttorenmei.sakura.ne.jp/

宮津燈籠流し花火大会盆おどり大会 – 京都府

新盆の家から送り出された「精霊船」とそれを囲むように流される約一万基の燈籠が宮津湾を彩ります。さらにそこに花火も彩を加えるするという宮古湾最大の行事です。

【公式サイト】
http://www.kyo.or.jp/miyazu/hanabi/index.html

永平寺大燈籠ながし – 福井県

永平寺の雲水約130人による読経の後、先祖への供養と感謝を込められた燈籠、約1万基が九頭竜川に流されます。流された灯篭により九頭竜川は幻想的な光の帯が浮かび上がるそうです。

【公式サイト】
http://toronagashi.com

ピースメッセージとうろう流し – 広島県

平和記念公園の東に流れる元安川からとうろう流しは行われます。この灯篭の火種には、福岡県八女市星野村に保存されている「原爆の残り火」が使われているそうです。また、灯篭に使われている色紙の「白」紙は原爆の子の像へと手向けられた「折鶴」を再生紙加工したものが使用されているそうです。平和と慰霊のために折られた鶴が灯篭へと形を変え、平和への思いを込めて流されたと聞くと、ひとびとの平和への思いが伝わってくる灯篭の光に感じますね。

【公式サイト】
http://www.urban.ne.jp/home/tourou/

英語での灯篭流し


英語では「Lantern Floating」

「灯篭流し」は英語では「Lantern Floating」といわれています。アメリカやイギリスなどで同種の行事があって付いていた名前ではありません。20年ほど前からはじまった日本の宗教団体「真如苑」が主催し、今では5万人以上が参加するようになった「Lantern Floating Hawaii」というセレモニーからそう呼ばれています。

催されている時期は5月最終月曜日のアメリカの戦没者記念日「メモリアルデー」です。戦争で命を落としたアメリカ兵や亡くなった家族を悼むために家族の集まる祝日でもあるこの日に、毎年ハワイ諸島のオアフ島アラモアナビーチで行われています。このセレモニーでもまた世界平和や故人へのメッセージが込められた灯篭が流されているそうです。また、平和への思いだけではなく日本同様灯篭による幽玄な世界が人々の心を惹き付けているようです。

ハワイの海でもまた平和と死者への思いが乗せられた灯篭が幻想的な光景を生み出しているんですね!

まとめ

広島で鎮魂と平和の思いを込めて始まった「とうろう流し」は、日本だけでなく世界にまで広まっていたんですね。灯篭の数だけ慰霊の思いが込められていて、灯篭の数だけ平和への思いが詰まっていると思うとこれから見る灯籠がより明るく幻想的に見えそうですね。

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