電車の中で子どもが大騒ぎ。居合わせた他の乗客の「静かにしろよ...」という険悪な雰囲気を感じるだけに、そばでお母さんが必死に止めようとするも楽しくなった子どもはなかなか言う事を聞こうとしない。決して珍しくないシチュエーションですよね。
実際にそんな状況に遭遇した農業研究者のshinshinohara(@ShinShinohara)さんが取った行動と、その理由が大きな反響を呼んでいるのでご紹介します。
赤の他人ができる育児のアシスト
非日常感もあってか、子どもが電車のなかで興奮したり楽しくて騒いでしまうのを親御さんが必死で止めている状況。そんな場に居合わせたshinshinoharaさんが取った行動がこちらです。
子ども、お母さん、そして周りの乗客の気持ち全て理解した上で、子どもに優しくお願いしにいったshinshinoharaさん。
お母さんではない「知らない人」にお願いされるということが効いたようで、以後静かにしてくれたその子に「ありがとうな。よう静かにしてくれたな。」と、乗車時にもう一度声をかけたそうです。
この背景について、shinshinoharaさんは理由をこうお話しされています。
「子どもにとって、電車の中の大人たちは『背景』でしかない。」
外出先といっても、子どもにとって見ず知らずの他人や自分に関わってこない人はただの「背景」。決して動くことがなく、存在として全く気にならない、ただただその場に溶け込んでいるものでしかないのです。そんな背景(周りの人)を気遣うというのは、きっと子どもにとって非常に難しいこと。
一昔前とは異なり他人との距離が遠く接触する機会が少なくなった現代において、他人の子育てに直接関わりしないけれど「親がしっかりしつけろよ」というプレッシャーの圧だけが大きくなっているような気がします。公共の場で騒ぐ子どもを見ると、多くの人が「責任は全て親」と考えがちですが、もしかすると私たちが当然のように背景と化してしまうことも原因なのかもしれません。
「静かにして!」「ご迷惑になるでしょ!」と肩身が狭そうに注意する親御さんを前に、shinshinoharaさんのように私たちが背景でないことを優しく示すことは子どもにとって学びとなるだけでなく、赤の他人だからできる親御さんへの育児の手助けになるのではないでしょうか。
どうやって静かにさせるかという親の視点ではなく、他人の立場からとても深く考えさせられました。
shinshinoharaさん推薦の保育・子育て本・絵本・講演など様々な活動をされていることで知られる柴田愛子先生の本も、ぜひ手に取ってみたいです。
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出典:Twitter(@ShinShinohara)