世の中には目撃すること自体が希少すぎてその生態の研究が全然進んでいない動物がいます。例えば今回紹介するウンピョウがそうです。
まだ野生下での行動や生態のほとんどが分かっていない動物ながら日本の動物園では飼育されているウンピョウを今回ご紹介します。
目次
ウンピョウとは
ウンピョウは漢字で「雲豹」と書き、タカサゴヒョウやタイワントラとしても呼ばれている動物です。雲のような模様から雲豹、台湾にいたことから台湾虎と呼ばれていますが豹でも虎でもありません。分類学上は「ネコ科ウンピョウ属」に属している独立した生き物になります。
ウンピョウの生息域
ウンピョウが生息しているのはインド北東部からネパール、ブータンなどのヒマラヤ山脈南部、ミャンマーやベトナム、タイやマレーシアなどの東南アジアと中国南部の一部地域に分布しています。台湾にも分布していましたが絶滅してしまったそうです。
ウンピョウの生態
熱帯雨林や森林地帯に主に生息していますが、マングローブの生える湿地帯でも生活していることもあるそうです。体長は60cm~110cmほど。体重も15kg~25kgとなっており、胴が長くて足は短いのが特徴です。
この体格と、体に比べて大きな手と鋭く伸びた爪を活かして木を登るがうまいです。更に他のネコ科の動物に比べて非常に長い尾をしており、これは樹上にいるときにバランスをとるのに役立っているそうです。
カニクイザルやスローロリスといった小型哺乳類の他に鳥類やヘビを捕食しています。また、イノシシにシカを餌にすることもあるそうです。狩りは木の上からではなく、地上に降りて行っているようです。
別種のスマトラスンダランドウンピョウ
同種だと思われていたスマトラスンダランドウンピョウ
インドネシアにいるボルネオ島・スマトラ島にいるウンピョウは2007年の調査で、他のウンピョウとは別種と判明しました。ウンピョウは森の奥の木の上にいることが多いため姿を目撃されることが少ないため別種だと気付かれなかったそうです。
ヤマピカリャー
沖縄の西表島に伝わるUMAヤマピカリャーの正体がウンピョウなのではといわれています。
ヤマピカリャーは体長50~60cmのイリオモテヤマネコよりよほど大きいといわれていますのでちょうどサイズが合う事、今は絶滅してしまいましたが、以前は台湾にもウンピョウが住んでいたことから泳ぎが得意なウンピョウが渡ってきたところを目撃されたのではないかと考えられているようです。
日本の動物園にいるウンピョウ
世界的にその姿を目撃するのが希少なウンピョウは現在日本でも飼育されており、2019年9月現在下記三か所の動物園でその姿を見ることができます。
・よこはま動物園ズーラシア(神奈川県)
・のいち動物公園(高知県香南市)
・熊本市動植物園(熊本県熊本市)
まとめ
野生化ではトラップカメラを設置してもなかなか見ることができないというウンピョウが日本では三か所で見ることができますので、一度はその姿を見ておきたいですね!