美しい冠羽を持つ、飛べない鳥「カグー」とは?どこに生息しているの?日本でその姿は見られる?

カグーは冠羽が目を引く美しい鳥です。
生息地のニューカレドニアでは国鳥として愛されています。

このカグー、飛べない鳥の一種となります。
ここでは、飛翔能力を退化させたカグーの生態や生息域、そして美しい冠羽の用い方を解説します。

カグーの生息域と生態

 

カグーの体長は、5~60cmほどです。
カンムリサギモドキという別名があり、これはヨーロッパ大陸や中近東に生息している鳥に姿が酷似していることから付けられました。

カグーの生息域

カグーはフランスの海外領地であり、オーストラリア大陸の東に浮かぶ島、ニューカレドニアだけに分布している鳥です。
島内にある山岳地帯に生息しており、標高1,400m以下にある密林でその姿を目撃されています。

カグーの生態

カグーはまだ謎の多い鳥です。
分類についてもいまだに不明な点があり以前は「ツル目」に分類されていましたが、現在は「ジャノメドリ目」の仲間として分類されています。

飛べない鳥、カグー

カグーは捕食者となる天敵がいないニューカレドニアで生きてきたため、飛翔能力が退化しています。
そのため、空は飛ぶことはできませんが、ニューカレドニアの山の中を走り回っています。

走るカグーの足は速く、小走りと停止を繰り返しているそうです。

カグーの外見

前身は青みがかった淡い灰色をしており、風切羽には黒と白の線が交互に入っています。
くちばしや足は雛の時は薄い黄色をしていますが、成長するにつれ赤みが増していきます。

カグーの食性

カグーは動物食の鳥で、主に昆虫やクモ、トカゲを捕食しています。
また、他にもくちばしを地面に刺し、地中にいるミミズを掘り出して捕食することもあります。

カグーの美しい冠羽

 

カグーの学名「Rhynochetos jubatus」の「jubatus」は『たてがみのある』という意味です。
その名にふさわしく、カグーにはたてがみに似た美しい冠羽が生えています。カグーはこの冠羽を逆立てて威嚇をしたり、メスへのアピールに用いたりしています。

威嚇に使う

威嚇の際には冠羽を逆立てて、翼を広げます。
そして威嚇の姿勢を取ったまま相手に向かっていくことで自分の大きさと強さを相手にアピールして威圧します。

求愛に使う

冠羽を逆立てる行為は威嚇のためだけではなく、メスへのアピールとしても用いられます。
威嚇も求愛行動も、自分を大きく見せることで相手に強さをアピールする行為なので、姿が共通しているのかもしれません。

また、求愛行動は冠羽を逆立てるだけではなく、オスとメスがお互いの鳴いたの後に鳴くことで鳴き交わる行為もするそうです。

カグーのつがいは生涯仲良し

カグーのつがいはその生涯を仲良く協力し合う、おしどり夫婦の鳥といわれています。
カグーは年に一度、一つの卵を産みますが、その卵は交代で卵を温めて協力し合います。

孵化すると3日ほどで雛は巣立ってしまいますが、それまでの間の子育ても夫婦で交互に協力し合うとされています。

日本の動物園にいるカグー

 

地表で活動をし、飛翔することのないカグーは人類がニューカレドニアに犬や猫や持ち込んだために捕食されるようになったことや、装飾品として羽毛を利用するために乱獲されたことを原因として、生息数を大きく減らしています。
現在は絶滅危惧種として非常に大切に保護されています。

日本で唯一カグーを飼育している動物園

絶滅危惧種という非常に希少なカグーですが、現在日本では神奈川県にある「野毛山動物園」で飼育されています。

まとめ

カグーはニューカレドニアで国鳥として愛されていますが、乱獲や人類が持ち込んだ動物に捕食されるといったことを原因にして現在は絶滅してしまうのではないかと危ぶまれているいきものです。
幸運なことに日本国内で飼育されていますのでその姿を見ることができますので、機会を作って一度冠羽が逆立たせていることろを見てみたいものですね!

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