北海道だけで使われる言葉「リラ冷え」って何?その意味や語源を解説!

2019.9.28


北海道だけで使われている、気温を表す言葉「リラ冷え」。とてもきれいな言葉ですが、その由来とは何なのでしょうか?

「リラ冷え」の由来には、言葉の響きどおりの美しい物語がありました。



リラ冷えとは?

北海道
まずは「リラ冷え」の意味をお勉強しましょう。

北海道のみで使われる気象用語


「リラ冷え」は、北海道だけで使われている気象用語です。

5月下旬の北海道では、暖かくなってきたと思ったら急に冷え込むような気候の変化がみられます。そんな時期の気温の冷え込みを、北海道民は「リラ冷え」と呼びます。




リラ冷えの語源は?

リラ(ライラック)
「リラ冷え」の「リラ」とは、ライラックという花を指す言葉です。

リラ=ライラック


ライラックはフランス語で「lilas」、「リラ」と読みます。

「ライラック祭り」というイベントも毎年開催されているほど、北海道ではライラックは親しみのある植物。このライラックが咲き誇る時期が5月下旬~6月初めなんです。この時期の気温の冷え込みを、「リラ冷え」と呼ぶのだそうです。

元々明治時代にアメリカから北海道に


札幌市に多く生息しているライラック。札幌の名門女子校・北星学園女子中学高等学校の創始者であるサラ・クララ・スミスが明治時代にアメリカから持ち込んだものだといわれています。

小説「リラ冷えの街」で広まる


「リラ冷え」という言葉が広まったのは、北海道出身の作家、渡辺淳一氏による小説「リラ冷えの街」がきっかけ。

リラ冷えの季節の北海道を舞台に、男女の愛を描くラブストーリーです。

元は俳句で使われた


「リラ冷え」という言葉は、もともとは俳句で使われたのが最初でした。

俳人「榛谷美枝子」氏が作った創語


「リラ冷え」を生み出したのは、札幌に長年住んでいた俳人の榛谷美枝子氏。東京で言う「花冷え」と同様の意味で使われた、「リラ冷えや睡眠薬はまだきいて」という句が最初です。

(参考:国会図書館

今では季語として認められている


現在では、リラ冷えはきちんとした季語として認められています。これから暑い季節がやってくる直前の一瞬の肌寒さをあらわす、儚くも美しい日本語ですね。

北海道以外での似た意味の言葉

春の訪れ
北海道以外でも、同様の意味合いで使われる言葉があります。

寒の戻り


「寒の戻り」とは、「暖かくなった晩春の頃、一時的ながら異常に寒くなる現象のこと」。立春を迎え、春らしくなってきた季節に訪れる肌寒さを表す言葉です。

(参考:Wikipedia

花冷え


「花冷え」も似た意味の言葉ですが、桜の咲く季節に訪れる肌寒い日を言い表すことが多い言葉です。

使い方には注意

北海道はもうすぐ春
美しい言葉である「リラ冷え」ですが、その使い方には注意が必要。

5月頃だけに使う!


リラ冷えを使うのは、リラの咲く季節である5月の間だけが原則。素敵な言葉だからと言って調子に乗って春の肌寒い日に全部「リラ冷え」を使ってしまうと、ちょっと恥ずかしいかも……?

【まとめ】リラ冷えは北海道でだけ通じる美しい日本語

北海道のランドマーク
北海道だけで通じる美しい日本語、「リラ冷え」。その由来も美しく、文学的なものでした。春に北海道に行く機会がもしもあったら、ぜひ札幌のリラを眺めながら「今日はリラ冷えだね」なんて言ってみたいですね!

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