アートファンのみならず、最近注目を集めている画家・バスキア。一見落書きのように見えるタッチが印象的なバスキアの絵画ですが、一体バスキアはどんな画家なのでしょうか？
謎に包まれたアーティスト、バスキアについて解説します！
目次
ブラックピカソと称された天才・バスキア
バスキアの本名はジャン=ミシェル・バスキア。ニューヨークのブルックリン生まれのグラフィティアート作家です。
バスキアってどんな画家？
ハイチ系アメリカ人のバスキアは、幼いころから絵を描くのが大好きな子供でした。17歳の頃には地下鉄やスラム街の壁などにグラフィックを描き、高校中退後にはその才能が少しずつ認められるようになります。
自分でデザインしたTシャツやポストカードを売って生計を立てていたバスキアですが、次第にキース・へリングなどの有名アーティストにも才能が認められ、ニューヨークで個展を開くようになります。
その一番の特徴は、一見落書きのようにも見える絵のタッチ。絵の中に描かれている王冠は、彼のトレードマークになっています。その才能から、「ブラックピカソ」とも称されました。
黒人アーティストと言われるのを嫌っていた？
バスキアは、「黒人アーティスト」と言われるのを極端に嫌っていました。
肌の色が黒いというだけで良くも悪くも区別される当時のアート界の傾向に反抗し、アートと肌の色は関係がなく、「僕は黒人のアーティストと呼ばれたくない。僕はひとりのアーティストなんだ」と主張し続けていたのです。
27年で終えた数奇な人生……原因は薬物の過剰摂取
バスキアは27歳でその短い生涯を終えました。原因は、薬物の過剰摂取。亡くなる直前のバスキアは、尊敬する画家アンディー・ウォーホルと知り合い作品を共同製作するようになりました。
しかしその後、ウォーホルが1987年に亡くなると、バスキアは徐々に薬物に溺れていってしまったのです。
映画にもなったバスキアの人生
1988年に、たった27年で幕を閉じたバスキアの人生。反骨精神と情熱を掲げ続けたバスキアの人生は、1996年にジュリアン・シュナーベル監督によって映画化もされました。
また、タムラ・デイビス監督によってドキュメンタリーフィルム「バスキアのすべて」が2010年に製作されるなど、多くの人々がその数奇な人生と作品に魅了されているのです。
前澤氏が絵を落札し再び話題に
映画化以来、少し影を潜めたバスキアブームでしたが、2017年にZOZOTOWN元社長の前澤氏が、バスキアの作品「Untitle（無題）」を123億円（1億1,050万ドル 2017年5月当時換算）で落札したことで、再び注目を集めるようになりました。
落書きのようなアートが特徴的
出典：YouTube
バスキアといえば、あのどこか落書きのような作風。なんと、あのバンクシーにも影響を与えたといわれているのだとか！？
あのバンクシーにも影響を与えた？
2017年の9月、バンクシーがロンドン中心部のトンネルの壁に残した作品。これは、トンネル近くにある文化施設・バービカンセンターで行われたバスキア展に合わせて描かれた作品です。
バスキアの作品でお馴染みの王冠マークがあしらわれていたり、バスキアのあの落書きのようなタッチそっくりに描かれた人物が白人警官に取り調べされているシーンを描いたものがあったりと、作品はバスキアへのオマージュとバンクシーらしい社会的な風刺が強烈に盛り込まれています。
現在バスキア展が日本で開催中！
出典：YouTube
バンクシーの出現もあってイギリスでは大きな話題となったバスキア展が、現在日本でも見られるんです！
バスキアの日本初となる大規模展「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」は、六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリーで11月17日まで開催中。世界各地から集められたバスキアの作品が一堂に会しています。その総数、なんと約130点！
展示を見れば、謎に包まれたバスキアの魅力と素顔が垣間見えること間違いなし。前澤氏が落札した話題の作品も見られるので、会期が終わってしまう前に是非足を運んでみてはいかがでしょうか？
【まとめ】謎めいた画家バスキアの生涯
たった27年で生涯を終えた、謎めいた天才画家バスキア。その作品には、前澤氏が123億円で落札したくなるのもわかるようなパワーと魅力があります。
123億円はさすがに出せなくても、今は日本で初めてバスキアが見られるチャンス。ぜひバスキア展に足を運んでみてくださいね！
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