
皆さんは、珍味と呼ばれるものを食べたことがありますか?
珍味と聞くと「何やらよく分からないものが出てきそう」「見た目も味も怪しい」なんて思えて、嫌厭される方もいるのではないでしょうか?だけど中には、通じゃなくても食べやすいものや、はじめから美味しくいただけるものなどもあり、食材も食べ方も様々なんですよ。
今回は、日本三大珍味と世界三大珍味、さらには日本全国から選りすぐりの珍味を集めてご紹介いたします!食べたことがある方もない方も、味を想像しながら読んでくださいね!
目次
珍味とは?
珍味とはこのようなものをいいます。
珍しい味。めったには味わえない、変わったうまい食物。
出典:kotobank.jp
「食べ慣れていないけど食べると美味しいもの」「めったに食べることができない変わった味のもの」といったところでしょうか。こういう味って一度ハマると癖になるんですよね。
三大珍味
日本で伝わる「日本三大珍味」と「世界三大珍味」をご紹介いたします。
どちらの三大珍味も日本で考案されたものなので、「世界三大珍味」といえども日本以外では通じません。日本人の舌が選んだ日本人のための三大珍味なんですよ。
日本三大珍味
まずは日本三大珍味をご紹介します。
カラスミ
長崎県の名産として有名です。ボラなどの卵巣を塩漬け~塩抜きし乾燥させたもので、ねっとりと絡みつくような舌触りと、癖のある味が特徴です。味を例えるならば「チーズとウニを混ぜたような味」。
このわた
能登半島や伊勢湾が産地として有名です。ナマコの塩辛のことで、ナマコの腸を塩漬けし熟成させたもの。味はいかの塩辛に似ていて、より磯の風味を強くした味です。
ウニ
三大珍味のウニは生食のウニではなく、ウニの生殖巣に塩を混ぜ合わせてペースト状にした「塩雲丹(しおうに)」のことです。越前国(現 福井県東部)で加工された「越前雲丹」が有名です。
うるか
日本三大珍味は「からすみ」「このわた」、最後のひとつは「ウニ」ではなくて「うるか」だという説もあります。
うるかとは鮎の塩辛のことです。内臓やほぐした身をすり潰し、塩を加減しながら加えて保存したものです。使用する部位によって以下のように種類が分けられます。
鮎の内臓のみで作る苦うるか(渋うるか、土うるか)、
内臓にほぐした身を混ぜる身うるか(親うるか)、
内臓に細切りした身を混ぜる切りうるか、
卵巣(卵)のみを用いる子うるか(真子うるか)、
精巣(白子)のみを用いる白うるか(白子うるか)
産地として有名なのは、岐阜県、熊本県、島根県、大分県などです。
世界三大珍味
続いて、世界三大珍味をご紹介します。
キャビア
チョウザメの卵を塩漬けにしたもの。その作り方から、食べると「しょっぱい」と感じる方が多いみたいですね。キャビアだけを食べるというよりも、オードブルの名脇役として添えられることが多いようです。
ロシアやイラン産のキャビアが有名です。
フォアグラ
主な産地はフランスです。ガチョウやアヒルの肝臓のことで、わざと沢山の餌を与えて太らせ肝臓を肥大させて生産します。この方法から、フォアグラの生産販売を禁止している地域もあります。
口に入れるととろける触感で、味は牛レバーに似ているといわれますが臭みがないため、珍味の中でも食べやすいといえるでしょう。
トリュフ
キノコの一種。主な産地はフランスですが、イタリアやスペインでも採ることができます。通常思い浮かべるキノコとは形が全く違い「黒いダイヤ」とも呼ばれる高級食材です。味は薄味で旨味が分かりにくいといわれますが、トリュフの最大の魅力は香りです。濃厚なキノコの香り、新鮮な自然の香りなどと例えられます。
パスタやサラダの上に、生のまま削りかけて提供されることが多いです。
聞いたことあるレベルの日本の珍味
日本の珍味をご紹介いたします。まずは、聞いたことがあるレベルの珍味です。
北海道・東北の珍味
北海道から東北の珍味です。
鮭とば
北海道の名産物である秋鮭を、皮付きのまま縦に細く切り海水で洗って干したものです。とても固いので、少しずつ裂きほどいて食べます。また、炙ることで少し柔らかくなり美味しさが増します。
ホヤ
その形から、「海のパイナップル」といわれています。なんと、味覚の基本要素(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)が全て揃った味だといわれていて、一度はまるとヤミツキになるそうですよ。岩手県から宮城県の三陸沿岸で養殖が行われています。
とんぶり
見た目とプチプチとした触感から「畑のキャビア」といわれています。味は・・・無味。他の食材と一緒に食べることで食感を楽しみます。現在、生産~出荷をしているのは秋田県大館市のみといわれています。
関東の珍味
関東地方の珍味です。
くさや
「日本で一番くさい食べ物」といわれている伊豆諸島の特産品。「くさい」から「クサヤ」です。新鮮な開いた魚を「くさや液」と呼ばれる発酵液に1~2日浸してから天日干しして作ります。干物を濃厚にした味で、食べると美味しいんですよ。
あんきも
アンコウの肝臓です。まったりとクリーミーな食感で「海のフォアグラ」といわれています。フォアグラよりもさらに濃厚でとろりとしていますが、特徴的な味がないためポン酢などをかけて食べることが多いです。産地として特に有名なのは、茨城県です。
中部地方の珍味
中部地方の珍味です。
くちこ
ナマコの生殖巣で別名「このこ」といいます。塩辛にした生くちこ、乾物させた干しくちこがあります。干しくちこは、食べた瞬間から口の中で海の風味が広がり、甘ささえ感じるともいわれ、一言では言い表せないほどの繊細な味。生くちこでも癖がなくまろやかなので、塩辛が苦手な方でも食べやすいといわれています。能登半島周辺の高級珍味として有名です。
へしこ
青魚を塩漬けにしたあと糠漬けにしたもので、鯖のへしこは福井県の名産品です。塩漬けと糠漬けなので味はしょっぱいですが、ごはんが何杯でも食べられるほど美味しいといわれます。
イルカ
日本のいくつかの地域では明治時代からイルカの食文化が続いていますが、静岡県東部もそのひとつ。刺身、みりん干し、煮物、すき焼きなど様々な調理法で食べられますが、独特の臭みと硬さがあるためしっかりとした下処理が必要です。味は鯨肉に似ているともいわれ、コリコリとした食感が美味しいとのことです。
近畿地方の珍味
近畿地方の珍味です。
鮒ずし
滋賀県の郷土料理です。鮒のうろこと内臓を取り除き塩切りをし、ご飯を詰めて発酵させたものです。発酵熟成させているので香りも味も酸味が強く、それが苦手な方と好きな方とで二分されます。
中国地方の珍味
中部地方の珍味です。
ままかり
ニシン科の小魚で、岡山県の郷土料理です。隣の家にご飯(まんま)と借りに行くほど美味しいから「ままかり」と名付けられました。また、別名は「サッパ」ですが、さっぱりしているから「サッパ」です。塩焼きはもちろん、刺身や唐揚げなどでも美味しくいただけます。
四国地方の珍味
四国地方の珍味です。
酒盗(しゅとう)
高知県の郷土料理で、本来は鰹の内臓の塩辛ですが、最近では鮪、鮭、鯛など様々な魚を使って作られています。「酒が盗まれるようになくなっていく」または「酒を盗んででも飲みたくなる」ことから酒盗と名付けられました。とにかく酒のつまみとして絶品だということですね!
九州地方の珍味
九州地方の珍味です。
ワラスボ
有明海に生息するスズキ目ハゼ科の魚で「有明のエイリアン」なんて呼ばれるほど奇妙な見た目をしています。様々な調理法で食べられますが、刺身か干物にしたものが人気です。刺身はぷりぷりとした食感が美味しく、干物にして軽く炙るとエイヒレに近い風味になります。
沖縄地方の珍味
沖縄地方の珍味です。
とうふよう
沖縄料理には欠かせない珍味です。味はウニの風味に似ていて、食感はチーズのようなねっとり感。舌に絡みつくほどこってりとしているので、楊枝などを使ってちびちびと食べるのが美味しいといわれます。
ミミガー
豚の耳を茹でるか蒸して千切りにしたもの。もちろん毛は処理してありますのでご安心を。ミミガ―自体の味はそれほどありませんが、ポン酢や味噌などを付けて食べられることが多いです。コリコリした食感が癖になるようですよ。
知っていたら通レベルの珍味
ここからは、知っていたら通レベルの珍味です。さて、いくつ知っているでしょう!
北海道の珍味「ルッツ」
幻の海の幸といわれる無脊椎動物です。別名は「ユムシ」で釣り餌として販売されています。一般的に食べられることはほとんどありませんが、日本では石狩市浜益区で高級食材として食べられるそうですよ。刺身や煮物などに調理され、味は特になく、コリコリとした食感が美味しいといわれています。
気仙沼名物「モウカの星」
気仙沼でしか水揚げされない「もうかざめ(ネズミザメ)」の心臓で、気仙沼市の名産です。スライスして刺身で食べると、かつて日本でも一般食だった牛レバ刺しによく似ているとか。牛れば刺しの代わりに提供しているお店もあるとのことです。
長野伊那の「ざざむし」
トビケラ、カワゲラ、ヘビトンボなどの水生昆虫を食べるときの総称を「ざざむし」といいます。主に佃煮や揚げ物で食べられ、味は美味しいのですが見た目は虫。虫が嫌いな方は食べられないかもしれませんね。
石川「河豚の卵巣付け」
石川県の郷土料理です。河豚の卵巣には猛毒が含まれているためそのまま食べることはできません。卵巣を2年以上塩漬けおよび糠漬けすることで無毒化しているのです。世界で唯一猛毒の部位を食べる文化があり、日本全国でも石川県の一部地域のみで販売されています。味はカラスミに似ており、とびっこのようなプチプチとした食感が美味しいそうです。
隠岐(おき)の島の「アメフラシ」
島根半島からおよそ北方50kmにある島です。「アメフラシ」とは「ベコ」とも呼ばれる軟体動物で水辺の生き物です。歯ごたえは貝類(アワビやサザエ)に似ていて、噛むことでどんどん旨みが出てきます。
有明海「ワケノシンノス」
有明海沿岸で食べられている「ワケノシンノス」は「若者のケツの穴」という意味の方言で、イソギンチャクのことです。スタンダードな調理法は味噌汁と煮付け。こちらも味はほどんどなく、コリコリとした独特な食感を楽しむ食材です。
琉球王朝時代から続く「イラブー汁」
イラブ―汁とは「エラブウミヘビ」を使用した沖縄の伝統料理のことです。(イラブ―とはエラブウミヘビのこと)
燻製して保存していたイラブ―をもどし、出汁をとりながら豆腐や豚肉などと一緒に煮込んでいただきます。このスープに旨みが溶け出していてとても美味しいのだとか。
まとめ
日本三大珍味、世界三大珍味、そして日本全国の珍味をご紹介いたしました。どれもこれも高級で、なおかつお酒やご飯が進みそうなものばかりでしたね!身近で手に入らないものが多いので、旅行先で購入するのが楽しみの一つになりそうです。
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出典:Wikipedia(このわた) / kotobank.jp / Wikipedia(うるか) / Wikipedia(フォアグラ) / Wikipedia(セイヨウショウロ) / Wikipedia(鮭とば) / Wikipedia(くちこ) / Wikipedia(イルカ) / Wikipedia(ざざむし) / Wikipedia(河豚の卵巣の糠漬け) / Wikipedia(イラブ―汁)