透明な海の生き物「サルパ」はクラゲじゃなくてホヤの仲間!その謎生物を解説!

みなさんはサルパという生き物を知っているでしょうか。この奇妙奇天烈な生き物、実は日本近海でも見かけることができる生き物です。人によってはクラゲだと思っている人もいますが、実はその生態は謎に満ちた別の生き物!

そこでここではそんな海に住む未知の生物、サルパの正体についてご紹介します。

サルパとは?

サルパとは透明な身体を持つ謎の深海生物であり、海中を浮遊しながら移動する尾索動物の一種です。そのクリアなボディから、直感的にクラゲの仲間だと判断する人も多いと言われています。

生息域

サルパの生息域は赤道周辺や温帯、寒帯などで幅広い海に生息していることがわかっています。最も見られるのは南極海と言われているのですが、実は日本近海でも目撃例があります。

見られる海の深度は様々で、深海でも海面でもその姿が見られることがあります。深海では大量発生することが多く、海面では単体での目撃例が多いです。ただ、どちらでも大量発生することがあり、アメリカなどではニュースで取り上げられることもあります。

大量発生の際には糸状に伸びるコロニーとして発見されることもあるなど、まるで深海で生活する宇宙人のようにも見えるかもしれませんね。サルパはさながら宇宙船とでも言いましょうか。

生態

サルパは透明な身体ということ以外はあまり解明されていないことが多く、謎がまだまだ多い生物です。目も鼻も口もどこなのかわからないし、そもそもそういう器官が存在しているのかすら未知とのことで、学者たちの間でも謎生物として認識されています。

中枢神経系が発達していないため、脳も持たずにプランクトンだけを食べて生きているという不思議な生態を持ちます。プランクトンを食べた際、水を後ろに排出し、その推進力を使って移動するということは、多くの観察によって解明されています。

体長は2cm~5cmが一般的ですが、20cm前後になるオオサルパという種類もいるなど、まだまだ深海を探せば他のサルパが見つかるかもしれません。

クラゲじゃないよサルパだよ!

透明な身体からクラゲの一種やクラゲの卵の一種だと勘違い人もいるのですが、クラゲとは違う生き物だと言われています。共通点は透明なゼラチン質の身体と海中を漂っていることくらい。

ではどのような種族に属するのかというと、サルパはホヤの仲間に属すると言われています。ちなみにクラゲはイソギンチャクやサンゴの仲間で、刺胞動物に属しています。

透明で美しい

内臓のようなものだけが透けて見えるだけで、その他は透明なのがサルパの身体です。そのガラスのような美しさから、一種の人たちの間では水中の神秘と呼ばれることも。

大型のサルパの中にはタコやカニの他、小型魚類が入り込んでしまうことがあることでも知られ、その光景はまさに奇想天外。スケルトンでシースルーな状態だから丸見えということもあって、発見できればかなり幸運と言えるでしょうね。

漁師にとっては厄介者

一見すると宝石のように綺麗なサルパですが、漁師たちの間ではなかなか厄介な生物として知られています。

時折大量発生

サルパは時折大量発生し、アメリカの東海岸などでは定期的に大量発生することがあります。その度に大量のサルパが海面に現れ、地元のテレビや新聞で騒ぎとなるのです。

海岸にゼリー状の生き物が大量発生する度に、現地では大きなニュースになることもあり、一種の風物詩でもあります。ただ、漁師にとっては厄介そのもの。大量発生の原因は動物性プランクトンの大量発生に伴うもの。そのため、人間の力ではどうすることもできません。

底引き網の天敵

特に漁師にとって厄介なのが、底引き網漁の網に大量にかかってしまうことです。こうなってしまうと、なかなか取り出すこともできず、漁師の中には途方に暮れてしまうということも。

近年では大型の船を使って漁をすることが多くなりましたが、それでも伝統的な底引き網漁に影響が出ているというのは深刻な問題です。今後、どのように対策を練っていくかが焦点となるかもしれませんね。

日本で大量発生したことも

かつては日本海の広い地域で動物性プランクトンが大量発生し、その際にサルパも大量発生したことがあります。日本でもちょっとしたニュースになったので、知っている人もいるかもしれません。

ただ、まだまだ日本では知られていない生物ということもあり、目撃した人の中には驚く人も多いと思います。

海の状況は年々変わってきているため、日本でも毎年のように見られるようになるかもしれません。漁への影響も考えると、あまり喜ばしいこととは言えませんが、それでもこの珍妙な生き物が見られるというのは一種の名物になるかもしれません。

まとめ

サルパは海外では目撃例も多く、意外にも知られている生き物です。しかし、それでもその生態は未だに謎に満ちており、そもそもどういう生き物なのかというところは解明が進んでいません。

深海は宇宙よりも解明が進んでいないと言われているので、もしかしたら人間が想像もできないような世界が広がっているのかもしれませんね。サルパはその未知との遭遇を叶えてくれる水中の神秘でもあります。

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出典:Wikipedia(サルパ)

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