2019年11月9日に行われた天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」の様子を、テレビなどでご覧になった方も多いのではないでしょうか。
皇居前広場で開かれた「即位祝賀式典」では、人気アイドルグループ『嵐』がピアニスト・辻井伸行さんたちの演奏をバックに奉祝曲第三楽章「Journey to Harmony」を披露しました。
そして会場にいた方々も歌えるようにと楽譜が配られたのですが、その楽譜を見てピアニストのあきた(@firefoxist)さんはとても驚いたようです。
目次
♭(フラット)が1234…え、えぇ~!?
今回披露された奉祝曲は「Ray of Water」という、天皇陛下の長年の研究分野である「水」をテーマに全三楽章からなる組曲でした。作曲は「花は咲く」や「カウボーイビバップ」の音楽を手掛けた菅野よう子さんで、嵐の5人が歌ったのは第三楽章の「Journey to Harmony」です。
さて、上の写真が楽譜なのですが、何にあきたさんは驚いたというのでしょうか。そしてTwitterで話題になった投稿がこちらです。
天皇祝賀式典で嵐が歌う奉祝曲。
会場みんなで歌う用に楽譜が配られたらしいんだが
まさかの ♭ 6 つ 鬼 畜 仕 様w pic.twitter.com/vKfpthMrsg
— あきた (@firefoxist) 2019年11月9日
わわっ!♭(フラット)が12345…6つ付いている!!
Key=G♭ってことですか!?これは演奏する側は大変だ~。
楽器を演奏する人、特に弦楽器やピアニストなどにとって、「♭」などの調合が増えれば増えるほど演奏しづらいものです。
私も弦楽器を演奏しますが、♭6つの譜面を渡されたら、「アレンジャーさんに嫌われてるのかな?」と落ち込んでしまいそうです(笑)
ちなみになぜKey=F#(Key=G♭と同じ意味)で書かなかったのかは、あきたさんもこちらの投稿でおっしゃっていましたが、管楽器奏者は#(シャープ)よりも♭(フラット)の方が吹きやすいからだと思われます。
最終曲のJourney of Harmonyは、
Hr, Tb, Tuなど管楽器の序奏から始まりますが
半音下がってG♭ Majで演奏されます。
一般的に管楽器は♭がついた調が得意なため
あえてこうしているのだと思われます。
また、半音下げることで
— あきた (@firefoxist) 2019年11月10日
嵐の5人の音域に合わせて作られた!?
なんでそんな数のフラットがついたのか。それは恐らく嵐の5人の音域に合わせて作られたからだと思われます。
最終曲を半音下げることで
ヴォーカルへの音域的な配慮も同時におこなっている。
楽器の使い方1つとっても、
本当に凄い作曲家&すばらしい奉祝曲といえます!
日本に生まれてよかった!!!!!
— あきた (@firefoxist) 2019年11月10日
さすが菅野ようこさん!私も全て聴きましたが、大変素晴らしい曲でした。そして皇后さまが涙ぐんでおられた姿がとても印象的でしたね。
ちなみに投稿者のあきたさんが今回、この投稿をしたのにはもう一つ意味があったそうです。
皆さんがご指摘の通り、本来は移動ド唱といって、
調号がどんなに多くても
相対音感を使って簡単に歌えるハズなんです。
(リズムは普通に初見殺しだけどw)
— あきた (@firefoxist) 2019年11月10日
要は調号がどれだけたくさん付こうとも、「ド」の音程を変えてスケール(音階)ごと移動させる技術である「相対音感」を使えばいいということですね。
相対音感は練習で身につくものですが、日本ではまだまだその教育が進んでいないということで、「日本でもこの歌い方の教育が進みますように」という願いが込められた投稿だったようです。
最後にあきたさんが耳コピした「Ray of Water」のピアノ演奏をぜひ、お聴きください♪
嵐の奉祝曲「Ray of Water」
が完全にイイ曲だったので、耳コピで弾きました!
みなさんもピアノで弾けるように
楽譜を作ったので下のURLからどうぞhttps://t.co/7Fu5ayQ6Zp pic.twitter.com/axmK93d2RY
— あきた (@firefoxist) November 9, 2019
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
出典:Twitter(@firefoxist)