読めたらすごい!珍しい漢字表記をする難読な動植物!

kanji

普段から使っている日本語でも、漢字にすると難しくて読めない言葉があります。

特に海外から伝来した物や動植物の場合は、漢名や英名から変化して和名が当て込んで付けられることが多いため、より難読な表記になる傾向があります。

そこで今回は、漢字で書くと難しい動植物を、使われている漢字の由来と共にご紹介いたします。

難読な生き物の漢字表記

dobutu

・駱駝 
・孑孑 
・蝸牛 
・翻車魚 
・背黄青鸚哥

こちらの5つはいずれも知っている生き物の漢字表記なのですが、皆さんはいくつ読めるでしょうか?

ここからはそれぞれの読みと、その生き物の生態などを解説していきます。

駱駝(ラクダ)

rakuda

砂漠の頼れる力持ち「駱駝(ラクダ)」。

漢字の由来

「駱駝」の読みは「ラクダ」です。

かつて、ラクダの日本名は「たくだ」でした。「たく」は「小さな袋」という意味を持ち、ラクダが袋を背負う様子や背中のコブが袋のようだということから名付けられたのです。

後に中国名の「駱駝(ルオトゥオ)」が伝来し、日本の呼び方もそれに習うように「らくだ」へと訛っていきました。

中国で「駝」は家畜などに荷物を背負わせる意味を持っています。「駱」には「馬の毛色・黒いたてがみのある白馬」という意味があるため、「荷物を運ぶ馬のような動物」という意味から名付けられたのでしょう。

江戸時代1821年にラクダが来日し、それを記した書籍のタイトルが「たく駝考」ということから、当時はまだ「タクダ」と呼ばれていたことが分かります。

駱駝(ラクダ)の特徴と生態

哺乳類ウシ目ラクダ科ラクダ属の動物の総称です。ラクダは大きく分けてヒトコブラクダとフタコブラクダの二種類が存在し、どちらも体長2.5~3メートル、体重300~600kg、飼育下の寿命は20~40年ほどです。

ヒトコブラクダは主に、インドやイラン、アフリカ大陸、フタコブラクダはトルコやイラン、モンゴルに生息しています。中国やオーストラリアでも見ることがありますが、人の手によって持ち込まれたり逃げ出したりしたラクダが繁殖したものだと考えられます。

持久力や耐久力に優れたラクダは暑さにも強く、重い荷物を持って砂漠を横断するときには、これ以上ないほどの頼もしい味方になります。

ラクダの特徴であるコブ中は脂肪で、砂漠で生きるために必要な栄養を蓄えています。しかも、脂肪から水を作り出して体に水分補給することもできるのです。硬そうに見えるコブですが、触ると柔らかいそうですよ。

そしてラクダは、自分の体温を外気温に応じて調節することができ、32~42℃間で体温調節をしながら不必要に水分が失われないようにしています。

さらにラクダの目も砂漠に対応できるよう進化しており、なんと瞼が三重になっているのです。長く密集したまつ毛で覆われているうえ三重の瞼を持つ瞳は、粘液を分泌しながら乾燥と強い日差しから眼球を守っているのです。

このように、ラクダには砂漠という厳しい環境の中で生き延びるための身体能力が存分に備わっているのです。

孑孑(ボウフラ)

bofura

「子」にも似た、見慣れない漢字「孑」を重ねた「孑孑」は「ボウフラ」と読みます。

ボウフラは夏の季語ともいえる昆虫、蚊の幼虫です。

漢字の由来

子どもの「子」に似ていますが、違う字です。「孑」を一文字で読むと音読みは「ケツ(ゲツ)」訓読みは「ひとり」です。

「孑」の意味は、「ひとり、小さい、残る」などです。「孑孑(ケツケツ)」の意味は「孤立しているさま、ぬきん出たさま、小さいさま」という意味で、ボウフラの別名にもなります。なんとなく、ボウフラをイメージできる漢字ともいえますね。

「ボウフラ」という名前は、泳ぐときの様子が棒がフラフラと揺れているように見えるところから付けられました。かつては「棒ふり虫」と呼ばれていたこともあります。

孑孑(ボウフラ)の特徴と生態

ボウフラは流れの無い水の中に住む蚊の幼虫です。水中の細菌や生物の排泄物などを食べるため益虫ともいわれますが、1週間ほどすると成虫し蚊になるため、私たちにとってはありがたくない虫です。

体長は5~6mmほどで、丸みを帯びた細長い形をしています。呼吸器であるお尻を水面に出して呼吸し、棒を振るような格好で浮いたり沈んだりしながら上下に泳ぎます。

蝸牛(カタツムリ)

katatumuri

牛という字が入っていますし、牛の仲間の事かな?と思う人もいるかもしれませんが、「蝸牛」は全く牛とは結び付かない生き物、「カタツムリ」と読みます。

梅雨の季節といえば「蝸牛(カタツムリ)」。子どもの頃に遊んだ思い出がある方も多いのではないでしょうか。

漢字の由来

「カタツムリ」の名前は、「笠つぶり」もしくは「潟つぶり」が由来とされています。

「つぶり」とは巻貝のことで、笠つぶりは「笠を着た巻貝」という意味、潟つぶりは「潮が満ちると隠れ引くと現れる浅瀬の潟のように、殻から出たり入ったりする巻貝」という意味から付けられました。また、カタツムリは「デンデンムシ」や「マイマイ」とも呼ばれていますね。

デンデンムシの由来は、童謡「かたつむり」にもあるように「殻から出ろ出ろ」と子ども達がはやし立てたところから付けられたそうです。マイマイは学術用語で、由来はゆっくりと進むカタツムリに対して「舞え舞え」とはやし立てたところから付けられたという説があります。

漢字表記の「蝸牛」は中国語に由来する当て字です。「蝸牛」の語源は、カタツムリの殻が渦巻き型をしているので「咼」のある「虫」ということから「蝸」の漢字を、そしてカタツムリの頭には牛のような角が生えていることから「牛」の漢字を使い、二つを合わせて「蝸牛」です。そのまま読んで「かぎゅう」と呼ばれることもあります。

耳の奥の感覚器官に「蝸牛(かぎゅう)」がありますが、カタツムリに似た巻貝のような形をしていることから付けられた名称です。別名「うずまき管」とも呼ばれています。

ちなみにナメクジは「蛞蝓」と書きますが、こちらもやはり中国語の漢名で、貝殻を持たない陸生の貝のことを指します。

蝸牛(カタツムリ)の特徴と生態

カタツムリは陸に住む巻貝の仲間で、背には丸みのある渦巻き型の殻、頭には先に目がある触覚を持っています。常に湿った状態を維持しなくては生きられないため、体から粘液を分泌させヌルヌルしています。日本だけでも約800種類存在し、その総称をカタツムリといいます。

種類が多いので、大きさや寿命はまちまちですが、大きくなるほど寿命が長くなります。1㎝にも満たない小さなカタツムリの寿命は1年ほど、5㎝を超える大きなカタツムリの寿命は10年以上ということです。

カタツムリの珍しい特徴の一つは、性別がないことです。

一匹の体内に雄と雌両方の生殖器官を持っているため、一匹のみの飼育下でも産卵することがあるそうですよ。のんびり屋のカタツムリは移動範囲が狭く、性別が違う相手と出会うことが難しいため、雄雌同体になったといわれています。

翻車魚(マンボウ)

manbo

見慣れない漢字「翻」という字が使われているため、何と読むのか想像もつかないと思いますが、「翻車魚」は「マンボウ」と読みます。

そう、ゆったり泳ぐ海の癒し系の「翻車魚(マンボウ)」のことです。

漢字の由来

マンボウがなぜ、「翻車魚」という難読の字で表記するのか。それは中国語の表記である「翻車魚」に、和名の「まんぼう」を当てたことが由来です。ちなみに「まんぼう」という名前は、「満方」「円魚」を元に名付けられ、どちらにしても体が丸いことを例えた表現です。

中国語の「翻車(はんしゃ)」は、水をくみ上げる機械「水車」や「ひっくり返った車輪」という意味があります。「マンボウ」の丸い形が水車にも見え、体を横にして海面をプカプカと泳ぐ姿がひっくり返った車輪に似ていることから付けられたといわれています。

翻車魚(マンボウ)の特徴や生態

スズキ系フグ目マンボウ科マンボウ属の魚類で、世界中の熱帯温帯の海に生息しています。体長3m、体重2トンを超えるほど大きな円盤型の魚で、主にクラゲやプランクトンなどを食べて生きています。

水族館など飼育下での寿命は約10年、自然界での寿命は現在研究中で判明していないのですが、一説では20年以上、または100年近く生きるのではないかともいわれています。

飼育下のマンボウの寿命が短いということは、水槽内の環境が合わないなどのストレスになっているのかもしれません。

水深800mまで潜るマンボウは、たまに海面をプカプカ浮くように泳いでいることがあります。これは日光浴による殺菌目的、もしくは海鳥に寄生虫を取ってもらう目的だといわれています。

背黄青鸚哥(セキセイインコ)

sekiseinko

漢字を見たところ、背が黄色や青のなんらかの鳥のようというのが分かりますが、この鳥は何のことかわかるでしょうか?

「背黄青鸚哥」は、今も昔もペットとして人気が高い「セキセイインコ」のことです。

漢字の由来

初めて日本に伝来した「セキセイインコ」の背中は、黄色と青色の配色だったことから「背黄青」と名付けられたそうです。現在では青や黄色だけではなく、さまざまな色のセキセイインコがいますが、日本に最初に来た個体は青と黄色だったようです。

ちなみに「鸚哥」は中国語で、オウム目のうち「鸚鵡(おうむ)」よりも小型の鳥を総称した呼び方です。「哥」は「歌」を表す漢字のため、「歌が上手い鸚鵡(おうむ)」という意味が含んでいるのかもしれません。

背黄青鸚哥(セキセイインコ)の特徴

オーストラリア原産のセキセイインコが日本に伝来したのは、明治時代末期でした。中国やオランダとの交流が盛んになり、海外の文化を積極的に取り入れていた時代です。

オウム目インコ科セキセイインコ属に分類されるセキセイインコは、体長15~20㎝、体重30~40g、寿命は8~10年です。野性のセキセイインコは、乾燥地帯で水場がある開けた森林や草原に群れをつくって暮らしています。

約330種類いるインコ科に属する鳥の中でも特に人懐っこいセキセイインコは飼育しやすく、おしゃべりも上手なので愛嬌があり、ペットとして世界中で大変人気があります。

難読な植物の漢字表記

syokubutu

 ・仙人掌 
・酸漿 
・竜胆 
・糸瓜 
・和蘭芹

こちらの5つは植物の漢字表記なのですが、皆さんはいくつ読めるでしょうか?これらの読みとその植物について解説します。

仙人掌(サボテン)

saboten

仙人の手のひら(掌)と書く植物は、可愛らしい形が人気の観葉植物「サボテン」のことです。

漢字の由来

「仙人掌」の漢字は、ウチワサボテンの姿から作られました。

ウチワサボテンとは名前の通りうちわのような形の平べったいサボテンです。その形状が「仙人の掌(手のひら)」のようだと例えられ、後にサボテン全てに対する漢字が「仙人掌」になっていったのです。

「サボテン」の名前は、ポルトガル語を日本語に作り替えたことが由来しています。

江戸時代、ポルトガル人によって持ち込まれたサボテンは、船乗りたちの石鹸の役割も果たしていました。ポルトガル人の船乗りたちは、サボテンの切り口を衣服や床の汚れにこすりつけて石鹸の代わりとして使用していたのです。

ポルトガル語で「石鹸」は「savon(サボン)」といいます。「サボテン」の由来は、「石鹸(サボン)のようなもの」だから「石鹸体(さぼんてい)」となり「サボテン」へ変化した説と、「サボン」に「手」がついて「サボンテ」となり「サボテン」に変化した説があります。

今では「サボテン」と呼ばれることが一般的になりましたが、「シャボテン」でも間違えではありません。鮭のことを「しゃけ」というか「サケ」というかの違いだということです。

仙人掌(サボテン)の特徴

サボテン科の植物の総称を「サボテン」といいます。原産地は南北アメリカ大陸の乾燥地帯で、江戸時代にポルトガル人によって日本へ伝来しました。

暑い気候ではないと育たないイメージがありますが、種類によっては氷点下でも生存するサボテンも存在します。

サボテンの特徴といえば、トゲですね。実はサボテンのトゲは、乾燥した地域で生きて行くために進化した「葉」の部分なのです。葉の表面積を減らすことで、必要な分だけ効率よく水分を根っこまで補給することができます。

酸漿(ホオズキ)

hozuki

液体を意味する「漿(しょう)」という字を使ったこの難読文字は、赤くふっくらした実の姿が楽しみな「ホオズキ」のことです。

漢字の由来

ホオズキの名前の由来は諸説あります。中でも一番有力なのは、「ホオズキの赤くふっくらした実が人の頬に似ているから」という説。「目つき」や「顔つき」と同じ「つき」の使い方をし、「頬つき」と名付けられたそうです。

その他には、ホオズキの果実を口で膨らませて鳴らす遊びの様子から「頬突き」とした説。または果実が火のように赤いから「火火(ほほ)」に「染まる(つき)」とした説。もしくは、カメムシ類の虫「ホホ」が集まって付くからという説。

そして、ホオズキの方言「ふずき」から変化した説で、ホオズキの実が色づき始める七月の陰暦「文月(ふづき・ふみづき)」から「ほおずき」になった説などがあります。

漢字の「酸漿」は、ホオズキの漢方名です。古くからホオズキの根や果実、全草が生薬になると知られており、漢方として煎じ飲まれていたのです。「酸漿」と書いて「ぬかずき・あかかがち・さんしょう」などとも読まれてきました。

また、ホオズキを「鬼灯」とも書きますが、これは「赤い実が怪しい提灯のようだ」という意味で当てられた漢字です。

酸漿(ホオズキ)の特徴

ナス科の多年草で、成長すると60~100㎝ほどの高さになります。初夏に薄いクリーム色の花を咲かせた後、大きくなった「がく」が袋状に果実を包み、初秋になると赤く色づきふっくらとしたホオヅキとなります。

ホオズキはお盆の時期に、ご先祖様の道しるべとして提灯代わりに飾られることがあります。また地域によっては、魔除けの役割があるといわれており、玄関先に飾る方もいらっしゃいます。

竜胆(リンドウ)

rindo

竜胆は、「竜の肝」とおどろおどろしく書かれますが、秋を代表する青紫色の美しい花「リンドウ」のことです。

漢字の由来

中国語である「竜胆(ロンダン)」に由来し、平安時代の日本では「りむたう」「りんだう」などと呼ばれていましたが、徐々に変化し「りんどう」になりました。

「竜胆」という表記にはその根の利用法に由来があります。

リンドウの根は古くから漢方薬として利用されていました。しかし、その味は非常に苦く「竜の肝のように苦い」もしくは「最上級を表す字、竜を付けよう」ということから「竜胆」と名付けられたといわれています。

竜胆(リンドウ)の特徴

リンドウ科の多年草であるリンドウは、日本全国の野山に自生しています。

高さは20~40㎝ほどで、自然のリンドウは秋のお彼岸時期に濃い青や紫の花を咲かせます。品種改良により白やピンク色の花も咲かせ、中には春に開花する種類もあります。

リンドウは敬老の日に贈る花として喜ばれる花です。紫色の高貴な色も素敵ですが、リンドウの根には胃や腸の働きを活発にする効果があり、病気に勝つという意味の「勝利」が花言葉にあるからです。お年寄りを元気にする花として愛されています。

糸瓜(ヘチマ)

hetima

「糸瓜」は一見、結び付きませんが、タワシや化粧品などにも使用される夏野菜、「ヘチマ」のことです。

漢字の由来

江戸時代初期に中国経由で日本へ伝来した「へちま」は、果実の部分から繊維を取ることができるために中国語では「絲瓜(しか)」と名付けられていました。

当初の和名は「糸瓜」と書いて「いとうり」と呼んでいましたが、江戸っ子たちは徐々に「とうり」と呼ぶようになり、さらに捻りをきかせ「へちま」となりました。

「へちま」に変わった由来は、なんと「いろは歌」にあります。

いろは歌の一説「いろはにほへとちりぬるを」を見ると、「とうり」の「と」は「へ」と「ち」の間にありますね。「へ」と「ち」の間(ま)にあるから「へちま」と呼ばれるようになったのです。

ちなみに沖縄では「ナーベーラー」と呼ばれていますが、ヘチマの果実の繊維を使って鍋洗いをしていたことから名付けられたといわれています。

糸瓜(ヘチマ)の特徴

熱帯アジア原産のウリ科の一年草です。10mほど蔓を伸ばし8~9月に黄色い花を咲かせます。

30~60㎝の細長い実を付けるのは9~10月で、若い実は食用に、熟した実はたわしやスポンジとして使用されます。日本でも地域の食文化によってはヘチマを食べたことがない方がいらっしゃるかもしれませんね。

味にクセがないヘチマは、煮物や炒め物やサラダなど、さまざまな調理法で食べることができます。特に沖縄や九州南部では、一般家庭の食卓の定番メニューとして並べられます。

ヘチマについて詳しく書かれた記事がございます。ぜひ、こちらも併せてご覧ください。

和蘭芹(パセリ)

paseri

「和蘭芹」とは添え物だけではもったいない!栄養満点のハーブのことで、読みは「パセリ」です。

漢字の由来

「パセリ」は英語「parsley」を由来とした外来語です。

和名は「和蘭芹(おらんだせり)」で、江戸時代にオランダ人により伝来したセリ科の植物であることから名付けられました。徐々に「和蘭芹」にパセリを当てて読むようになりました。

和蘭芹(パセリ)の特徴

地中海地方が原産のパセリは、世界中で野菜として栽培されています。スーパーなどで1年中出回っていますが、旬は春から初夏にかけてで、6~7月に小さな緑や白色の花を無数に咲かせます。

鮮やかな緑色と華やかな形、そしてさっぱりとした香りが良く、肉や魚料理の付け合わせとして使用されますが、飾るだけでは勿体ないほどの栄養分が含まれているんですよ。

特にベータカロチンやビタミンCとEを多く含んでおり、免疫力アップと肌荒れ改善、生活習慣病を予防する効果があるといわれています。

まとめ

matome

珍しい漢字を用いたり、難読な読み方をする動植物をご紹介いたしました。

どうやら、見た目の姿がそのまま漢名や和名になることが多いようですね。珍しい動植物や物の名前を目にしたら、その由来を調べたり考えてみると、意外な時代背景が映し出されて面白いかもしれません。

関連キーワード

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事