読めたらすごい!珍しい漢字表記をする難読な植物の名前!

日常的に使われている言葉でも、漢字表記にした途端、道の存在になったかのように難しい漢字になる言葉があります。
特に海外からやってきた物や動植物に多いです。
漢名をそのまま使っていたり、英名に半ば無理やり当て字で漢字表記にしていたり・・・。
そんな場合は、特に難読になっていることがあります。

そこでここでは、読むのが難しい漢字表記となっている植物の名前を用いられるようになった由来と共に見ていきましょう。

難読な植物の漢字表記

 
 
・仙人掌 
・酸漿 
・竜胆 
・糸瓜 
・和蘭芹

こちらの5つは植物の漢字表記なのですが、皆さんはいくつ読めるでしょうか?
これらの読みとその植物がどのようなものなのかを見ていきましょう。

仙人掌

 
仙人の手のひら(掌)と書く植物は、可愛らしい形が人気の観葉植物「サボテン」のことです。

漢字の由来

「仙人掌」の漢字は、ウチワサボテンの姿から作られました。
ウチワサボテンとは名前の通りうちわのような形の平べったいサボテンです。

その形状が「仙人の掌(手のひら)」のようだと例えられ、後にサボテン全てに対する漢字が「仙人掌」になっていったのです。
「サボテン」の名前は、ポルトガル語を日本語に作り替えたことが由来しています。

江戸時代、ポルトガル人によって持ち込まれたサボテンは、船乗りたちの石鹸の役割も果たしていました。
ポルトガル人の船乗りたちは、サボテンの切り口を衣服や床の汚れにこすりつけて石鹸の代わりとして使用していたのです。

ポルトガル語で「石鹸」は「savon(サボン)」といいます。
「サボテン」の由来は、「石鹸(サボン)のようなもの」だから「石鹸体(さぼんてい)」となり「サボテン」へ変化した説と、「サボン」に「手」がついて「サボンテ」となり「サボテン」に変化した説があります。

今では「サボテン」と呼ばれることが一般的になりましたが、「シャボテン」でも間違えではありません。
鮭のことを「しゃけ」というか「サケ」というかの違いと同じといえます。

仙人掌(サボテン)の特徴

「サボテン」は、サボテン科の植物の総称です。
原産地は南北アメリカ大陸の乾燥地帯で、江戸時代にポルトガル人によって日本へ伝来しました。

暑い気候ではないと育たないイメージがありますが、種類によっては氷点下でも生存するサボテンも存在します。

そして、サボテンの代表的な特徴といえばトゲにあります。
実はサボテンのトゲは、乾燥した地域で生きて行くために進化した「葉」の部分なのです。
葉の表面積を減らすことで、必要な分だけ効率よく水分を根っこまで補給することができます。

酸漿

hozuki

 
液体を意味する「漿(しょう)」という字を使ったこの難読文字は、赤くふっくらした実の姿が楽しみな「ホオズキ」のことです。

漢字の由来

ホオズキの名前の由来は諸説あります。
中でも一番有力なのは、「ホオズキの赤くふっくらした実が人の頬に似ているから」という説。
「目つき」や「顔つき」と同じ「つき」の使い方をし、「頬つき」と名付けられたそうです。

その他には、ホオズキの果実を口で膨らませて鳴らす遊びの様子から「頬突き」とした説。
または果実が火のように赤いから「火火(ほほ)」に「染まる(つき)」とした説。もしくは、カメムシ類の虫「ホホ」が集まって付くからという説。
そして、ホオズキの方言「ふずき」から変化した説で、ホオズキの実が色づき始める七月の陰暦「文月(ふづき・ふみづき)」から「ほおずき」になった説などがあります。

漢字の「酸漿」は、ホオズキの漢方名です。
古くからホオズキの根や果実、全草が生薬になると知られており、漢方として煎じ飲まれていたのです。
「酸漿」と書いて「ぬかずき・あかかがち・さんしょう」などとも読まれてきました。

また、ホオズキを「鬼灯」とも書きますが、これは「赤い実が怪しい提灯のようだ」という意味で当てられた漢字です。

酸漿(ホオズキ)の特徴

ナス科の多年草で、成長すると60~100㎝ほどの高さになります。
初夏に薄いクリーム色の花を咲かせた後、大きくなった「がく」が袋状に果実を包み、初秋になると赤く色づきふっくらとしたホオヅキとなります。

ホオズキはお盆の時期に、ご先祖様の道しるべとして提灯代わりに飾られることがあります。
また、魔除けの役割があると玄関先に飾る地域にもあります。

竜胆

rindo

 
「竜の肝」とおどろおどろしい表記ですが、竜胆とは秋を代表する青紫色の美しい花「リンドウ」のことです。

漢字の由来

中国語である「竜胆(ロンダン)」に由来し、平安時代の日本では「りむたう」「りんだう」などと呼ばれていましたが、徐々に変化し「りんどう」になりました。
「竜胆」という表記には、その根の利用法に由来があります。

リンドウの根は古くから漢方薬として利用されていました。
しかし、その味は非常に苦いことから「竜の肝のように苦い」もしくは「最上級を表す字、竜を付けよう」ということで「竜胆」と名付けられたといわれています。

竜胆(リンドウ)の特徴

リンドウ科の多年草であるリンドウは、日本全国の野山に自生しています。
高さは20~40㎝ほどで、自然のリンドウは秋のお彼岸時期に濃い青や紫の花を咲かせます。
品種改良により白やピンク色の花も咲かせ、中には春に開花する種類もあります。

リンドウは、その開花時期もあって敬老の日に贈る花として喜ばれる花です。
紫色の高貴な色も素敵ですが、リンドウの根には胃や腸の働きを活発にする効果があり、病気に勝つという意味の「勝利」が花言葉にあるからです。
お年寄りを元気にする花として愛されています。

糸瓜

hetima

「糸瓜」は一見、結び付きませんが、タワシや化粧品などにも使用される夏野菜、「ヘチマ」のことです。

漢字の由来

江戸時代初期に中国経由で日本へ伝来した「へちま」は、果実の部分から繊維を取ることができるために中国語では「絲瓜(しか)」と名付けられていました。
当初の和名は「糸瓜」と書いて「いとうり」と呼んでいましたが、江戸っ子たちは徐々に「とうり」と呼ぶようになり、さらに捻りをきかせ「へちま」となりました。

「へちま」に変わった由来は、なんと「いろは歌」にあります。
いろは歌の一説「いろはにほへとちりぬるを」を見ると、「とうり」の「と」は「へ」と「ち」の間にありますね。
「へ」と「ち」の間(ま)にあるから「へちま」と呼ばれるようになったのです。

ちなみに沖縄では「ナーベーラー」と呼ばれていますが、これはヘチマの果実の繊維を使って鍋洗いをしていたことから名付けられたといわれています。

糸瓜(ヘチマ)の特徴

熱帯アジア原産のウリ科の一年草です。
10mほど蔓を伸ばし8~9月に黄色い花を咲かせます。

30~60㎝の細長い実を付けるのは9~10月で、若い実は食用に、熟した実はたわしやスポンジとして使用されます。
日本でも地域の食文化によってはヘチマを食べたことがない方がいらっしゃるかもしれませんね。

味にクセがないヘチマは、煮物や炒め物やサラダなど、さまざまな調理法で食べることができます。
特に沖縄や九州南部では、一般家庭の食卓の定番メニューとして並べられます。

ヘチマについて詳しく書かれた記事がございます。ぜひ、こちらも併せてご覧ください。

和蘭芹

paseri

 
「和蘭芹」とは添え物だけではもったいない!
栄養満点のハーブのことで、読みは「パセリ」です。

漢字の由来

「パセリ」は、英名の「parsley」を由来とした外来語です。
和名は「和蘭芹(おらんだせり)」ですが、これは江戸時代にオランダ人により伝えられたセリ科の植物であることから名付けられました。
徐々に「和蘭芹」にパセリを当てて読むようになりました。

和蘭芹(パセリ)の特徴

地中海地方が原産のパセリは、世界中で野菜として栽培されています。
スーパーなどで1年中出回っていますが、旬は春から初夏にかけてで、6~7月に小さな緑や白色の花を無数に咲かせます。

鮮やかな緑色と華やかな形、そしてさっぱりとした香りが良く、肉や魚料理の付け合わせとして使用されますが、飾るだけでは勿体ないほどの栄養分が含まれているんですよ。
特にベータカロチンやビタミンCとEを多く含んでおり、免疫力アップと肌荒れ改善、生活習慣病を予防する効果があるといわれています。

まとめ

今回ご紹介した、難読な漢字表記をする植物。
その漢字表記の由来には、漢名がそのまま導入されたものや、当て字だったり、もともと違う和名があったものを英名に合わせたものだったりといろいろな事情がありました。
難読になっている理由というのは、一律の理由ではなく様々な経緯をたどっているからなんですね。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事