
レッサーパンダは動物園の人気者として知られていますが、みなさんはこの名前を漢字で書けますか?
実はレッサーパンダという字を漢字で書くこともできます。しかも、その漢字表記に関してはジャイアントパンダとの深い関係もあったりします。結論を先に言ってしまうと、どちらも熊猫と漢字で書くんですよね。
そこで、ここではレッサーパンダとパンダを表現する漢字についてご紹介します。また、それぞれの違いについてもご紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
レッサーパンダ
レッサーパンダは哺乳網食肉目レッサーパンダ科レッサーパンダ属に分類される動物です。形態の比較としてはクマ科に近縁であり、アライグマ科やイタチ科にも近縁だと考えられていますね。
ここからは、まずそんなレッサーパンダの生態や特徴についてご紹介します。
生態
レッサーパンダは主に中国やインド、ネパール、ブータン、ミャンマーなどアジア地域の森林や竹林に生息している動物です。ラオスでも確認されたと言われているのですが、信憑性は低いとのことです。比較的標高の高い場所を好み、温帯や亜熱帯や熱帯にも生息しています。
夜行性もしくは薄明薄暮性で日中は休み、夜中に行動することが多く、主に縄張りを形成して生活する動物です。実際に自分の匂いを残すことで他の動物から身を守ることでも知られています。
食事はタケやタケノコを食べるものの、他にも笹を食べたり、果物を食べたりすることもあるそうですね。さらには動物の卵や死骸など、様々なものを食べることもあるのだとか。
そして野生のレッサーパンダの寿命は主に8年~10年で、飼育下においては20年以上生きた個体もいるそうです。なお、以前までは中国各省に点在していたのですが、絶滅してしまった地域も少なくありません。現在では絶滅危惧種に指定されています。
特徴
体長は50cm~60cmと小型であり、体重も3kg~6kgほどしかありません。パンダとは言われるものの、私たちが想像するパンダとはかなり違った印象があると思います。あれは実はジャイアントパンダの方で、厳密にレッサーパンダとは違う種類の生き物です。
レッサーパンダは全身を包む長くて柔らかい毛が赤いことから、英語ではレッドパンダと呼ばれることもあります。文字通り全身が茶色いのが特徴で、尻尾がとても長いです。
「熊猫」繋がりのパンダとの関係
主にパンダという言葉が指すのはジャイアントパンダの方であって、レッサーパンダではありません。ちなみにジャイアントパンダは120cm~150cmほどの大型で、体重も80kg~150kgほどあります。
このことからジャイアントパンダと呼ばれているのですが、厳密には熊の仲間だと言われています。体毛は主に白と黒で、分厚い脂肪と筋肉に覆われており、こちらも絶滅の危機に瀕している動物です。
では、レッサーパンダとジャイアントパンダは漢字でどう表現するのかというと、どちらも『熊猫』という漢字を用います。ただ、レッサーパンダは小熊猫、ジャイアントパンダは大熊猫と書いて区別するのが普通です。
実はパンダの先輩はレッサーパンダ
初めてのパンダは西洋人によってネパールで発見されました。パンダという名前はネパール語で「竹を食べるもの」を意味するパンヤや「手のひら」を意味するパンジャからつけられたと言われています。
当時ジャイアントパンダは発見されておらず、その時にはそのままレッサーパンダをパンダと呼んでいました。
その猫のような身体に熊のような顔を持つ特徴から、パンダを総じて「熊猫」と漢字表記するようになったそうです。しかし、その後にジャイアントパンダが発見され、パンダという言葉は主にジャイアントパンダを指すようになりました。
その結果、分類上は違う生き物なのですが、同じパンダということもあってどちらも熊猫という漢字を使うようになったわけです。
ジャイアントパンダの方が有名に
元来はレッサーパンダをパンダと呼んでいましたが、ジャイアントパンダがパンダとして有名になってしまったため、呼び方を区別するようになりました。
ジャイアントパンダは大きいパンダだから『大熊猫』、レッサーパンダは小さいパンダだから『小熊猫』です。一見すると単純な違いですが、生き物としては別の分類なので注意が必要ですね。
もともとレッサーパンダ自体をパンダとしていましたが、それだとジャイアントパンダと区別がつかないため、「小さい」という意味のレッサーをつけてレッサーパンダと呼ぶようになったと言われています。
同種だと思われていた
今はジャイアントパンダがクマ科で、レッサーパンダがレッサーパンダ科に分類されていますが、かつては笹を食べる食肉目ということでどちらも同じ種類だろうと思われていました。
しかし実際には別の動物だということがわかり、それ以降は現在のように区別されるようになったそうです。
名前の由来
そもそもパンダという言葉自体はなぜ使われるようになったのでしょうか?
すでにネパールで発見された当時の話を紹介しているのでおさらいになってしまうのですが、ここからはその理由についてご紹介します。
笹を食べる者という意味が転化
もともとレッサーパンダはネパールのヒマラヤ山脈付近で発見され、当時発見した西洋人が現地人に名前を聞いたところ「笹を食べるもの」という意味のパンヤと答えたのだとか。もしくは「手のひら」という意味のパンジャとも言ったそうです。
情報源によってはポンヤだとする説もあるなど、説は多種多様ですが、どちらにしてもそれらの言葉がパンダの語源だと言われています。
まとめ
パンダといえば可愛らしい白黒のふわふわしたジャイアントパンダを思い浮かべますよね。しかし、実際に発見が早かったのはレッサーパンダの方です。その際に使わるようになった熊猫という漢字は、現在どちらのパンダにも使われています。パンダ好きであれば、この雑学はぜひ覚えておきましょう!