
地球上の生物で一番恐ろしい生き物とは何でしょうか?
生きている人間が何よりも恐ろしい・・・なんてことはよく言われますが、そんな人間を一瞬で死に至らしめる猛毒を持つカエルがいます。
そのカエルの名はモウドクフキヤガエル。
なんと1匹いれば10人の人間を殺せてしまうほどの猛毒を持っているといわれています。
ここでは、そんな世界一危険なカエル「モウドクフキヤガエル」をご紹介します。
目次
モウドクフキヤガエルとは

モウドクフキヤガエルは、黄色い体を持つカエルの一種で、見た目はつるっと愛らしいフォルムをしています。
目もクリっととしていて、まるでアニメのキャラクターのようです。
しかし、世にも怖ろしい生き物でもあるのです。
生息場所
モウドクフキヤガエルは南アメリカ大陸のコロンビアなどに生息しています。
熱帯雨林を好み、湿度が高くて雨量の多い地域に分布しています。
日本ではまず見かけることもないと思いますが、実はペットとして人気もあるのだとか。
わざわざ南米に行かなくても、専門のペットショップに行けば見ることができることもあるかもしれません。
生態
モウドクフキヤガエルの体長は3cm~6cmほどで、その寿命は10年ほどとされています。
肉食性で小型の昆虫を捕食して生きています。
捕食するのはアリやハエやクモなど小さな生き物であり、中型や大型の昆虫を狙うということはほとんどないようです。
そして、その小型の昆虫から猛毒を抽出し、自分の何十倍、何百倍も大きな生き物を死に至らしめることができます。
その毒性の強さから世界最強の猛毒ガエルとして知られています。
名前の由来はそのまま「猛毒吹き矢」に由来します。
かつて原住民がこのカエルの毒を吹き矢に塗って使っていたことから来ているとされています。
モウドクフキヤガエルが持つ生物中最強クラスの猛毒

モウドクフキヤガエルが持つ毒は、生物の中で最強クラスとされています。
ここからは、いかにこの愛くるしいモウドクフキヤガエルが恐ろしい存在なのか、ということを見ていきましょう。
生物中最強クラスの毒:バトラコトキシン
モウドクフキヤガエルが持つ毒は、世界最強の毒ともいわれるパリトキシンに次ぐ強力なものです。
その猛毒はバトラコトキシンと呼ばれ、どのような生き物でも簡単に死に至らしめるといいます。
他の毒ガエルたちは危機的状況になって初めて毒を分泌する個体が多いのですが、モウドクフキヤガエルは常に背中に毒を纏っています。
バトラコトキシンは長時間触れているだけで死ぬとも言われるほどの猛毒で、0.01gというごく微量で人間を殺せるくらいの危険さがあります。
モウドクフキヤガエル1体分だと、人間10人分の致死量に匹敵するほど。
生物の体内にこの毒が入ると、筋肉や神経の麻痺を引き起こすだけではなく、呼吸困難なども引き起こします。
苦しんだ上に最終的には死に至るため、見かけても絶対に触ってはいけません。
猛毒の作られ方
モウドクフキヤガエルは、自分で毒を生成することが実はできません。
捕食するアリやハエやクモなどが有す毒を自分の身体に取り込んでいるのです。
そのため、現地の昆虫を食べない限り毒は生成されません。
餌の管理さえ徹底すれば、無毒のモウドクフキヤガエルを飼育することも可能と言われています。
非常に危険な毒を持っているこのモウドクフキヤガエルですが、毒を飛ばしたりすることはないですし、刺したり噛みついたりもしません。
もともとは大人しい子なんです!
可愛い黄色の体は警告色
体が黄色で一見すると、とてもかわいいモウドクフキヤガエルですが、これは警告色となっています。
毒キノコが派手な色をしているのと同じように、モウドクフキヤガエルも「僕は危険だから食べない方がいいよ」と警告しているのです。
食べられると自分自身が死んでしまうし、食べた相手も死んでしまいます。それでは双方にとって損しかありません。
そんな無駄な状況を避けるために、あえて警告色になることで身の危険を教えてくれているわけです。
モウドクフキヤガエルにもいる天敵
モウドクフキヤガエルは誰も食べることができず、自然界でもまずこのカエルを狙う生き物はほとんどいません。
しかし、例外としてノハラツヤヘビだけは毒の耐性を持っているため、捕食できます。
わざわざモウドクフキヤガエルを選んで食べるということはしませんが、食べてしまっても毒の耐性によって死に至ることはありません。
まとめ
世界に多くの種がいるカエルですが、南米に生息するモウドクフキヤガエルは世界一の猛毒ガエルと恐れられています。
全身鮮やかな黄色をしたその姿は実にかわいらしいのですが、その黄色は警告色という、自分は恐ろしい毒を持っているんだぞ!と周囲の肉食動物へのアピールとなっています。
「かわいい!」なんて思って触れたら最後、それだけでも命を落としてしまう危険な毒があるのです。