やきとりなのに豚肉!?室蘭やきとりなど鶏以外の肉でも「やきとり」と呼ぶのはなぜ? | FUNDO やきとりなのに豚肉!?室蘭やきとりなど鶏以外の肉でも「やきとり」と呼ぶのはなぜ? – FUNDO

やきとりなのに豚肉!?室蘭やきとりなど鶏以外の肉でも「やきとり」と呼ぶのはなぜ?

2020.7.8


みなさんは「やきとり」と聞いて、どのようなものを思い浮かべますか?

ほとんどの人は鶏肉を串焼きにしたものを想像するかと思います。しかし実は、鶏肉以外の肉でも「やきとり」と呼ぶことがあります。

そこで今回は、「やきとり」についてご紹介します。

「やきとり」は焼き鳥?


「やきとり」と呼ばれるものは、文字通り「焼き鳥」を意味します。

ただ、すべてが鶏肉なのかと言えばそうではなく、豚肉や牛肉や馬肉でも「やきとり」と呼ぶことがあります。

まずは、「やきとり」の歴史と一緒にそれぞれの違いをまとめてみました!

「焼き鳥」の始まり


「焼き鳥」といえば現代では鶏肉が定番ですが、西暦646年の天武天皇時代には家畜の食用が禁止・忌避されがちだったこともあり、鶏などはあまり食べられていませんでした。

特に鶏は時刻を告げるための鳥として飼育されており、食べることは遠慮するように促されていたそうです。西暦741年時点でも家畜の保護を強制されていたとの歴史があります。

ただ、狩猟などで捕まえた動物を食べていたこともあり、実は野鳥などは普通に食べていたといわれています。

そして時代が進み、江戸時代になってようやく現代と同じような形の「焼き鳥」が生まれたそうです。

当時はキジ、ハト、スズメ、ウズラの肉を使っていたものが多かったのだとか。

さらに明治時代になる頃には焼き鳥の屋台も登場し、鶏肉を使ったものが提供されることも増えていったそうです。

「やきとり」と「焼き鳥」


鶏肉を使うものを古くから「焼き鳥」と呼ばれ、それ以外は「やきとり」というような説があります。しかし、これに関しては明確な根拠がありません。

認識としては下記のように考える人が多いですが、これも厳密に決められているということではないので、あくまでも認識によって変わってきます。

・やきとり:鶏肉・豚肉・牛肉・馬肉などを串焼きにしたもの
・焼き鳥:鶏肉に塩コショウやタレをつけて串焼きにしたもの

ニュアンスとしては鶏肉のみであれば「焼き鳥」で、その他の肉であれば「やきとり」と表記するのが分かりやすいですね。



三大やきとり


日本には「三大やきとり」と呼ばれるものが方々で語られていますが、その中の2つが豚肉です。

つまり、必ずしも「やきとり」だから鶏肉を使うとは限らないわけです。

室蘭やきとり(北海道室蘭市)


室蘭やきとりは、豚肉とタマネギに甘ダレで味付けしたものとなっています。そこに洋からしをつけるものが一般的です。

洋からしとはマスタードのことで、ホワイトマスタードやブラウンマスタード、ブラックマスタードなどがあります。

肉の旨味とタマネギの甘味、洋からしの辛味が絶妙にマッチした名物です。

北海道でも鶏肉を使ったものを主に「焼き鳥」と呼びますが、道南などでは「やきとり=豚串」が定番となっています。

有名な函館の「やきとり弁当」も豚肉なので、鶏肉を使ったものをそう呼ぶとは限らないわけです。

東松山カシラ串(埼玉県東松山市)


東松山のやきとりは、豚肉のカシラ肉に味噌ダレで味付けしたものとなっています。

カシラとは顔部分の肉のことです。つまり、この地域の「やきとり」は鶏もも肉でもむね肉でもない、豚の顔肉を使っているのです。

弾力のある肉が噛むほどに深い味わいへと変わり、気付けば病みつきになっていると言われるほどの名物になっています。

今治やきとり(愛媛県今治市)


今治やきとりは、鶏肉を鉄板で焼いたものです。

炭火で焼くものが一般的ですが、この地域では鉄板で焼いたものをそう呼ぶそうです。

そもそもこれだと鉄板焼きとなるので、またジャンルの違った話となるかもしれませんね。

鶏肉以外でも「やきとり」という理由


そもそもなぜ鶏肉以外でも「やきとり」と呼ぶようになったのでしょうか?

これには諸説あるのですが、その中でも有名なものだけをご紹介します。

もともとのやきとりは小鳥の丸焼き


もともと「焼き鳥」は文字通り、焼いた鳥のことであり、鶏肉を使った料理というわけではありませんでした。

スズメやハト、ヒバリなどの小鳥をそのまま串に刺し焼いた、小鳥の丸焼きが起源となっています。

そのことから、串に刺して肉を焼く料理を「やきとり」と表現するようになったという説です。

食肉禁止文化が強かった昔の日本では、家畜である鶏は基本的に食べるものではなかったとされています。

それこそ時刻を告げるという役割の方が強かった時代もあるくらいですからね。

偽装説


先に説明したように、家畜を食べることがよく思われなかった時代でも焼き鳥自体は存在し、牛や馬や豚などの家畜を「やきとり」と呼んで食べることで、家畜を食べる罪悪感を軽減したという説もあります。

人の代わりに仕事をする家畜を大切にしようという考え方から、家畜を食べるのはどうにも痛ましいですよね。

ただ、当時の人々は「やきとり」と呼んで少しでもその罪悪感を消したかったのかもしれません。

焼き取る説


単純に焼いたものを串で取るということから、「やきとり」と呼んだという説もあります。

これなら鶏肉だけではなく、豚肉や牛肉や馬肉でも「やきとり」と呼んで問題ありませんね。

やきとり豆知識


普段食べている「やきとり」には、様々な豆知識もあります。ここからは、”ウンチク”として知っておきたい豆知識をご紹介します。

ねぎまは、もともとマグロ


「ねぎま」といえば、鶏肉とネギが交互に串に刺さったものを想像しますよね。実は「ねぎま」という料理は昔から存在しており、元々はマグロを使った料理でした。

マグロとネギを一緒に煮込んだ鍋料理のことを指し、「葱鮪鍋(ねぎまなべ)」と呼ばれていました。

字を見て分かる通り、「ねぎま」の「ま」は、マグロのことを指していたといわれています。

マグロの赤身は漬けマグロなどにされて美味しく食べられていましたが、トロは脂が多くて調味料が弾かれてしまうことから捨てがちだったそうです。

しかし、それはもったいないということもあり、どうにかして美味しく食べようとしてネギと一緒に煮込むという発想に至ったと考えられています。

その煮込みの際、マグロとネギを串刺しにして煮込んでいたようです。

そしてマグロとネギを串刺しにしたものを「ねぎま」と呼び、焼き鳥のねぎまも同じスタイルだったことから、同じ呼び方がされたようです。

焼き鳥は冬の季語


屋台で暖簾に首を突っ込み、お酒と焼き鳥を楽しむ光景などから、「焼き鳥」は冬の季語として使われています。俳句や短歌の世界では「焼き鳥=冬の季語」なのです。

「七大やきとり」というのもある


「日本三大やきとり」は有名ですが、実は「日本七大やきとり」も存在します。

これも厳密に決まりがあるわけではないですが、やきとりが名物の地として有名な地域となっています。

その地域とは室蘭と東松山と今治に、久留米、長門、美唄、福島の4つの地域が加えられたものです。

まとめ


居酒屋などで定番の「焼き鳥」といえば、鶏肉のものを想像する人が多いですね。しかし実は、他の肉を使っている「やきとり」もあります。

それぞれの地域によって表記の仕方が違うのはもちろん、使っている肉も全く違います。

厳密な決まりがあるわけではないですが、その違いについては知っておくと良いかもしれませんね。
この記事を気に入ったらいいね!しよう
      
 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加