「コロンブスの卵」はどのような経緯から生まれた言葉なの?冒険家のコロンブスとの関係は?

一見すると誰にでもできそうなことであっても、最初にそれをやるのは難しいということを指す「コロンブスの卵」。
この言葉はもともと冒険家コロンブスに関係する言葉です。

しかし、そこにはどのような関係があるのでしょうか?
その背景には、大陸発見の祝賀会で皮肉を言われたコロンブスが逆に言い返した言葉が由来となっているとされています。
そこでここでは、「コロンブスの卵」という言葉の意味と由来について見ていきましょう。

「コロンブスの卵」の意味と使われる場面

 

まずは、「コロンブスの卵」という言葉の意味と使われる場面についてご紹介します。

「コロンブスの卵」の意味

「コロンブスの卵」とは、誰でもできそうなことでも、それを最初に行うことは難しいという例えです。
一見すると簡単そうに見えることであっても、それを最初に考えたりすることは至難の業であることを表現する言葉となっています。

そこから転じて、人が気づかない点や、いわゆる盲点という意味など多種多様の使われ方されています。

「コロンブスの卵」が使われる場面

「コロンブスの卵」は、主に独創性について議論する際に引用される言葉です。
誰もが気付きそうで気付かなかったことなど、ちょっとした発見や発想に対して用いられる言葉です。

簡単な計算問題などであっても、すでに出ている公式などを用いて計算するのではなく、他の人が思いつかないような方法で計算した際などに「コロンブスの卵」という言葉が使われます。

「コロンブスの卵」の逸話

 

では、「コロンブスの卵」という言葉はいかにして生まれたのでしょうか。

そこにはある逸話があったとされており、ます。

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世界の海を冒険していた探検家のコロンブスは、長旅の末にようやくアメリカ大陸を発見して母国に帰りました。
彼の偉業には後ろ盾だったスペイン人たちも大変喜びました。

しかし、その一方で、大陸発見の祝賀会に参加した1人の貴族が「海を西へ西へと航海して陸地を発見しただけのことがそれほどの手柄なのか」と皮肉りました。

それに対してコロンブスは反論もせず、「この卵を卓上に立ててみてもらえませんか」と、周囲の人々も巻き込んで卓上に卵を立てるように提案しました。
しかし、結局は1人として卵を立たせることはできません。

そんな中、コロンブスは卵の尻を潰して立てて見せてこう言い放ったのです。
「人がやったことの後では造作もないことです」

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この逸話から、誰もができそうなことでも最初にやることはとても難しいということを指して「コロンブスの卵」と表現するようになったとされています。

「コロンブスの卵」に関する豆知識

 

探検家コロンブスに起源があるとされる「コロンブスの卵」には、意外ともいえる豆知識があるので、そちらもご紹介します。

コロンブスの逸話ではない?

コロンブスの逸話によって生まれたとされる「コロンブスの卵」、実はこれは違う人物の逸話なのでは?ともいわれます。
また、この逸話はイタリアのベンゾーニという人物がコロンブスの偉業を脚色するために書いた作り話という説もあります。

コロンブスと同時代に活躍したイタリアの建築家、フィリッポ・ブルネレスキという人物が本来の逸話の持ち主なんだとか。

彼はある教会を建設する際、図面も模型も見せずに「私に任せてください」と提案したが、他の建築家たちがそれに猛反発しました。
そこで彼は「大理石の上に卵を立てた人に任せてはどうか」と提案したのです。

結局、全員立てられなかったのですが、ブルネレスキは卵の底を潰して立ててみせました。
当然批判はされたものの「最初にやるのは難しい」「もし図面や模型を見せていたらあなたたちは真似をしたでしょ」とブルネレスキは言い返したそうです。

「コロンブスの卵」は戦前の教科書に載っていた!

「コロンブスの卵」という言葉が日本で紹介されたのは実はとても早かったとされています。
戦前の1921年に発行された「尋常小学国語読本」という教科書にすでに掲載されていたとされています。
そこには「コロンブスの卵」という言葉とともに由来となった卵の逸話も掲載されていたのだとか。

そんな前から日本の教科書でも教えられるほど、知られた言葉だったのです。

まとめ

「コロンブスの卵」は、誰もができそうなことを最初にやるのは難しいということを例えた言葉です。
冒険家コロンブスが、祝賀会の中で卵を卓上に立てたという逸話から生まれた言葉とされています。

しかし、同様の逸話が建築家ブルネレスキの逸話としてもあるので、作り話とされることもあります。

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