破天荒は、もともと豪快や大胆という意味ではなかった?!本来の意味や語源を解説!

破天荒という言葉は、豪快や大胆という意味で用いられます。
ところが、もともとはそのような意味は含まれていなかったのだとか。
本来は「誰も成し得なかったことをする」という意味で使われていた言葉だったのです。

そこでここでは、「破天荒」という言葉について解説します。
破天荒は過去と現在で意味が異なるのですが、どちらも間違いとは言えません。
また、類義語についても見ていきましょう!

破天荒とは

まずは破天荒という言葉の意味や語源、由来について解説していきます。

破天荒の意味

破天荒とは、先人たちが成し得なかったことを初めて行う事、達成することを意味します。
前例がない偉業を達成した際に用いるのが、本来の意味です。

由来は中国の故事から

破天荒という言葉は中国の故事から来ています。
唐の時代、官吏登用試験にあたる科挙の合格者が1名も出なかった荊州の地は、人々から未開の荒れ地という意味を込めて「天荒」と呼ばれていました。

しかし、劉蛻(りゅうぜい)という人物が初めて科挙に合格しました。
その際、人々はその功績を「天荒を破った」と称賛したのだとか。

この話が説話集「唐摭言」「北夢瑣言」などにまとめられたことで、破天荒という言葉が生まれたとされています。

破天荒の現在の使われ方

破天荒はもともと誰もやっていないことを初めて達成することを言いますが、過去と現在では用いられ方が違ってきます。

現代的な破天荒の使われ方

破天荒は、旧来の意味とは違う使われ方もします。
例えば、豪胆な人や大胆な行動をとる人という意味で使われます。

また、型破りや掟破りなど常識から逸脱したことをする人を指す際にも用いられます。
マナーを守らない人という意味で使われることもあれば、アウトローな人をあらわすこともあります。
無鉄砲なことをする人を揶揄する場面で用いられることもありますね。

旧来の意味で使う人は少ない?

「破天荒」は、昔と今で使われ方は大きく変わったと言っていいのかもしれません。

文化庁が発表した、平成20年度「国語に関する世論調査」では、破天荒を「誰も成し得なかったことをする」という意味で使う人は16.9%しかいませんでした。
対して、「豪快で大胆なことをする」という意味で使う人は64.2%という結果が出ています。

という事は、本来の意味で「破天荒」を使っても、8割以上には正しく理解してもらえないという事です。
これは誤用というよりも、新しい表現として浸透していると言っても差し支えないのではと感じる割合です。

破天荒の類義語

誰も成し遂げていないことを意味する破天荒以外にもあります。
ここからはそんな破天荒の本来の意味と同じ意味を持つ言葉をいくつかまとめます。

前代未聞

前代未聞とは、これまでに聞いたこともないような珍しく変わったことを意味します。

「前代」は現在よりも前の時代を指しており、「未聞」は未だ聞いたことがないことをそれぞれ指しています。
単に今までに一度も見たことのないことを表すこともあるなど、特に前例がない事象について表現する言葉です。

前人未踏

前人未踏とは、過去に誰も到達したり足を踏み入れたりしていないこと・場所を指しています。

「前人」は今までの人のことの意味であり、「未踏」は未だに誰も足を踏み入れていないことの意味となります。
未だに誰も成し遂げていないことを指し、同じ意味で「前人未到」と表記されることもあります。

未曾有

未曾有とは、現在までに一度もなかったことの例えです。
この言葉は、サンスクリット語で奇跡を意味する「adbhuta」が漢訳されたものが語源となっており、もともとは仏教用語だったとされています。
「未だ曾て有らず」と訓読されますので、本来の意味と一致しています。

なお、「古今未曾有」という表記もありますが、これはより強調して表現する際に用いられる語です。
「古今」とは過去から現在に至るまでの途方もない時間を指す言葉です。
それまでずっとなかったという意味で、「古今未曾有」と表現されるということですね。

まとめ

破天荒、は現在では豪快であったり大胆な人のことを指して言います。
しかし、本来は誰も成し遂げていないことをやる人を意味していた言葉です。

これは誤用というよりも新しい意味が生まれ、それが馴染んだ形だと言えるでしょう。
このように時代によって意味が変化した言葉は他にもあるため、本来の用い方と現時点での用い方を上手に使い分ける必要があります。

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