悪口で使われる「のろま」、その由来は演劇に使われた人形にある?!

「のろま」は、動作が遅い人や気が利かない人のことを指す言葉です。
この言葉は悪口として使用される言葉なのですが、もともとその語源は演劇の狂言から来ているとされています。

そこでここでは、そんな「のろま」がどういう言葉なのかを見ていきましょう。
併せて人の悪口となる類義語についてもご紹介します。

「のろま」とは

 

まずは「のろま」の意味や使われ方についてみてみましょう。

「のろま」の意味

「のろま」とは、動作が遅いことや気が利かない様子を指します。
頭の回転が鈍い人を指すこともあり、多くの場合で人を揶揄する際に用いられます。

悪口や悪態として用いられる

「のろま」が良い意味で使われることはまずありません。
「こののろま!」という風に罵倒する際に使うこともあれば、「のろまな奴だな」と皮肉として用いられることもあります。
多くの場合、ネガティブな要素を含んで使われますので、人に向かって口にすることがはばかられる言葉と言えます。

「のろま」の由来

 

不思議な響きある「のろま」という言葉はどこから来たのでしょうか?
諸説ある中から、ここでは2つの説をご紹介します。

人形から来たとする説

ひとつは人形を使った演劇から来ているという説です。
江戸時代に、野呂松勘兵衛という人物がいました。
この人物が演じていた人形芝居「間狂言」に登場する「のろま人形」から来ているとされています。

その人形は顔が平らで青黒くなっており、愚鈍な仕草をする滑稽な人形劇だったとされます。
そこから愚鈍な人全般を「のろま」と表現するようになったとされます。

動作が遅いことをあらわす語から来たとする説

「のろのろ」という、動作をあらわす言葉から生まれたとする説もあります。

「鈍(のろ)」とは、動きが遅いことを意味する言葉です。
そこに、状態を表す接頭語「間(ま)」がくっついて「のろま」となったというわけです。

「のろま」の類義語にあたる、人の悪口になってしまう言葉

 

人の悪口となる言葉の中には、「のろま」と同様の意味がある言葉が他にもあります。

あんぽんたん

「あんぽんたん」とは、間が抜けていて愚かなことを意味する言葉です。

「あほ」と「だらすけ」という言葉が合わさったとする説や、薬の名前をもじって生まれた言葉とする説、魚の名前に関係するという説などがあります。
「バカ」や「アホ」という意味で使われることもあります。

ひょうろくだま

「ひょうろくだま」とは、間抜けなことや間抜けな人のことを指す言葉です。
この言葉は、亀が由来とされたり、花火が語源とされたりする他、狩人にちなんでいるともされ、いくつかの説があります。
現代ではあまり使われることのない言葉ですが、かつては「このひょうろくだまが!」と罵声として使われていたそうです。

とんま

「とんま」は間が抜けていることを表す言葉となります。
これは、鈍いことを意味する「頓(とん)」に、状態を表す接頭語「間(ま)」がくっついてできた言葉だとされています。
また、「のろま」が転じたとする説もあるそうです。

まとめ

悪口の一種として使用される「のろま」は、動作が遅かったり気が利かなかったりすることを表す言葉となります。

この「のろま」は、江戸時代に行われていた演劇の1つから来ているとされます。
その他にも、「のろのろ」という行動が遅いことを表す言葉から来ているともされます。

ただ、あまり良い意味ではないので、軽々しく口にするのは避けたい言葉ともいえます。

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