コンニャクの原料となる植物、それが「こんにゃく芋」です。
しかし、このこんにゃく芋には毒が含まれています。
それも人が命を落としてしまうこともあるほどなのだとか。
そのため、こんにゃく芋は生では食べられません。
そこでここでは、こんにゃく芋がどのような植物なのか、どのような毒が含まれているのかを見ていきましょう。
目次
こんにゃく芋とは
まずは、こんにゃく芋という植物について見ていきましょう。
こんにゃく芋はこんな植物
こんにゃく芋は、高さ2mほどまで伸びる多年草の植物です。
木の幹のようなしっかりした茎があります。
茎の先から伸びる葉っぱがあるのですが、それはまるで若木のようです。
この葉の先は3つに不揃いな羽状に分かれており、毎年1枚だけ出てきます。
こんにゃく芋も花が咲く
こんにゃく芋も、実は花が咲く植物となります。
その花は5年に一度の頻度で咲くとされています。
しかし、環境によっては2年で咲くこともありますし、平均すると3年~4年で咲くとも言われます。
こんにゃく芋の花の形状から、こんにゃく芋は「悪魔の舌」とも呼ばれることがあります。
また、悪臭を放つことから「世界で最も醜い花」「死体花」などとも呼ばれているのですが、「世界一大きな花序」ともされています。
ちなみに、こんにゃく芋の花は2日間ほどしか咲きません。
そのため、生で見られるのはとても貴重なことともされています。
こんにゃく芋の毒とは
ここからはこんにゃく芋が持つ毒性について解説していきます。
こんにゃく芋の毒性
こんにゃく芋は、強い毒性を有しています。
その毒はシュウ酸カルシウムと呼ばれるものです。
これは、劇薬に指定されるほど強い毒性があります。
そのため、生で食べることはできないのです。
こんにゃく芋を生で食すのはやめましょう
こんにゃく芋は、少量を口にしただけでも激しい灼熱感で喉が腫れ呼吸困難になります。
毒性が弱かったとしても、腎臓・尿管・膀胱・尿道に結石をもたらすことがあります。
大量に摂取すると肝臓・腎臓に深刻な障害が出ることもあるのだとか。
場合によっては昏睡状態や死に至る危険もあります。
シュウ酸カルシウムを含む生の状態は非常に危険なのです。
素手で触っただけでも、かぶれてしまうので注意しましょう。
食べるはもちろん、直に触るのも避けたいものなのです。
コンニャクは毒が無いから安心!
こんにゃく芋にはとても強い毒があります。
そうなると、食材のコンニャクは大丈夫なのか気になりますよね。
結論を先に言えば、コンニャクは毒がないので安心です!
コンニャクの毒の対処方法
こんにゃく芋の毒性は、水酸化カルシウムや貝殻焼成カルシウムを混ぜることで抜くことができます。
つまり、食材のコンニャクには、こんにゃく芋とこれら2つのどちらかが必ず使われているということになります。
そのため、コンニャクは毒がありません。
なお、シュウ酸カルシウムは里芋や山芋にも含まれています。
その他、ほうれん草などの野菜やパイナップルなどの果物にも含まれています。
意外と身近なところにシュウ酸カルシウムは潜んでいます。
古くから食されてきたコンニャク
コンニャクは、古くから食されてきた食材とされています。
一説よると弥生時代には食されていたとされています。
また、飛鳥時代に仏教とともに中国から伝わったという説もあります。
当時は、整腸作用のある薬として用いられていたのだとか。
つまり、コンニャク自体は古くから口にされていたというわけです。
なお、食品として扱われるようになったのは鎌倉時代の頃と考えられています。
まとめ
こんにゃく芋には、シュウ酸カルシウムという毒があります。
そのため、生食をすると喉が腫れて呼吸困難になることもあります。
また、腎臓・尿管・膀胱・尿道に結石ができる原因にもなりえます。
さらに、肝臓・腎臓に深刻な障害が出ることもあるようです。
場合によっては昏睡状態や死に至る危険もあります。
そのため、絶対に生で食べないよう気をつけましょう。
触るとかぶれることもあるので、素手で触らないように注意が必要です!