「臍を噛む」とはどんな感情を意味するの?「臍(ほぞ)」とはどこのこと?

「臍を噛む」とは言い表せないほど悔しい感情をあらわす言葉です。
この言葉は中国の故事に由来する言葉となっています。

そこでここでは、「臍を噛む」の意味や由来について解説します。
また、気になる「臍」の正体についても見ていきます。

「臍を噛む」とは

まずは「臍を噛む」の意味について見ていきましょう。
また、ここでは「臍」が何を意味するのかについても触れていきます。

「臍を噛む」の意味

「臍を噛む」とは酷く後悔することの例えです。
「臍を食う」と表現されることもあります。

どうにもならないことを悔やむ感情の例えとして用いられます。
取り返しのつかないことに苛まれる感情をあらわす言葉です。

手遅れになることを指す言葉ではない、という点に注意が必要です。
あくまでも、努力しても及ばなかった感情などをあらわす表現の1つとなっています。

「臍(ほぞ)」とはどこのこと?

この言葉の「臍」とは、人体のへそのことです。

自分のへそを噛もうとしても口には決して届きません。
もし噛もうとしても結局は届かないので、イライラしてしまいます。

この時のやるせない感情から生まれたのが「臍を噛む」という言葉です。
自分ではどうにもできないもどかしい気持ちをあらわす表現となっています。

原則として「へそを噛む」と表現することはありません。
同じものを指していても、そこは混合されないという事ですね。

「臍を噛む」の由来

「臍を噛む」は、中国の故事に登場する王への進言から生まれた言葉とされています。

進言から生まれた言葉

「臍を噛む」は、中国の「春秋左氏伝」に記載されている故事から来ています。

東周時代の前半、楚国の王である文王が鄧という国に立ち寄りました。
この時、鄧国の王は臣下から文王の暗殺を勧められました。
臣下たちは鄧国の王に次のような進言をしたと記録されています。

「文王を今殺さなければ、あなたは臍を噛むだろう」

しかし、この進言を鄧の王が聞き入れることはありませんでした。

この時の鄧の国の臣下が暗殺を実行しなければ悔やむことになる、と表現した「臍を噛む」が由来となっています。

その後の鄧国は・・・

国を思った臣下の言葉は王によって却下されてしまいます。
その結果といってしまっていいでしょう。
鄧国はその後、楚国によって滅ぼされてしまいました。

臣下が暗殺すべきとした進言は正しかったのかもしれません。

「臍を噛む」の類義語

ここからは「臍を噛む」の類義語について見ていきましょう。
「臍を噛む」に似た意味を持つ言葉としては「慚愧の念」や「後の祭り」などがあります。

慚愧の念

「慚愧の念」は、自分の言動を反省して恥ずかしく思う気持ちのことです。
発言や行動に対して後ろめたい思いがあることの表現として使用されます。

激しく悔やんでいるというニュアンスでは「臍を嚙む」に近いものがあります。
しかし、「慚愧の念」の場合は恥ずかしいという気持ちが強い表現となります。

後の祭り

「後の祭り」は、事後に後悔してもどうにもならないことをあらわす例えです。
やってしまったことや起こってしまったことを後悔する様子をあらわした言葉となります。

「臍を噛む」も酷く後悔している様子をあらわす場合に使用されます。
そういう意味ではお互いに共通した意味合いを持つと言えるでしょう。

しかし、「後の祭り」は「後悔しても仕方がない」というニュアンスが含まれるという点に違いがあります。

まとめ

「臍を噛む」とは、文字通り自分のへそを噛むことを表現した言葉です。
しかし、自分のへそというものは噛もうとしても噛めずにイライラしてしまいます。

そのため、どうにもならないことを酷く後悔したり悔やむことをあらわす言葉となっています。

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