
寝てしまうことを指す言葉には、「うたた寝」や「居眠り」があります。
この2つの寝ることを意味する言葉には、明確な違いが存在します。
そこで今回は「うたた寝」と「居眠り」の違いについて解説します。
また、うたた寝の「うたた」がなにをあらわしているのかも見ていきます。
目次
「うたた寝」とは

まずは、「うたた寝」がどのような寝方なのかを見ていきましょう。
「うたた寝」はこんな寝方
うたた寝は、漢字表記では「転寝」となります。
その文字通り、床やソファなどに転がって眠ることを指します。
ベッドや布団でする昼寝は「うたた寝」ではない
横になって眠ることを指す「うたた寝」。
これは、ソファや長椅子、床で横になって寝ることを指します。
そのため、ベッドや布団などでしっかり昼寝することはうたた寝とは言いません。
本格的に眠る場合は、「うたた寝」とは言わないため、要注意です。
「うたた寝」は、ニュアンスとして本来寝る場所ではない場所で寝ている状況を指して用いることが多いです。
「うたた」の意味は・・・よく分かっていない
うたた寝の「うたた」、その意味は実はよく分かっていません。
「うたた」という言葉自体には、ますますやいよいよの意味がありますが、この言葉は直接関係ないとされています。
たしかに、「ますます寝る」や「いよいよ寝る」では意味が通じませんよね。
「居眠り」との違い

うたた寝と似た寝方に「居眠り」がありますが、両者には違いがあります。
「居眠り」は座ってするもの
居眠りの「居」という字には座るという意味があります。
そのため、椅子などに座った状態で眠ることを指します。
うたた寝は寝転がって眠ることなので、姿勢が異なります。
どちらも寝ることをあらわす言葉ですが、姿勢によって変わるという事になります。
「居眠り」はしてはいけないとされがち
居眠りは、ネガティブな印象で使用されることが多いです。
座ったまま眠るという行儀の悪さがそういった印象に繋がっているのかもしれません。
また、学校の授業中や職場の仕事中に寝てしまうことも「居眠り」と言われます。
そこから良くないイメージが持たれることも多いわけです。
たしかに、学校や職場をテーマにした作品で「居眠りするな」と注意されるようなシーンが描かれやすいですよね!
他にも「居眠り運転」などネガティブなな印象に繋がる言葉があります。
逆にうたた寝に関してはそこまで悪い印象はありません。
これも両者の違いと言えるでしょう。
「うたた寝」と似た寝方をあらわす言葉

ここからはうたた寝と似た寝方をあらわす言葉をまとめます。
「まどろむ」や「まんじり」などが類義語として挙げられます。
まどろむ
「まどろむ」は、うとうと眠る様子を指す言葉です。
漢字表記では「微睡む」となります。
この寝方では、ぐっすりと眠りにつくことは指しません。
ちょっとした浅い眠りを意味することが多いです。
うたた寝は横になって眠ることをあらわすが、「まどろむ」は状態に関わらず浅い眠りを楽しむことをあらわします。
まんじり
「まんじり」は、ちょっとだけ眠ることを意味します。
一般的には「まんじりともせず」のような否定形の表現で使われます。
そのため、うたた寝とは言葉の使い方や用い方が異なります。
「まんじり」も横になって寝るというより、姿勢にかかわらず少しだけ眠ることを指すという点では相違しています。
まとめ
寝ることや眠ることをあらわす言葉はたくさんあります。
床やソファ・椅子に横になって寝ることを指すのが「うたた寝」となります。
逆に座ったまま眠ることを意味するのが、居眠りです。
「うたた寝」と「居眠り」は姿勢で呼び分けることができるというわけです。