
シャーロックホームズや名探偵コナンなど、映画や小説、漫画で人気の「ミステリー」や「サスペンス」。
同じ、もしくは似ていると思われるこの2つのジャンルですが、実は違うものを指しています。
ミステリーは推理モノ全般を、サスペンスはハラハラドキドキする緊張感を楽しむ作品を指します。
そこでここでは、意外と混合してしまうこともあるこの2つのジャンルの違いを解説していきます!
目次
「ミステリー」とは

まず最初に、ミステリーどのようなジャンルなのかを見ていきましょう。
「ミステリー」と呼ばれるジャンル
ミステリーは、推理モノ全般を指す言葉です。
物語の中で提示される事件や謎の真相を登場人物が探ったり、誰が犯人なのかといった謎を解き明かす物語をミステリーと言います。
シャーロックホームズや金田一耕助シリーズ、十津川警部シリーズ、名探偵コナンなどはすべてミステリーといえるでしょう。
由来は「謎」をあらわす英単語から
「ミステリー」という言葉の由来は、謎・神秘的なこと・不可解なことを意味する英単語"mystery"にあります。
この意味が転じて、「謎」を解き明かす映画や小説などのジャンル名にもなったのです。
「サスペンス」とは

次に、サスペンスとはどのような作品が含まれるジャンルなのかを見ていきましょう。
「サスペンス」と呼ばれるジャンル
サスペンスは、読者や視聴者をハラハラドキドキさせるような、緊張感を楽しむ作品を指します。
物語が進行する過程で味わう緊張感などを一緒に味わったり、反対に追いつめられる犯人側へ感情移入して緊張感を味わったりする作品を指すジャンル名です。
このサスペンスは、必ずしも犯人がいるような事件を描く物語である必要性はありません。
また、トリックがない事件が起きてもサスペンスと言います。
そのため「バトルロワイアル」や「悪の教典」、「デスノート」などは緊迫感や臨場感が売りなのでサスペンスに含まれるということになります。
由来は「宙吊り」をあらわす英単語から
「サスペンス」という言葉の由来は、宙吊り・宙ぶらりんの状態などを意味する英単語"suspense"です。
宙吊りや宙ぶらりんな状況というのは緊張感があるものです。
この意味合いから、緊迫感やドキドキを味わえる映画や小説などの創作物のジャンル名となりました。
「ミステリー」と「サスペンス」がややこしい理由

改めて考えるとまったく違うジャンルであるミステリーとサスペンス。
では、どうしてこの2つのジャンルはこんなにややこしいのでしょうか?
「ミステリー」にサスペンス要素があってもおかしくない
主な理由としては、ミステリーの中にサスペンスのような要素がある場合も多いことが挙げられます。
ハラハラドキドキする物語の中で、その原因となった要素を解明するような要素が加わっていれば、その作品は「ミステリー」要素があるということになります。
また、ミステリー作品の中には、犯人を推理したり事件の真相を暴こうとする中で、恐怖感を煽られるような演出つまり「サスペンス」性の高い演出がされる事もあります。
このように、ミステリーとサスペンスは密接な関係にあるため、混合されたり同一視されることがあるのです。
犯人が分かっている状態から始まるのが「サスペンス」というのはちょっと違う
サスペンスの認識としてよくある勘違いに犯人が分かっている状態から始まるのはサスペンスと言うのがあります。
しかし、その構成はあくまでもミステリーの一種であり、正式には「倒叙形式」という表現方法になります。
「倒叙形式」とは。物事の時間的流れと逆の順序で展開されていく物語のことです。
犯人がどのようにして事件を起こしたのかといった過程を推理するミステリーに含まれるカテゴリーのひとつとなります。
まとめ

推理モノ全般を表す「ミステリー」と、ハラハラドキドキする緊張感を楽しむ「サスペンス」。
ミステリーの中にはサスペンスの要素を含む作品も多くあります。
その逆もしかりなので、似通ったものだと勘違いされてしまいやすいようです。