「石部金吉」と聞けば、人の名前だと思う人も多いかもしれません。
しかし、実はこれれっきとした四字熟語で、強固なものを指す言葉となっています。
そこでここでは、「石部金吉」という四字熟語について紹介します。
目次
「石部金吉」の意味
まずは、「石部金吉」が何を指すのかを見ていきましょう。
この言葉は、ポジティブな言葉としても、ネガティブな意味合いでも使用されることがあります。
ポジティブな意味での「石部金吉」
「石部金吉」をポジティブな表現とした際は、非常に生真面目で物堅い・女色に迷わされない・品行方正こういった人を指します。
褒め言葉として使用されます。
ネガティブな意味での「石部金吉」
「石部金吉」をネガティブな意味合いとすると、堅物で融通のきかない・色恋を理解できない・一点張りといった人をあらわします。
これらは、少々からかうようなニュアンスを込められる傾向にあります。
「石部金吉」とは
ここからは「石部金吉」ということばのの語源について見ていきましょう。
「石部金吉」の由来
「石部金吉」という言葉は、石や金といった鉱物から来ています。
石や金は非常に硬いですよね。
そこから連想されて生まれた四字熟語となります。
石と金、2つの硬いものを人名のように並べて洒落を利かせた言葉となっています。
パワーアップ?した言葉「石部金吉金兜」
石と金から来た「石部金吉」よりも極端な堅物を「石部金吉金兜」と呼ぶこともあります。
これは「石部金吉」のパワーアップバージョンと言えるでしょう。
兜は頭を守る防具ですので、非常に堅牢です。
金属製となればなおさらです。
そこで、「石部金吉」の後ろにさらに「金兜」と加えることで、非常に堅物であるという事を強調しているのです。
「石部金吉」の類義語
ここからは「石部金吉」の類義語を見ていきましょう。
杓子定規・四角四面・墨守などがあげられます。
杓子定規
「杓子定規」とは、何でも一定の基準や形式ですべてを律しようとする ことです。
また、このような行動規範を持つ融通がきかなくない人やその様子を指します。
これは、曲がっている杓子の柄を無理に定規の代用とするところから来た言葉です。
「杓子」は、汁や飯などを盛ったりよそったりする道具のことです。
古くは柄が曲がっているものが主流だったともされます。
そんな杓子を、定規のように使おうとしたところから生まれたとされています。
四角四面
「四角四面」とは、極めて真面目なことを指します。
生真面目すぎるがゆえ面白みに欠けてしまっている人や物事の意味でも用いられます。
さらに、面白みがなくつまらない人をあらわすこともあります。
墨守
「墨守」とは、頑固に守ることをあらわした言葉です。
堅牢な守りのことをあらわすこともあります。
この言葉は、墨子という古代中国の人物から来ています。
まとめ
「石部金吉」は、人の名前を指した言葉ではありません。
石と金のように硬いものを人の名前のように表現した、一種の四字熟語です。
お堅い人という意味合いで用いられることがありますが、これはポジティブな表現でも、ネガティブな様子としても用いられます。